コード・ブルー～ドクターヘリ緊急救命～THE THIRD SEASON （第7話・2017/8/28） 感想

フジテレビ系・月9『コード・ブルー～ドクターヘリ緊急救命～THE THIRD SEASON』（公式）
第7話『失敗の代償』の感想。
なお、過去の2008年放送の『1st SEASON（便宜上こう呼ぶ）』、2009年放送の『新春スペシャル』、2010年放送の『2nd SEASON』はすべて鑑賞済み

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藍沢（山下智久）は、新海（安藤政信）と争っていた留学の話を辞退する。一方の白石（新垣結衣）たちは、ドクターヘリで踏切事故の現場へ。踏切で立ち往生していた高齢の女性を、若い男女が救おうとして事故に巻き込まれたらしい。男性が心停止寸前だと無線で聞いた灰谷（成田凌）は、医師の口出しは許されていないにもかかわらず規則を破り、パイロットの早川（伊藤祐輝）に一刻も早くヘリを着陸させるよう指示をしてしまう。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

ﾄﾞｸﾀｰﾍﾘが事故に遭う大切な回の1stｶｯﾄが進藤先生って?

予告編で、ドクターヘリが事故に遭うのを知っていたため、どのような必然性で描かれるのか期待して月曜日の21時を迎えたら、ナントいきなり『救命病棟24時』の進藤先生が画面いっぱいに映った。信じられなかった。やるなとは言わないが、やるかってレベル。ネタバレ御免と言う意味？全く笑えないスタートだった。

緋山と名取の「夫婦漫才」をいじるくだりにうんざり

続いて、わざわざ名取に「夫婦かよ」と言わせて、堂々と緋山と患者・緒方の夫婦漫才。それも、バックスペールならともかく、院内のパブリックスペースで、大声で名取と緋山がくだらない話を。そもそも、院内で私物の携帯電話の電源を入れて持ち歩いている段階で、かなりアウトな気がするが…

パイロットが梶（寺島進）なら話は別だが…

なーんだ。「医者からパイロットに指示を出してはいけない」と言う本作のファンでも知っていることを、白石が灰谷にきちんと徹底指導出来ていなかったってことか。まだ、急な天候不良なら納得のしようもあるが、これではまた、冷静さを失ったフェロー判断ミスの話になっただけ。パイロットが梶（寺島進）なら別の展開もあったろうが…

救命の現場で、リーダーのトリアージに従わないって?

今回、まず分からなかったのが、心停止寸前の30代男性・将に大動脈遮断の処置で微かな望みを繋ぐ白石が、大動脈損傷が酷くて助けられないと判断し、ドリアージの第4順位「黒（死亡群）」の判断をした。

なのに、灰谷が交際相手と思われる未央に「将君を助けて」と言われ、リーダーのトリアージを無視して、男性の治療を再開した。それを驚きつつも手伝う看護師の雪村。何これ？灰谷が、自分がドクターヘリに助けられたからフライトドクターになったと言う序盤のネタの回収のつもり？

おいおい、救命の現場でリーダーの決めたトリアージの順番に従わないって、白石の指導はどこまで適当で、灰谷はどこまで学習能力がないと言うのだ。白石は後半で、灰谷の客観視できていない部分も悪くない…みたいなことを言ってはいたが…。でも、白石は藍沢に男性への救命処置を諦めさせるように指示する。

確かに学校的には、諦めさせる理由を本人に自覚させて、手を離させるのもありだとは思うが、この場面では「救命の現場だ。リーダーのトリアージに従え」じゃないのかな？この説得の時間で、助かるかもしれない骨盤骨折の患者が死んだら、もっと大問題になると思うのだが。ちょっと呑気すぎやしないか？

それと、脚本や演出的なことを言えば、重傷患者の男女を互いが見える位置に置くのをやりたいのは分かるし、それが簡単なのも理解はするが、いくらなんでも女性の目の前で…と言うのをやり過ぎでは？そもそも、結婚直前のカップルがおばあさんを助けると言う話も、ドラマチックに見せようとやり過ぎのような気がするが…

医者って、何人の患者を救うのかが仕事では?

