コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON (第4話・2017/8/7) 感想 その2
フジテレビ系・月9『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』(公式)
第4話『笑顔の効能』の感想の第2弾。
なお、過去の2008年放送の『1st season(便宜上こう呼ぶ)』、2009年放送の『新春スペシャル』、2010年放送の『2nd season』はすべて鑑賞済み。
藍沢(山下智久)は、手術への同意を拒む奏(田鍋梨々花)の容体を気にしていた。そんな中、ドクターヘリが河川敷に向かうことに。バーベキュー中にカセットコンロが爆発してけが人が出たらしい。橘(椎名桔平)がヘリに乗り込もうとした矢先、入院中の息子・優輔(歸山竜成)の容体が急変したと連絡が入る。代わりに藍沢が現場に向かうと、少年の首に鉄串が刺さっていた。藍沢らは鉄串を抜かずに少年を病院に搬送する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
まえがき
第4話の感想は、記事に書いた通り、ゆっくりと感想を書いている時間が取れずに、結果的に “一番言いたいことだけ” を書いた「簡単感想」になってしまいました。私自身が書き足りない部分もありますし、Web拍手も52回も頂いたので、『1』『2』と観てきた本作の大ファンだから敢えて言いたいことと書いてみます。※要は、全編が愚痴と要望です。
1stシーンの1stカットは、方向性を決める最重要カットでは?
やはり、いろんな意味で衝撃的だったのは、第4話の1stカット。結果的に一度しかドクターヘリが飛ばない1時間の本作の1番最初のカットが、バー「めぐり愛」でビールジョッキ片手に白石(新垣結衣)と緋山(戸田恵梨香)が冴島(比嘉愛未)の結婚をお祝いするシーンで始まったこと。
冴島と言う優秀なナースがデキ婚する不自然さについては、既に何度も訴えたからここでは避ける。奇しくも緋山が「まさかねぇ」と会話を切り出すが、「まさかねぇ」と言いたいのは視聴者の方だ。確かに、医療用ユニフォーム姿ばかりの奇跡の結集の5人の俳優が演じる5人の普段の生活を描くのは悪くない。
ただ、こう言うおふざけシーンは、これまで1時間の途中の息抜きや終盤近くに入れていた。まだ、次の緋山が周産期医療センターの論文のことで、白石に愚痴るシーンが最初だった方がマシ。1stシーンって1時間の方向性を決めるとても重要なシーン。そこをおふざけにする脚本のセンスを疑わざるを得ないのだ。
現場での藍沢の指示もモノローグもカッコいいが…
さて、結果的に今回唯一のドクターヘリが飛んだシーン。ここは前回でも少し触れたが、期待のフライトドクターが駆け付けた現地での治療シーンは無しで、現地ではこの後の冴島とのエピソードのための新人ナース雪村(馬場ふみか)の横画をチラ見せして終了。
確かに、ドクターヘリが何度も飛べば良いってことではない。毎回、患者が何処かに挟まれて、生死をさ迷えとも言わない。でも、本作で描くべきはドクターヘリで現地に赴き、そこで感じた患者を救う映像ではないのか?確かに藍沢の指示もモノローグもカッコいいが、結果的にカッコよく無ければ意味がないのでは?
使えないフェローたちの描写が目に余る…
目に余るのは、使えないフェローたちの描写。医師としての自覚がどうとか評する次元でない。オペシーンは全身ユニフォームに覆われているから見ないで済むが、生死を、1秒を、争う救命の現場で横峯(新木優子)のヘアスタイルがOKだと言う演出や大人の事情がとても気になる。
だって私には、大衆居酒屋の店員なら驚かないが、ちょっとしたレストランならクレームを入れるレベルの不清潔さだから。眼鏡の灰田(成田凌)の挙動不審な焦りっぷりは、完全に患者が不安になるレベル。それにしても、名取のいい加減さは、ドラマとは言え酷る過ぎやしないか?
期待した脳外のオペシーンも物足りないまま終了…
物語は進んで、もう現地での医療行為が見られないから、この脳外のオペシーンで魅せてくれ!と願ったのだが、願いも虚しく撃沈。確かに脳外のオペのドクターの手元の映像は難しいだろうが、あの緊張感のない劇伴は何なんだ!これまで、すべてのサントラ盤を購入し、仕事でも使って来た私には衝撃的(私は新曲だと思いますが、急いで調べます)。
捨て曲無しが当然だった本作の劇伴が…。因みに、音楽担当は従来と同じ佐藤直紀氏なのに、『3』のサントラ盤を早く聞きたい。とにかく、オペに立ち会ってる登場人物が多過ぎて、尺がそちらに持って行かれてしまうから、残念としか言いようがない。どうして?理由は、脚本がやたらと登場人物を増やしたからだ。
三井は、こんな軽率且つ感情的にものを言う人ではない
三井(りょう)が、橘(椎名桔平)が入院中の息子・優輔(歸山竜成)の容体が急変した際に傍にいなかったことを言及するこの↓台詞だが、このあとで橘先生が緋山に言うように「あの三井環奈」が…
三井「時間があるなら優輔の傍にいてやって。
何のためにこっちに転院させたの!」
私の知る限りの三井先生は、こんな軽率且つ感情的にものを言う人ではない。そもそも、三井だって現場で働いていた時は、何かある度に傍にいた設定でも無かったはず。この脚本家さん、本当に『1』と『2』を全話見てから脚本に手を付けたのかな。きつい言い方になるが、私の大事なものに土足で足を踏み入れるなと言いたい。
橘、三井、優輔の親子3人のくだりは、マシな方…
