映画「エイリアン:コヴェナント(日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし

なお、『エイリアン2』(1986)、『エイリアン3』(1992)、『エイリアン4』(1998)、『エイリアンvsプレデター』(2004)、『プロメテウス』(2012)、は鑑賞済み。

ディレクター目線のざっくりストーリー
冷凍休眠中の男女1千人の入植者と1千体以上の人間の胎芽を乗せた植民船コヴェナント号は、人類の新天地となる惑星「オリガエ-6」を目指していた。
しかし、予期せぬ大事故で船体に甚大な故障が発生した上に、船長を始め数十名の乗組員が死亡。船長の妻で人類移住計画責任者のダニエルズら、生き残った乗組員たちと最新型アンドロイドのウォルターは、懸命な修復作業をする中で、女性の歌声が混じった謎の電波を受信する。
小型船で発信元の調査に向かった先は、移住先より近く、地球に良く似た環境の神秘的な惑星だった。ダニエルズらにとっても、人類の新たな移住先と希望を持つが、なぜか生物の姿が全く見当たらない。そんな星で、乗組員たちが次々と絶命の危機に。そこに、ウォルターの前世代のアンドロイドのデヴィッドが現れる…※R15+
79歳のリドリー監督の映像美は、我々を裏切りことは無い
SFホラー映画の不朽の名作『エイリアン』の前日談となる本作。リドリー・スコット監督の前作「プロメテウス」の続編でもあり、エイリアン誕生の衝撃的な秘密が明かされる。
とにかく、御年79歳のリドリー監督が創出する映像美は、我々を裏切りことは無い。幻想的で優雅で楽園のような広大な惑星と、ちょっとレトロなデザインの宇宙船と狭苦しい船内、そして、惑星と船内で繰り広げられるB級ホラーのチープな雰囲気を残した上手く残したグロい流血と殺しの惨劇の連続。
もう、このコントラスの効いた独特なヴィジュアルを楽しむだけでも、本作を見る価値は十分にある。また、奇才H・R・ギーガーによってデザインされ、登場するだけでワクワクしてくる完全生物エイリアンの造形美と、マイケル・ファスベンダー演ずる優雅で美しいアンドロイド対比も素晴らしかった。
"エイリアン シリーズの初心者&初体験者" におすすめしたい
事前情報も無い怪しい惑星に、2,000人もの人命を預かる新船長が防護服も着用せずに足を踏み入れるストーリーの滑り出しが、突っ込み所と言うのは情けない。その後も、突っ込み所満載で、クライマックスのどんでん返しも予想通り。
その意味では、「エイリアン映画」と聞いて、「グロテスクな怪物がお腹から飛び出したり、顔に張り付く映画?」と答えるような “エイリアン シリーズの初心者&初体験者” におすすめしたい。
何せ前作『プロメテウス』を未見だと、少々説明不足だったり連続性に乏しかったりと残念な展開だし、「そもそも『エイリアン』は戦うヒロインの個性が見所だよね」と言う往年のファンにすれば、戦う女性キャラが脇役で、本シリーズに関して言えば、ほぼ完全にマイケル・ファスベンダーがメインになっているのは苦笑するしかないから…
「エイリアン誕生秘話」をリドリー監督が描いた事に意味がある
あれこれと書いたが、エイリアンがどのように誕生したのか、正に「誕生秘話」がリドリー監督の手でしっかりと描かれたのは、ファンとしては嬉しい。
それにしても「人間 vs アンドロイド」で始まったシリーズが、「エイリアン vs プレデター」を経て、ついに「人間 vs アンドロイド」「アンドロイド vs アンドロイド」まで行き着いた。さて、次はエイリアンをネタに何と何が戦うのか。終わりなき戦いに注目したい。
あとがき
前作『プロメテウス』を未見では、やや説明不足。往年のファンには突っ込み所満載。従って、「エイリアン映画」と聞いて、「グロテスクな怪物がお腹から飛び出したり、顔に張り付く映画?」と答えるような “エイリアン シリーズ初心者&初体験者” におすすめしたいです。「エイリアン シリーズ」の面白さは十分に伝わるはずです。
なお、本作は※R15+指定で、かなりグロテスクな描写が多いので、「エイリアン シリーズ」初見の方は要注意です。
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