明日の約束 (第2話・2017/10/24) 感想

関西テレビ制作・フジテレビ系・『明日の約束』(公式)
第2話『吉岡君を死なせたのは誰か…牙をむく母』の感想。
圭吾(遠藤健慎)が自宅で自 殺し、遺体で発見された。日向(井上真央)と霧島(及川光博)は彼の家に駆け付けるが、圭吾の父・吉岡(近江谷太朗)に追い帰される。一方、真紀子(仲間由紀恵)はショック状態で「学校に殺された」とつぶやく。圭吾の死に校内が騒然となる中、昨夜、彼に好きだと告白された日向は、すぐ断ったことを気に病む。そんな折、日向は圭吾の同級生・那美(井頭愛海)から彼がクラスでいじめられていたと聞く。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今回で "とても良い感じに思えた" 3つのこと
第2話も脚本は古家和尚氏、演出は土方政人氏。内容の感想に入る前に、前回はあまり感じなかったのに、今回とても良い感じに思えたことを3つ書いてみる。
●私の思った通りの台詞が、次々と出る気持ちのよい脚本は久し振り
●妙な騒動を起こさず、自然とそうだったのだと思わせる脚本も悪くない
●女子高生役の若手女優さん選びのセンスが良い
1つめの、「私なら今の場面でのこの登場人物にはこう言って欲しい」みたいなシーンで、きちんとそう言う台詞が書かれているのですよ。別に私のセンスが良いとかでなくて、“脚本家と気持ちが合う” と言うのはとても見ていて楽だし気分が良いのです。特に、本作のようなテーマが重厚な作品では脚本家と共感できるのは大切だから。
また、基本的に騒動の連続なのだが、決して「騒動至上主義」ではなくて、自然な流れの中で騒動が起こるから違和感なく作品の世界に入り込んでいると言うのも悪くないなと。そして、他の作品で頭角を現している私も注目している若手女優さんたちが、演じる役柄にピッタリ。全体的に配役のセンスが良いと思う。
本作のお蔭で "今の小さな幸せに感謝できる" のが良い
とにかく本作を見て感じるのは、言い方な悪いが、50歳過ぎの夫婦でお酒を飲みながら見ていると、「取り敢えず自分の学生時代は良かったんだな」と思え、今の小さな幸せにも感謝できるのが良い。
ポケベルも無かった私の高校時代には、あんな悪質なSNSいじめがあるなんて、今の学生さんたちの置かれた環境にまず驚かさせれるし、その一方で陰湿ないじめは、時代が移り変わっても脈々と続いている “負の現実” に対しては頭を抱えてしまう。
日向先生を応援したいと思わせる井上真央さんの存在感
また、今回は日向先生の母親の、子供への執着の異常性が描かれた。恐らく日向も何らかの精神疾患を患っているのは想像できる。そんな主人公が自身の母子の関係をギリギリの精神状態で維持しながら、スクールカウンセラーとしての仕事を全うしようとする健気な姿を、自然に応援したくなる。
また、第1話では主演の井上真央さんが、作品の核として全体の重苦しい雰囲気に飲み込まれてしまっていたのが残念でしたが、第2話では家と学校の2つの舞台で描かれたせいもあって、物語の核になってきたのも良かった。
「自他殺不明」より「警察から死因は自 殺」とした方が…
さて、本編の感想。1つだけ気になるのが「圭吾が自宅で自 殺」の前提で話が進んでいること。第2話でも、刑事ドラマ風に言えば「まだ自 殺か他殺か両面で捜査中」だから、きちんと警察の捜査で「圭吾が自宅で自 殺」として話を進めた方が良いと思う。
なぜそう思うかと言うと、本作が「ある生徒の死の謎を究明する中で…」のヒューマン・ミステリーだから、劇中でも「学校に殺された」や「死んだのはバスケ部のせい」の台詞があり、それらと自他殺がごちゃ混ぜに聞こえる印象が残るから。自 殺で進んでいるなら、早々に警察から学校へ「死因は自 殺」の報告があった方が良いと思う。
上↑で書いたのは、ドラマをより心地良く見るために気になる、たった1つのことだ。改善されれば、私の更に本作への期待は高まる。
あとがき
「学校と言う巨大な化け物であり迷宮」と、「家庭と言う小さくて外から見えないブラックボックス」など、劇中の高校生らを取り巻く環境のすべてに問題が山積…。しかし、実は現代では誰にも起こりうる身近な問題であり、社会的にもはや他人事では済まされないことが、丁寧に描かれている良作だと思います。
地味で重たい作品ではあり、息抜きの部分もあまりありませんが、目の前に起きた自分の問題から目を逸らさずに、何とかもがきながらも解決しようとする、井頭愛海さん演じる圭吾の同級生・那美の前向きな姿勢に希望を感じます。もちろん、母親に重傷を負わせた希美香の元気な姿にもホッとさせられます。次回にも大いに期待します。
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【これまでの感想】
第1話
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