わろてんか (第29回・11/3) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『わろてんか』(公式)
第5週『笑いを商売に』
『第29回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
店を取り上げられまいと必死に抵抗する啄子(鈴木京香)を見て、藤吉(松坂桃李)は捨て身の芝居を打って高利貸しを退散させる。てん(葵わかな)は店にある米を最後の一粒まで売り切ろうと決心した藤吉を助け、大阪の町中を一緒に売り歩く。万丈目(藤井隆)の店でご飯を食べるてんと藤吉は、そこに居合わせたキース(大野拓朗)たち芸人が景気づけに披露してくれた芸を見て、久しぶりに腹の底から笑い幸せを感じた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
朝から刃物で "命" のネタを「芝居や」で済ませるゲス感覚
今朝も「わろてんか名物」不愉快にさせまくるアバンタイトルが始まった(もうテンプレにしても良い位だ)。こんな部分で安定感や連続性を担保しては困るのだが。さて、今回の不愉快の原因は、朝から刃物を振り上げて “生命” に関わるネタを「芝居や」の一言で済ませる感覚。脚本も演出も演技も全部…
忘れたことにしている「京都編」を思い出して欲しい。主人公の実家は薬問屋だ。てんの父・儀兵衛が「命に関わる仕事」を連呼していた。しかし、本作はてんの兄・新一の死をナレ死にし、その他にも生命を蔑ろにした描写が多かった。そして、今回の「包丁沙汰」も同じ。なぜ、こんなに命を軽視するのだろう?
「過程」を描かないから、誰一人「必死」に見えない!
主題歌明けの藤吉が啄子に言い訳(にしか見えない)をする場面。本来ならば、藤吉の必死な選択の結果の騒動であるから、その理由付けも納得できる話になるのが当然だ。好意的に解釈すれば、藤吉の気持ちも分からなくもないのだ。
しかし、実際には「必死さ」がまるで伝わらない。まず、演者たちは「必死」な演技はしているが、先日も書いた奇妙な大阪弁で登場人物らの気持ちが伝わり難いのがダメ。そもそも、「必死」になった「原因」はともかく「過程」が雑にしか描かれていないから、「必死」に見えない。
緩い方言指導と俳優の努力不足も「必死」に見えない原因
その後の米を売り歩くシーンも同じ。脚本も演出も酷いが、方言指導は何をしているのか?もっと指導を強化すべきじゃないのか?言っては悪いが、役を請けた以上は俳優自身の努力も必要ではないだろうか。とにかく、大阪船場が舞台なのだから、関東の人にも当時の雰囲気がきちんと伝わる舞台を作るべきである。
もっと「必死」に売り歩く映像を入れれば良いだけなのに
「必死」に米を売り歩いていると解釈している藤吉とてんが、つい先日自分たちを騙したキースの誘いに乗って、吉蔵の芸で大笑いをすると言う流れが、今一つ解せない。もっと「必死」に売り歩く映像を入れれば良いだけなのに。そして、12分過ぎに、藤吉が北村屋に帰って来て、こう↓言う。
藤吉「お母ちゃん 最後の一粒まで売ってまいりました」
「だから、何なの?」と言うしかない。啄子の「そうか」も本当に軽々しく聞こえてしまうのが残念だ。
完全に視聴者置いてきぼり、完全に視聴者無視に怒り心頭
てん「誰にも負けへんものがあるやないですか。
人を笑顔にしたいいう気持ちです」
13分過ぎに、実家に帰れと言われたてんがそれを断り、藤吉を励ますシーンでてんがこんな↑ことを言った。もう、全く意味が分からない。いつ藤吉が「人を笑顔にしたい」気持ちを見せたと言うのだ?ギリギリてんはそう言う時が以前あったが、少なくとも今回の藤吉はやるべきことをやらずに笑いに逃げているようにしか見えない。
前回までで、こんな展開でどうやってサブタイトルの『笑いを商売に』に繋げるのか心配だらけであったが、こんな取って付けたような台詞で、あっさりと “藤吉は人を笑顔にしたい人” と視聴者に押し付け、更にこんな↓台詞で一気に進めてしまった。
てん「うちが あんさんと結婚してあげます。
そのかわり 今度こそ 一生 笑わせて下さい。
芸が そないに好きやったら
いっそ それを商売にしはったら どうですか?」
もう、完全に視聴者置いてきぼりである。完全に視聴者無視と言っても良い。これは酷過ぎる。もう馬鹿げているとか不愉快を通り越して怒り心頭である。
あとがき
この展開は、流石に酷過ぎます。これなら、藤吉とてんが再会した直後に、屋根の上にでも登って、この台詞を行っちゃえば済んだのと同じです。だって、「過程」が「結論」に全く影響していないのですから。これは酷過ぎますよ。
最後に。前回の疑問点ばかりの感想に、91回ものWeb拍手と、たくさんの応援コメントを頂き、ありがとうございました。酷い脚本だとは思っていましたが、まさか北村屋の倒産から、完全に視聴者置いてきぼりと視聴者無視で、勝手に「第2章」に進むのは酷いと思います。もう何か、何かなぁなんて言っていられません…
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