わろてんか (第3回・10/4) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『わろてんか』(公式)
第1週『わろたらアカン』
『第3回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
てん(新井美羽)の笑い禁止が解けないまま、薬祭りの日を迎えた。どうしても祭りの寄席に行きたい風太(鈴木福)とてんは、こっそり小屋に紛れ込んだ。そこで落語に大笑いして喜ぶ客たちの姿を目の当たりにし、てんはその楽しい雰囲気に心を奪われてしまう。その帰り道、ガラの悪い男たちに追われて逃げる藤吉(松坂桃李)とキース(前田旺志郎)に出会う。そしてなぜか、てんと藤吉は二人っきりで祠(ほこら)に隠れるハメになる
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
放送直後の伊東四朗さんの方が大爆笑と言う皮肉(困)
『わろてんか』で全く笑えなかったのに、その直後の『あさイチ』では、ゲストの伊東四朗さんの何気ないトークで冒頭から大爆笑の連続と言う何とも皮肉な第3回を見終えたところだ。
もっと「周囲を朗らかにする笑い上戸」を強調すべき
それにしても、まだ第3回だからあちこち解せないことがあるのはしょうがないとしても、私が不思議でならないのは、主人公のてんがどんな人物なのか?を何故きちんと第3回までに固定しようとしないのかと言うこと。3回分のてんの人物設定の印象を私なりにまとめてみるとこう↓なる…
第1回:“周囲を朗らかにする” が “おてんば” な女の子
第2回:“笑い上戸” で “お祭り好き” な女の子
第3回:“おてんば” で “好奇心旺盛” な女の子
もちろん、全ての要素を主人公が持っていてもおかしくはない。ただ、“おてんば” と “好奇心旺盛” を強調すればするほど、『あさが来た』のヒロイン “あさ” と被って来て既視感が半端無い。だから、もっと「周囲を朗らかにする笑い上戸の女の子」を強調しないと意味がないのでは?と思うのだ。
何故、"藤吉に出会って笑いたいてん" を描かないの?
おかしなことと言えば、第3回の展開もイマイチだ。アバンタイトルからのてんは、「笑い禁止」を命じた父親の言うことを聞き、“お祭り好き” をちゃんと封印して、妹・りんと祭りの手伝いをしており、「意外と物分かりの良い女子」として描かれた。
しかし、主題歌明けから従弟の風太の誘惑に負けて、その後10分掛けて完全に「おてんばで好奇心旺盛」な女の子と言う印象を強く付けてしまった。例えば、本来ならば、11分過ぎに藤吉のおかしな格好に気付いた時も、藤吉が見得を切った時も、「一座の芸人でな」を聞いた時も「芸人さん」と大笑いしなくてはいけなかった。
確かに、今回のてんと藤吉のやり取りで、てんが笑うのはおかしなことだが、父親の「笑い禁止令」は、薬問屋の家の中では笑ってはダメと言うことで、家の外では笑って良いと言うことでは?それなら脚本で、「藤吉に出会って笑いたくてしょうがないてん」を描くようなエピソードを入れれば良かっただけのことなのだ。
第1週で主人公の設定を明確に提示するのは一番大切!
脚本と演出が力を合わせて、主人公の設定を第1週の数回でしっかりと視聴者に埋め込むの(叩き込む)は、とても大切なことであり、最近の私の中では不作続きと捉えている朝ドラも、実はこの部分はしっかりと描かれているのだ。
『とと姉ちゃん』は第6回で父が死ぬため若干時間は掛かったが「家訓の厳しい家」に育ち「亡き父親代わりする」は描かれた。『ひよっこ』も、第3回までに「家族思い」で「働くのが大好き」で「友だちを大切にする」は描かれた。あの『まれ』だって「夢が嫌い」と「地道にコツコツと」は第3回までに描かれていた。
だから、本作のように僅か3回の放送とは言え、ここまで主人公の性格が印象に残らない作品も珍しいのだ。
「語り」と「エピソード」がチグハグ
7分頃、料金を払わずにこっそり演芸小屋に忍び込んで、落語を楽しんでいるてんと風太が興行主に見つかって、一騒動のくだりがある。てんと風太が本番中の舞台に走り上がって、ドタバタコントのようになるシーンだ。会場中が笑いに包まれているのを驚きの表情で見渡すてんに、こんな↓「語り」が被る。
N「これが てんが 初めて笑いの力を知った瞬間でした」
もしかすると、のちのちになってこの場面が “あるきっかけ” として再利用されるのかもしれないが、どこをどう切り取っても「笑いの力」とは何だったのか分からなかった。道端で苦しんでいる人がてんの笑いで朗らかになって、「ありがとう」と言われて感動した…そんなエピソードでの「語り」だと感じるが…
人気者の俳優を前面に出して、子役に笑わせているだけ?
さて。始まってまだ3回。「1か月過ぎまで分からない」を学習したばかりの私が言うのも何だが。ヒロインの幼少期を描く上で一番大事なのは、前述の通りにてんが「周囲を朗らかにする笑い上戸の女の子」であり、それを強調するがための「笑い禁止令」なのに、禁止の厳しさは父親の怖い顔だけ。
『とと姉ちゃん』なら、家中に「笑い禁止」の張り紙を貼っただろうし、『まれ』なら「お笑い禁止」をいつも大声で連呼していただろう。そう言う演出の工夫が足りな過ぎるのだ。脚本自体が面白くないし雑なのも問題だが、それを補強するべき演出が、登場人物たちや物語の進む方向を不明瞭にしてしまっている。
これ、『ひよっこ』の終盤と同じだね。ただただ、登場人物、いや人気者の出演者を前面に押し出して、子役に騒々しく笑いを作らせて加えているだけと言う感じ。まだ「てん」の苗字も印象に残らない状態。これで週末には子役から引き継ぐ訳だが大丈夫だろうか。私がしてもどうしようみないが、心配でならない…
あとがき
今回のアバンの最後の鈴木福くんの顔も笑えなかったですね。全体的に子役が不憫でならないのですが。それにしても、登場人物が一向に見えて来ませんね。やはり、もう朝ドラには子役時代のドタバタ劇は要らない時代になって来た、と言うことでしょうか?
最後に。早くも読者さんたちからの離脱宣言が飛び込んで来ている第2回の感想に 61回もの Web拍手とたくさんのコメントを頂き、ありがとうございます。ヒロインが将来の夫に出会うのが、想像以上に早かったです。でも、物語も登場人物も今一つと言う感じ。全体的にどこかチグハグに見えます。皆さんは、どう感じていますか?
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