映画「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし

映画「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし
映画 『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(日本語字幕版)』公式)を先日、に劇場鑑賞。採点は、★★★☆☆(最高5つ星で3つ)。100点満点なら60点にします。
なお、ピエール・ブールによる同名のSF小説を原作にした『猿の惑星シリーズ』を新しい解釈で描いた新シリーズの前2作は鑑賞済み。

映画「猿の惑星:創世記(ジェネシス)(字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレあります
映画「猿の惑星:新世紀(ライジング)(2D・字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし


私の評価基準(映画用)

ディレクター目線のざっくりストーリー

高度な知能を得た猿と人類の全面戦争が始まって2年。シーザー率いる猿の群れは、森の奥の秘密の砦に身を潜めていた。ある夜、人間たちの奇襲攻撃を受け、シーザーは妻と息子を殺される。

シーザーは人類の軍隊のリーダーである大佐に復讐するため、群れの仲間を安全な場所に隠して、オランウータンのモーリス、シーザーの片腕であるロケットらと共に旅に出る。

途中、口のきけない人間の少女ノバや大佐の居場所を知る動物園出身のバッド・エイプと名乗る奇妙なチンパンジーも加わり、大佐のいる巨大な要塞に辿り着くが…

なぜ猿の奴隷として人間が使われている世界が出来のか?

SF映画の名作『猿の惑星』(1968年)の前日譚を描く新シリーズは、創世記(ジェネシス)、新世紀(ライジング)を経て、本作の聖戦記(グレート・ウォー)で一先ず完結となる。

となれば、本作は、そもそもなぜ類人猿の奴隷として人間が使われている世界が出来上がったのか? なぜ人間社会が滅亡に向かい猿社会が繁栄したのか? などの疑問に答えはどう描かれるか。結論から言えば、きっちりと描かれている。

クリント・イーストウッド監督・主演の西部劇映画『アウトロー』とシーザー

最も知能の高い猿のリーダーのシーザーは、猿を滅ぼして人間の世界を守るんだと人類の軍隊のリーダーである大佐に対して「ただ我々は生き残りたいだけだ」と抵抗して戦っているが、大佐らに家族を殺されてしまい、リーダーなのに「大差を殺す」と1人で復讐の旅に出て行くくだりは、『猿の惑星』と言うより『西部劇』だ。


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クリント・イーストウッド監督・主演の西部劇映画『アウトロー』(1976年)の主人公が、ならず者集団に妻と息子を殺され、次第に仲間を増やして復讐の旅に出るのとほぼ同じ。シーザーも馬に乗り、目を眩しそうにしながら終始しかめっ面な立ち振る舞いもどことなくクリントを感じさせる。

シーザーたちが山奥の王国に向かう旅は『地獄の黙示録』

そして、旅をするロード・ムービーにも見えてくる。また、人間と猿の戦争にひたすら猿を人間の奴隷すると言う狂気だけで向かってくる大佐を殺すために、シーザーが仲間たちと共に山奥に築き上げられた王国に向かう旅はロード・ムービーにも見えるが、展開は戦争映画の名作『地獄の黙示録』(1979年)と一緒。


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猿が人間のために砦を築くのは『戦場にかける橋』

すると、リーダーがいなくなった猿の一族はどんどん大佐に捕まって、人間たちが猿を奴隷にして大佐の王国の砦を作らせる。この辺はタイとビルマの国境近くにある日本軍の捕虜収容所で、連合軍捕虜を使って国境に流れるクワイ河に橋を架けるこちらも戦争映画の不朽の名作『戦場にかける橋』(1957年)を引用していると思われる。


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と言うか、映画『猿の惑星』と『戦場にかける橋』の原作小説の著者はピエール・ブール氏で同一だから引用と言うよりも当然。しかし、今回の『聖戦記(グレート・ウォー)』に、「捕虜が敵陣のために橋を架ける」と「猿の奴隷が人間の砦を築く」を重ねた脚本はなかなかニクイところを突いて来たと思う。

シーザーの復讐の旅が贖罪の旅と変わるのは『旧約聖書』

そして、ここからシーザーの復讐の旅が贖罪の旅と変わって行く。もうお分かりだろう。旧約聖書「出エジプト記」による、モーゼがイスラエル民族を率いてエジプトを脱出したあのくだりへと繋がっていくのだ。これ以上はネタバレになるか控えておく…


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映像的には素晴らしいが、突っ込み所は結構ある

映像的には、シリーズを通してシーザーを演じたアンディ・サーキスの名演技が、1968年から飛躍的に進化したパフォーマンスキャプチャーやCGのお蔭で、彼がシーザーそのものに見えるのは素晴らしい。

ただ、残念なのは劇中で描かれているのが、地球的規模に見えず、1つの山の出来事にしか見えないこと。また、しょうがない部分ではあるが、猿同士なのに英語で話したり、複雑な会話も結構荒っぽい手話で通じてしまうもちょっと気になった。

また、速く高い木に登れた方が世界を制すると言うのもどうかと。しかし、一番気になったのは、140分と言う長尺の上映時間。あと30分削ったら星★を1つ増やしたい。

あとがき

猿と人類の戦争と言う壮大なスケールと旧約聖書になぞらえたストーリーを最新の映像技術で描いた本作。オリジナルのSF映画の金字塔『猿の惑星』へのリスペクトと過去の西部劇や戦争映画へのオマージュにも溢れています。突っ込み所も無くも無いが、衝撃的なキャッチコピー “そして、猿の惑星になる。” に嘘はありません。

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