わろてんか (第2回・10/3) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『わろてんか』(公式)
第1週『わろたらアカン』
『第2回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
大切な商談を台無しにしたてん(新井美羽)は、父の儀兵衛(遠藤憲一)から笑い禁止を命じられる。そこで祖母のハツ(竹下景子)はその禁を解いてもらえるよう、今まで以上にてんを厳しくしつける。てんは母のしず(鈴木保奈美)から、父が今回の商談のためドイツ語を必死に勉強していたと聞かされ、大変なことをしたと気づき落ち込んでしまう。そんなてんを兄の新一(千葉雄大)は、てんの笑顔を見ると元気になると言って励ました
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
何の方向性も見えずに、ダラダラと約3分間ものアバンか…
第2回の放送の前に第1回を復習した。すると、明治35年なら「パァティ(字幕より引用)」よりも「パァテェ」や「パァチィ」の方が時代を表しているのでは?なんて、何の時代考証も考えずに演出的に思ったのだが…。それにしても、箸が転んでもおかしい年頃とは全く違う子どもの「笑い」の空回りがここまで酷かったか。
そして、第2回が始まった。前回でも描かれたドイツ人家族が起こるくだりだが、なぜあそこまで起こったのか良く分からないまま、取り敢えず物語は前進する。それも何の方向性も見えずに、ダラダラと約3分間ものアバンタイトルが続く続く…。それと、松たか子さんの歌い出しの歌声が籠った様に聞こえるのは気のせいか?
狭苦しい画と、空気の流れの無い映像を何とかして欲しい
さて本編が始まった。てんと祖母・八ツの裏庭での会話。手前の枝葉の揺れがあまりにも不自然で気になったが、ハツを見るてんの目線もおかしいの。子役だからとは言え、もう少し何とかならなかったかな。そして、茶道のお時間。それにしても藤岡家は豪邸に見えるが、庭を含めて邸宅内のシーンが実に狭苦しい。
『あさが来た』では横の広さだけでなく奥行き感まで上手く利用して、日差しや行燈でも時間経過を表現していたが、本作はそれも乏しい。前作と同様の狭苦しい画とアップの連続。お琴のシーンは、クレーンカメラで上下の動きを出したり、演出的な工夫が見られて良かったが…
どうも、本作には「奥行き感」と「空気の流れ」の描写が乏しい。奥に木々があり日も当たってはいるが、何となく狭苦しく空気がよどんでいるような雰囲気。これ、実は私が大嫌いなNHKの美術セットの作り込みと演出なのだ。単純に安っぽいからと言う意味からも、何とかして改善して欲しい。
人物の情報描写過多と事柄の中途半端な描写が問題かも?
今度は、兄・新一が倒れた。第1回でドイツ人一家を怒らせたことと、今回の新一の病気の連続性も乏しいし。その原因は、怒った理由が笑いと関係していることを曖昧に表現して終わったのが最大の原因なのだが。
また、てんの “笑い上戸” の演技(指導も)中途半端な上に、「笑い禁止令」がどの程度の束縛性があるのか(父の前だけ禁止に見える)の描写も中途半端。そこへ来て、父、母、祖母、兄、そして主人公の設定説明を幾つもの小さなエピソードの各シーンの中でやろうとするから、もうぎゅうぎゅう詰め状態。
むしろ、登場人物たちの情報描写過多で、登場人物たちそのものが描かれている印象が弱い。そのために、これらの登場人物たちがどこへ向かおうとしているのか、脚本家は何を描きたいのかがほぼ見えない。吉本興業を作り、てんは50歳まで描かれることが分かっているのにである。
前進するべき第1,2回で、祭りの時間を止めたのはダメ!
さて、今回一番気になったのは、時間経過の描き方。いや、正しく言えば時間っ軸の使い方。第1回の冒頭が、祭囃子の音のなる中、ヒロインが祭りの開催されている神社の鳥居をくぐる後ろ姿のシーンだったのは思えているだろう。そう、第1話で既に「くすり祭り」は始まっていた。
なのに、新一の特徴を説明するシーン(倒れた場面)を挟んで祭りを止めた。意図的に脚本家が「祭りの時間」を止めたのだ。そして、今回の14分少し手前から、時計を動かし始め、「祭りの時間」を動かした。更に、煽り丸出しのこの↓の「語り」を入れたことで…
N「そして このお祭りに…
てんの運命を大きく変える男がやって来たのです」
結果的に、時間軸が “行って来い” したような印象付けになってしまった。第1回と第2回で時間が行ったり来たりするのは、結構な致命傷だと考える。だって、第1週はどんどん話を進めなくてはならないのだから。どうやら前作に続いて本作も事前情報で明らかになっている俳優の名前と顔でじわじわと客寄せする作戦か?
『「ひよっこ」期間平均視聴率発表 辛うじて前作0.1%超え』でも書いたが、お茶の間の人気者をヒロインにしたり、戦闘モノのイケメンを並べたり、あの手この手で視聴者確保をしても、面白い作品に仕上がるとは限らないのに…
あとがき
惹き込まれる “何か” が足りませんね。説明と語りで煽っているだけで話も進んでいません。いっそ、第3話のてんと藤吉(松坂桃李)が出会う場面を第1回のツカミにした方が良かったかもしれませんね。でも、まだまだ始まったばかり。しばし様子見です…
最後に。第1回の感想に 75回もの Web拍手とたくさんのコメントを頂くとは思いませんでした。本当にありがとうございます。当blogの読者さんなら、「始めの1か月は当てにならない」と言う、少し客観的な視点でご覧になっているので、私の愚痴と分析に共感して下さるのかなと。最初の歯車が回るのは次回ですかね。早く笑いたいです。
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