医者って、何人の患者を救うのかが仕事では？1人でも多くの患者を助けるのが医者の仕事では？現場で患者を診て目の前の患者を助ける医師もいれば、薬の研究でこれから先の多くの患者を助ける医師には分かれるが、何人の患者を救うかと言う点では同じ。

その事が完全に無視されたエピソードで、ドクターヘリの着陸失敗などと言うエピソードをやるべきだっただろうか。

いや、そもそも今回の灰谷のトリアージを無視した医療行為の話をするだけなら、ヘリが再び飛べなくなるなんて設定は不要だった。それもドクターヘリを描くドラマで事故なんてやるべき話でないと思う。実際にはあるとしても…

冴島の言葉が、ちっとも心に響かない…

藤川と冴島が帰路で踏切に差し掛かった時の会話。この↓冴島の台詞に凍ってしまった。

冴島「もし、同じようなことがあったら、
　　　その時は、おばあさんを見捨てて。私のために」

自分の夫の命を大切に思う妻の気持ちなら分からなくもないが、冴島は「もう1人で残されるのは嫌よ」と言った。しかし、やはり『1』『2』の冴島を見て来た私には、冴島がこんなことを敢えて口にするだろうか？と言う違和感が。せめて、先日の流産がなく妊娠中ならともかく。なんか、今回は全体がちょっとずつずれているような…

『3』初、ﾅﾝﾄｶ医師と遺族の気持ちの両方が描かれた

前半だけでこれだけ違和感があるから、後半はもう感想を書くのを止そうかとも考えたが、前回では描かれなかったことが描かれたので、そこに触れておく。

それが、30分過ぎ。藍沢が急変したおばあさんをどうしても助けたい理由を新海に伝えるシーンから、遺された未央に緋山が将の損傷が左半身に集中していたことを告げるシーンだ。具体的に言えば、患者の家族、遺族の気持ちが描かれた。『コード・ブルー』には、こう言う描写が必要なのだ。

前回までは、どうしても医師たちの表面的なミスや考え方を描いてきた。『3』から見ている視聴者も、例えば藍沢がどうしてあのようにクールでありながら感情的な部分もあるのか分かり難いはずだ。当然、『3』からの新メンバーの背景（と言っても、どうして救命医になったのか？）さえも殆どこれまで描かれずに来たのは問題だが。

しかし、今回でやっと4人のフェローたちと看護師の雪村の背景が見えた。特に灰谷の医師になる理由が描かれたために、結果的に、医師と患者の家族、遺族の気持ちの両方が描かれた。だから、命の大切さ、命の重さ、が『3』の中では明瞭に描かれたと感じた。『1』『2』には遠く及ばないが。

藍沢と奏のくだりについては、何とも言いようがない…

藍沢と奏のくだりについては、残念ながら特に何もない。あまりに奏の人物背景が表面的にしか描かれてこずに、ここまで来てしまったため、彼女の言葉の1つ1つが身勝手のようにしか感じないから。もっと序盤から丁寧に描いていれば、藍沢の医師としての苦悩を描くエピソードになったに違いないが、もう第7話だし…

いや、そもそも奏の手術は藍沢が続け、新海がヘルプに行けば良いし、脳外には西条先生もいるのでは？藍沢にあれこれ見せ場を用意するのは分かるが、やはり何か違う感が…

あとがき

冴島のデキ婚に続いて、今度は救命医が自 殺未遂で電車のホームに転落？なんか、医師側の事情によるエピソードばかりで、患者側の心が描かれるエピソードが少ないですね。その意味で、今回はほんの少しですが “命の重さ” が描かれたのは救いでしょうか。それにしても、折角集結した5人がもったいないし、かわいそうな仕上がり…。次回は第8話にもなりますが、期待を捨てずに見てみます。

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★本家の記事のURL →  http://director.blog.shinobi.jp/Entry/10365/

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【『1nd season』の感想はこちら】
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【『2nd season』の本家blogの感想はこちら】
●「コード・ブルー 2nd season」ロケ地＠千葉県八千代市
●「コード・ブルー 2nd season」ロケ地＠千葉県八千代市 (その2)
●「コード・ブルー 2nd season」ロケ地＠千葉県八千代市 (その3)
●「コード・ブルー 2nd season」ロケ地＠千葉県八千代市 (その4)「スナックすれちがい」
●「コード・ブルー 2nd season」ロケ地＠千葉県八千代市 (その5)「八千代医療センター」

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【『THE THIRD SEASON』の感想はこちら】
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