優輔と同じ病気を患う同い年の少年・暁人(樋口海斗)が心停止。救命スタッフ総出で懸命な処置を施すが、亡くなった。支え合って来た友だちが死んだ辛さ、次は自分かもしれないという恐怖、両親共に外科医で息子が助かる方法は臓器移植しかないことを知りつつ提供できない虚しさ、そして親として何もしてやれない無念さ。
橘「笑顔でいてやってくれ。
あいつは、おまえのことが一番好きなんだ」
三井「笑ってあげたい。でも、どうやったら笑えるの?」
この辺の台詞も実に説明っぽくてさめてしまうが、まあ許容範囲としておくしかない。だって、『3』になって極端に出番が減った藍沢、白石、藤川(浅利陽介)に比べたら、キャラクターを活かしたエピソードになってるだけマシと思わないと…
久し振りに、冴島に見応えのあるシーンが与えられた
さて、『3』が始まっていいとこ無しの冴島に、久し振りに見応えのあるシーンが与えられた。
冴島「あなたの顔を見ると皆が安心する。
雪村さんにはそう言うナースになってもらいたいの」
冴島が雪村に、ナースの心得を指導するシーンだ。たった、この一言で気付くような人間には見えなかったが、冴島がフライトから降りた今となっては、この冴島の言葉を胸に、フライトナースだけでなく看護師になって欲しいし、その成長過程を描かなければ、冴島を降ろした意味がない。
親子3人で花火大会を見るシーンは、なかなか良かった
病院の庭先から親子3人で花火を眺めているシーン。このシーンのロケ地の病院のピロティ―からはあのように花火大会は見えないが、なんて意地悪は止めておこう。ついに、優輔が子供らしい本音↓を漏らす…
優輔「暁人と一緒に観たかったな。
ごめん。泣いちゃダメだよね。心拍が上がっちゃう」
三井は、優輔が小さい頃に花火を怖がって泣いた話をし、何とかに笑顔を作る。それを見た優輔が「やっぱり笑ってるお母さんが良いな」と親子三人で微笑み合う光景は、劇伴の後押しもあって、親と子の互いを思う気持ちを丁寧に描き、本作らしい医療の現場のドラマの醍醐味を見せてくれた。
因みに3人の会話に登場した「館山の花火」は、昨年に続き台風の影響で今年は8月8日から9日に延期された。期待した多くの県内県外からの観光客の期待を裏切った形になった。これも、何かの因果かも知れない…
緋山と患者の緒方のエピソードは、どう評価すべきか?
さて、今回で最大の評価が分かれるシーンがやって来た。第3話から私は全く期待していない緋山と恋の予感を漂わせまくっていた料理人の緒方(丸山智己)のくだりだ。常に緒方と緋山が偶然に一緒になるのも不自然だが、まず、患者の買ったおにぎりを医師が貰って食べるなんてあり得ない。緋山は真面目に体調管理してるのかって話。
何度も書くが1秒を争う救命の現場で、患者に医師が悩みを打ち明けるって、どんなにのんびりした救命なんだって。その上、翌朝まるで恋人気分でおにぎりのお返しって?緋山は緒方に妻がいることに驚いていたが、緋山は緒方の担当医。だとしたら、ナースが書いたアナムネを読んで、緒方の家族歴は知っていなければいけない立場。
一部では、緋山がフラれたとか、これで終わるはずがないと、浮かれている視聴者も多いようだが、それを否定するつもりは毛頭ないが、緋山って自分の医師としての仕事に誰よりも悩み誇りを持ち、『2』では、医師生命を賭けて医療裁判沙汰にまでなって、這い上がって来たドクターだよね。その緋山はどこへ行ったのか?
山下智久さんの丁寧な演技で、説得力あるシーンになった
そして、第4話のクライマックスである、手術の決心がつかない脳腫瘍を患う14歳の天才ピアニスト・奏(田鍋梨々花)を、藍沢の笑顔が勇気づけるシーンだ。確かに、藍沢の笑顔はいつぶりだろうか?藍沢の祖母・絹江(島かおり)の認知症が改善し、藍沢を思い出した時だろうか。とにかく、藍沢の笑顔は本作にとって貴重だ。
山下智久さんも『アルジャーノンに花束を』の咲人 役で魅せた、丁寧で繊細な演技で説得力ある場面が仕上がった。サブタイトルの『笑顔の効能』にも偽りなし。奏 役の田鍋梨々花さんも頑張ってるのに、どうして分かり切ったことを緋山の語りで入れてしまうんだろう?俳優の演技で全部伝わっているのに。
あとがき
一部の報道では、新垣結衣さんは既にクランクアップしており、来春放送予定の『逃げ恥』の続編の準備に入ったとのことですが、本当でしょうか?ロケ地から撤退してと言う情報は入っていないのですが。
いや、なぜこんなことを書くのかと言うと、せめて最後の2話は特別料金を支払ってでも、林宏司さんに脚本を依頼して撮影して欲しいからです。もちろん、叶わぬ夢でしょうが。
でも、このまま安達奈緒子さんの脚本で、恋バナを散りばめつつ、群像劇が散漫化していくのを黙って見ているのは嫌なんです。フジテレビさん、何とかして下さい。今夜放送の第5話は、リアルタイム視聴でじっくり楽しむ予定です。感想の記事では、皆さんと絶賛の嵐になることを期待して…
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★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/10299/
【『2nd season』の本家blogの感想はこちら】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話 第9話 第10話 最終回
【『THE THIRD SEASON』の感想はこちら】
第1話 第2話 第3話 第4話
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