ひよっこ (第106回・8/3) 感想

連続テレビ小説「ひよっこ」

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』公式
第18週『大丈夫、きっと』『第106回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


上京してきた美代子(木村佳乃)と一緒に、実(沢村一樹)の手がかりとなる場所を訪ねるみね子(有村架純)。こんな大事なときなのに服のほころびが気になってしまう美代子の気持ちが、みね子には痛いほど分かって悲しくなる。その帰り道、あまりのつらさに美代子は無言になってしまう。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

なぜ、美代子は玄関のドアを閉めなかったのか?

昨日、たくさんの読者さんから励ましのコメントを頂いたので、今回はいつもの調子で書いてみる。

で、アバンタイトルの冒頭から気になってしまった。本当、今週の演出担当の田中正氏には細部の細部まで演技指導して欲しいし、もしも敢えて視聴者に違和感を覚えさせる意図でやっているなら、その意図があとで分かるような答えを用意して欲しい。

そして、早速気になったのが、みね子(有村架純)と美代子(木村佳乃)が川本邸の玄関のシーンで、玄関のドアを美代子が閉めなかったこと。確かに、昭和40年代前半の奥茨城の戸建て住宅(と言うか農家)では、金属製のドアの家庭は少ないとは思う。それに、美代子が超緊張していたと好意的解釈も不可能でない。

でも、本作らしさである、“いい人たちの自然な日常を紡いでいく物語” を考えれば、そしてこれまでの美代子の性格を考えれば、緊張しようが混乱してようが、斜め後ろを振り返るような感じで、そっと閉めるのが美代子らしくないか?警察署で捜索願を出す時の態度を見ても、簡単に心を乱す女性でないような…

演出で意図的に作った "違和感" には理由を見せて欲しい

それと。前回の感想で書いたが、私の好きな演出で言えば、前回の最後を川本邸の前で家を見上げるカットで終わらせておけば、今回は歩き出す所から始まる訳だから、その歩くシーンで美代子の不安や動揺を描ける。ドアチャイムを押す指が震えるなんて画もいいだろう。その上で、ドアを閉めないなら納得する。

演出の明確な意図で作った “違和感” の答えを用意するとはこう言うことではないだろうか…。美代子の靴の脱ぎ方はちゃんとしていたから、そこは木村佳乃さんの行儀の良さが美代子に憑依したのだろう。さぞ、木村さんも違和感を覚えたに違いない…と考えるのは考え過ぎか?

第103回で、実が何を謝罪していたのかも気になる…

第103回の放送の冒頭で、こんなシーン↓があったのを覚えているだろうか。みね子と実(沢村一樹)が二年半ぶりに再会した時のやり取りだ。記憶喪失と分かっているみね子が父の実に詰め寄るシーンだ。いや、解釈のしようでは、記憶喪失だなんて信じられないみね子が、父親に必死に思い出してもらおうとしてるシーンだ。

みね子「みね子だよ…、お父ちゃん…」
 実 「ごめんなさい」

放送直後の感想では触れなかったが、この↑実の「ごめんなさい」が引っ掛かった。なぜ、実は実の娘だと名乗る女性に謝罪したのか?って。普通のドラマなら「申し訳ない。何も思い出せなくて」とか「ごめん。何も思い出せないんだ」では?

謝罪となると、解釈のしようでは、既に世津子との生活が始まってるから、今さら言われても困る…と見えてしまう。まっ、要は「不適切な関係」だ。これについては、別の角度から斬り込みたいから、別の章立てをして後述する。とにかく、実は何を謝罪しているのかが気になる、と言うことだ。

実が美代子に2度も謝罪することの本当の意味は?

話を今回の戻そう。美代子と実の再会シーンだ。ここでも、前述↑のみね子と実のやり取りと似たような会話があった。

美代子「分がりませんか?美代子です」
 実 「申し訳ありません」
美代子「本当なんだね」
 実 「ごめんなさい」

ねっ?妻と名乗る女性に対しても謝罪した。それも2回も。これを聞いて、世津子と実の間に「男女の関係」があったと考えるが、ぼかした表現になっている。ここは、朝ドラ、NHKとしての配慮か?以前の昭和40年代のテレビ局に女性のAPやADがいるはずないのと同様に、要らぬ配慮のような…

美代子に、心がざわつくと服の綻びが気になる設定って…

因みに私も実同様に記憶が定かでないから間違っていたら教えて頂きたいのだが、美代子に “服の綻びを見つけると気になってしょうがない” と言う癖なり精神的な症状なりが、過去に描かれただろうか?こう言うのって、以前に一度やっておかないと、脚本上も演出上も正しい効果を発揮しないと思うのだが…

