「わろてんか」なぜ視聴者に “場違いの笑いと置いてけぼり” を続けるのか?

「わろてんか」なぜ視聴者に “場違いの笑いと置いてけぼり” を続けるのか?
©NHK

私なりに "不快で置いてけぼり" の理由を考えてみた

10/2から放送が始まったNHKの連続テレビ小説『わろてんか』。放送2週間が過ぎても、盛り上がる気配がないどころか、場違いな笑いで不快にさせられ、物語が先走って置いてけぼりにされていると感じるのは私だけでないと思う。そこで、大きなお世話だが、そうなってしまっている理由を少し考えてみた。

では、改めて。なぜ、本作は “やりたいことは分かるが、方法が間違っている” としか思えない「笑い」を続けるのか? 最初に考えたのは、テレビの中の人たちの頭の中だ。

恐らく、作り手たち(本作)が目指すのは、「辛い時こそ笑おう」だ。全てのエピソードの着地点を、「辛い時こそ笑おう」で終わらせたくてしょうがないに違いない。でないと、家長の首吊りで、家族や使用人たちがゲラゲラ笑うなんて、全視聴者を相手に愚行としか言えない挑戦的な「笑い」を、脚本家や演出家がやるはずがないからだ。

儀兵衛の「首吊り騒動」が不快なだけで笑えないワケ

しかし実際は、作り手たちの思惑とは真逆の大失敗、いや大失態となった(と、私は思う)。ではなぜ、作り手と視聴者がかけ離れ、置いていかれたと感じてしまうのか?私なりの考えはこうだ。

例えば…新一が亡くなる前の首吊りの「笑い」のくだり。愛する長男が大病で、余命幾ばくもないと言う絶望的な状況下での “絶叫に似た心の叫び”として、父親である儀兵衛が「辛い時こそ笑おう」を実行して創り出した「笑い」だった…としよう。

「わろてんか」なぜ視聴者に “場違いの笑いと置いてけぼり” を続けるのか?
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その目的があるならば、普通の脚本家は、儀兵衛が “笑うしかない状況” になるまでの苦悩や葛藤を徹底的に描いて、視聴者たちが儀兵衛と同じ気持ちにならなければ、いくら作り手が「わろてんか」と言っても笑えるはずがない…と、考えるはずだ。しかし、この脚本家は…

儀兵衛の出番を減らしたり、新一との関わりを減らしたりと、真逆の方法を選んだ。要は、しっかりと描くべきを無難で薄めに書いた訳だ。更に演出的にも、儀兵衛を家族たちから離してしまった。儀兵衛は新一が亡くなる前に “首を吊るまで思い詰めた” としたのに…。これが、失敗の直接的な原因ではないだろうか。

新一の死の直後なら、超好意的脳内補完が出来たかも?

本来(普通)なら、儀兵衛の感情の推移や変化の過程を、かなりシビアに且つリアルに描く必要があるのに、だ。

まあ、百歩、いや一万歩譲るなら、「新一が亡くなったあと」の強い悲しみと大きな絶望感の中で、儀兵衛が「辛い時こそ笑おう」としたならば、遠藤憲一さんの迫真の演技に拍手を送る意味も兼ねて、少しは儀兵衛に共感出来たかも知れないし、あっけらかんと新一の遺影の前で笑うてんとりんにも違和感を覚えなかったかも…

「わろてんか」なぜ視聴者に “場違いの笑いと置いてけぼり” を続けるのか?
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そもそも朝から、逆縁に失望し苦しむ父親を見たくない!

要するに、どんなエピソードの着地点も、「辛い時こそ笑おう」で終わらせたいのなら、自分より先息子を亡くした父親が失望し苦しむ複雑な心理描写、そこに至るまでの過程も全てガッツリと描く必要があるのだ。しかし、そもそもそんなシビアな映像を、朝から見たい視聴者がどれだけいるだろうか?

「辛い時こそ笑おう」と言うテーマやコンセプトは悪くない。ただ、描くべきことを十分に描かずに、「辛い時こそ笑おう」だけが先走り過ぎたのだ。そして、そのテーマを描くために必要な部分は、視聴者はあまり見たくないと言う矛盾もある。だから、視聴者は置いてけぼりを食らった気分になり、笑うどころでないのではないだろうか?

「わろてんか」なぜ視聴者に “場違いの笑いと置いてけぼり” を続けるのか?
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あとがき

新一を「ナレ死」させたのも最悪でしたね。視聴者の置いてけぼり感に拍車をかけてしまいました。始まってまだ2週間です。テーマは絶対にぶらさずに、全てを丁寧に描くことに専念すれば、巻き返しは出来るかもしれません。でも、視聴者が辛抱できるのは、最初の1か月までだと思います。

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【これまでの感想】
第1週『わろたらアカン』
1 2 3 4 5 6
第2週『父の笑い』
7 8 9 10 11 12
第3週『一生笑わしたる』

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