例えば、美代子は心の中がざわざわすると、何故か服の綻びが気になってしまう癖があるとか。だから、美代子の裁縫仕事は丁寧で糸くず一つも付いていないとか。ある意味、軽度な潔癖症みたいな人として描かれていれば、この度のくだりも納得だが、今回は、単純に「服の綻び=夫婦の綻び」を強引に掛けただけに見えてしまった。

折角「いいシーン」なのに、美代子の台詞の語尾が大音量

そして、美代子が世津子に戦闘態勢で直談判?するシーン。相変わらず世津子の表情が意味深過ぎて良く分からないのだが、美代子の気持ちは木村佳乃さんの迫力ある演技で、心情も訴えも理解できた。

そんな「いいシーン」なのに、これまた分からない演出が。いや音声さんとビデオエンジニアさんか?ミキサーさんか?熱弁する美代子の台詞の語尾が必要以上に大きく収録されていた。もちろん、木村佳乃さんが声を荒げているから、大きな音として録音されるのは当然なのだが、あの音量は不自然では?寝てる赤子も起きちゃうよ。

そう言う違和感を払拭するために、背景に劇伴を流して俳優さんの音声を調整するのが編集作業なのに、そこを演出家が丁寧にやらないから、折角の「いいシーン」にケチを付けざるを得なくなる。本当に今週の田中氏の演出は困ったものだ。私なら、「声は張らずに全身で世津子に気持ちをぶつけて下さい」と演技指導したいが…

なぜ戦闘態勢の美代子に、"涙で微笑むみね子" なのか?

心の内をすべて吐き切った美代子がみね子の両肩を持って立っているシーンで、今度は世津子が謝罪を始めるが、その直前に涙は流してはいるが “微笑むみね子” らしきカットがあった。涙をこぼしながら少しだけ微笑んでるような。

あれ、どう言う意味なんだろう?あそこで、世津子や実を睨み付けるのが、第103回と同じみね子では?まさか、「お母ちゃん、よく言った」と喜んでるとか?そんなことがあるとは思えない。だとしたら、なぜ僅かに微笑が…。意図があるはずだから知りたい…

世津子がしたのは "二次誘拐" と同じでは?

世津子が、最後の「謝罪」をするシーンのこの↓台詞から読み取れるのは、世津子は分かっていて…。そう、ここで前述した「不適切な関係」についてだ。

世津子「いけない。間違っていると思いながら
    いつか、そうしなければいけないと思いながら…
    そのままにしてしまいました。
    本当に申し訳ありません」

「不適切な関係」には、大きく2つの意味がある。1つは、実と世津子の謝罪によって、この二年半は所謂「男女の関係」であったと捉えることが出来るってこと。そして、脚本家は、実と世津子がそう言う関係だったと視聴者に暗示させていると受け取って良いのかってこと。

もう1つの「不適切な関係」とは、「二次誘拐」(本作で、世津子は実を誘拐していないが)の問題。2017年春に放送された沢尻エリカさん主演の連ドラ『母になる』で、小池栄子さん演じる麻子が、沢尻さん演じる結衣の一人息子を、誘拐犯から二次誘拐し10年近く育てたと言うあれだ。何を言いたいかと言うと…

世津子の行為は限りなく「二次誘拐」、犯罪行為に近いってこと。だって、二年半前に警察に捜索願は提出されていたのだから、実が「通報しないでくれ」と言った事情はあるにせよ、「大女優」と言う看板を背負ってる世津子が、警察に届け出ないのも不自然だし、届け出ていればその時点で再会できた可能性が高いのでは?

一部で、先日の「みね子が二年半も実を助けてくれた世津子を責めるのはおかしい。むしろ感謝すべき」と言う意見があるようだが、それはおかしい。路上で困っている人を自宅に入れて、二年半も何の通報もしない「不適切な関係」が、その家族から感謝されるはずがないのでは?

みね子が現状を冷静に捉えている "手紙の文面" が良い

ここからは、少し言い過ぎになることを承知で、今回のこのくだりを見て感じたことを書けば、美代子は誘拐犯や愛人に立ち向かうような気持で、川本邸を訪れたに違いないので?だから、感情的になるのは当然だし…

美代子「夫を引き取りに参りました」

凛とした態度で世津子に言ったこの↑台詞も至極当然だし、かっこいい。ここで、思い出して欲しいのが、第104回に登場したみね子の手紙の文面のこの↓部分だ。

お客さんがお父さんのことを保護した

みね子のモノローグでは「そのお客さんがお父さんを保護しました」となっている。「お客さんが助けてくれました」でもなく「保護してくれました」でもなく、「保護した」と言う厳しい現実。しかし、当然に美代子もみね子も、「世津子の行動に感謝せねば…」と言う気持ちがあるに違いない。あの母子なんだから。

今回の凛とした美代子と、現実把握をきちんと手紙に認めたみね子は、似た者母子に通じる「いい描写」だ。

「いい人たち」の「キレイごと」にしてしまったのが残念

話が、数日に亘った上に、私の言いたいことの着地点が見え辛くて、イライラされっている方も多いと思う。私が言いたいのは、脚本が伝えたい二年半分の美代子の葛藤の描写は、いつもは「いい人」の怒りによって表現されて良かった。

でも、世津子と実の二年半の葛藤を、2人を本作らしい「いい人」にするために「謝罪」でしか描かなかったのが残念だってこと。いくら世津子が謝罪や言い訳を繰り返しても、彼女がやったのは「二次誘拐」が言い過ぎなら「連れ去り」も同様なのだ。

それを、「いい人たち」の「キレイごと」としてうやむやにするのは、「奥茨城編」から岡田恵和氏が本作でやって来た “普通の人の普通の出来事を紡ぐ朝ドラ” からはかなりズレていると感じるのはおかしいだろうか?

あとがき

犯罪者紛いの大女優と言う大役を見事に演じ切った菅野美穂さんの演技に見入ってしまいました。それに、木村佳乃さんの戦闘態勢も、脚本や演出を超えて魅せてくれました。今回の見所はそこでしたね。とにかく、大女優がしょぼくれたオジサンを二年半も囲って…ってお話に無理があり過ぎたと思いますよ。

こうなってしまうと、実の記憶が戻るか戻らないかでドラマの雰囲気がガラリと変わってしまうので、「いい人たちのキレイごと」と “普通の人の普通の出来事を紡ぐ朝ドラ” を組み合わせたら、実は前向きに「もう一度生き直す」と言うのでしょうね。その内に、いろいろ少しずつ記憶が戻って…。さて、どうなるのか。

前回の感想は、投稿時間が遅かったのに、90回ものWeb拍手やたくさんのコメントを頂き、本当にありがとうございます。皆さんの励ましの声で、取り敢えず復帰しました。それにしても、意外とあっさり実さんは川本邸を出て行きましたね。実さんは奥茨城に直帰するのか、あかね荘でみね子と暮らすのか。どっちでしょう。

とにかく、話が前進したのは良いことです。と言う訳で、当blogは私なりに、まだまだ引き続き本作を応援します。

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【これまでの感想】
[妄想] 「ひよっこ」の昭和40年と言う時代設定に、再び“名作の予感”(2017/05/04)
[訂正] 「ひよっこ」第36回で、みね子がビーコロを食べたのは "初任給" でした(謝)(2017/05/14)
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「ひよっこ」のオープニング映像が、後半戦から一部変わってます (2017/07/20)

第1週『お父ちゃんが帰ってくる!』
1 2 3 4 5 6
第2週『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』
7 8 9 10 11 12
第3週『明日(あす)に向かって走れ!』
13 14 15 16 17 18
第4週『旅立ちのとき』
19 20 21 22 23 24
第5週『乙女たち、ご安全に!』
25 26 27 28 29 30
第6週『響け若人のうた』
31 32 33 34 35 36
第7週『椰子(やし)の実たちの夢』
37 38 39 40 41 42
第8週『夏の思い出はメロン色』
43 44 45 46 47 48
第9週『小さな星の、小さな光』
49 50 51 52 53 54
第10週『谷田部みね子ワン、入ります』
55 56 57 58 59 60
第11週『あかね荘にようこそ!』
61 62 63 64 65 66
第12週『内緒話と、春の風』
67 68 69 70 71 72
第13週『ビートルズがやって来る』
73 74 75 76 77 78
第14週『俺は笑って生きてっとう!』
79 80 81 82 83 84
第15週『恋、しちゃったのよ』
85 86 87 88 89 90
第16週アイアイ傘とノック』
91 92 93 94 95 96
第17週『運命のひと』
97 98 99 100 101 102
第18週『大丈夫、きっと』
103 104 105

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綻び>『ひよっこ』第106話

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内容上京した美代子(木村佳乃)は、みね子(有村架純)とともに、世津子(菅野美穂)のもとにいる実(沢村一樹)に会いに行く。。。。 敬称略 先日の、みね子と会ったときの実のセリフも気になったが。 “今日は。。。”。。。そして謝罪。 今回も。。。。実。。。謝るんだ。。。。 それに追い討ちをかける美代子の...

コメント

みっきーさんのblog、楽しみにしてますよ
「はいからさんが通る」や「母になる」が思い出されるこの設定。今回は美代子母さんの圧勝!という印象でした。でも確かに音量は大き過ぎでしたねぇ。
綻びを気にする演出、私的にはしっくり来ました。大女優の隙の無い美しさ、センスある着こなしを見れば、「私なんて・・・」と気おくれしますもの。
前回「着物にすれば良かったかな」という台詞に呼応していたと思います。
これからどうなるのか、気になります~。
  • 2017-08-03│22:57 |
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