ひよっこ (第105回・8/2) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』(公式)
第18週『大丈夫、きっと』『第105回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
みね子(有村架純)からの手紙を読んだ美代子(木村佳乃)は不安でたまらなくなるが、ちよ子(宮原和)や進(高橋來)になんとか動揺を悟られないように努める。夜、茂(古谷一行)にも手紙を見せると、東京へ行く決意を話す美代子。みね子は、美代子との待ち合わせ場所に向かう前に、愛子(和久井映見)から声をかけられる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今週は、演出が不明瞭で困ってしまう…
モノローグでは「心が痛くなります…」と言ってるのに、みね子(有村架純)は笑顔と言う不思議なアバンタイトルで始まった本作。これ、島谷(竹内涼真)との別れも翌日に吹っ切れたように、前回の鈴子(宮本信子)たちの励ましで元気になったと受け取らば良いのだろうか?ホント、今週は演出が不明瞭で困ってしまう。
1カット、一瞬だけ表情が曇るみね子のアップを入れて、主題歌に繋げれば、何の引っ掛かりも無く進むのに…。おっと、一応書いておく。これは、今週の演出家・田中正氏を責めてるんじゃない。終わったことを責めたって意味ないし。ただ、ただ、私個人の好みの問題で、「こうしてくれていたら嬉しい」と書いてるだけだから…。
主題歌明けの奥茨城の谷田部家は良かった
主題歌明けの奥茨城の谷田部家での、美代子(木村佳乃)と茂(古谷一行)のシーンは、カット割りも編集も俳優さんの演技もとても良かった。手紙の寄りから始まらず、ちゃんと2ショットの引きで始まって、言葉少なく俳優の演技で登場人物の心情を描いてたから。ホントは、谷田部家の全景が欲しいけど。
また言うが、私の好みなら、曲(劇伴)先行させない方が好き。美代子と茂の台詞をしっかり聞きたいし、曲先行しちゃうと、折角のこのシーンより、次のすずふり亭のシーンの印象が強く感じるから。谷田部家のあとに、月夜の情景カットを入れて、すずふり亭の全景に電話のベルが先行するのもアリかも…
たった1つの違和感が、それに続くシーンにも違和感を…
ごめんなさいね。どうして、みね子が世津子(菅野美穂)に電話を掛けて、みね子の第一声の直前に愛子(和久井映見)を1カット入れたんだろ?金魚も気になったし。第一声のあとに愛子を入れて金魚は無くても良かったような。別に私が気になっただけだから、どうでも良いのだが…
それよりも「そうだったのか!」と感じたのが、あかね荘から世津子の家に電話掛けると言うのがアリなら、川本邸からあかね荘に電話するのもアリな訳だ。だとすると、前回で鈴子たちが川本邸での出来事を知っていたように見えた(見せた)のは、みね子が電話で愛子か時子(佐久間由衣)に話したってこと???
だとしたら、大家の富さん(白石加代子)も知ってたってこと?前回のアバンタイトルでのみね子の濡れた前髪のたった1つの(私にとって)おかしな演出をして違和感を覚えさせるから、それに続くシーンや台詞も違和感を感じてしまう。連ドラとは、連ドラの演出とはそう言うものだと思う…
谷田部家の部分の演出は、とても良い
夜から朝になる時間経過も気になったが、理由は省略。眠れぬみね子の姿のあとに、朝の谷田部家の全景が欲しかった理由は、さっきと同じ。それにしても、谷田部家の部分の演出はすごく良いんだよね。美代子が仏壇に向かう時の、画面上手(右側)の空き具合とか、障子に当たる日差しの明るさとか。実に自然。
美代子が仏壇に手を合わせる時、画面下手上(左上)にぶら下がってる民芸品?が僅かに揺れてるのとか。演出家が揺らしてるよね。カメラが引くと日差しの絶妙さが良く分かった。美代子の白いソックスが彼女の健気さをしっかり表現してるし。田んぼの周りを歩く美代子も正面、背後と段階的に丁寧にカット割り。いいね。
更に、バス停にバスが到着するシーンまでちゃんと入れて、乗車する美代子の姿の次は、座ってる美代子に車掌の次郎(松尾諭)の話し掛ける場面に絶妙に編集による省略が為されて、劇伴と相まって程好いテンポの良さ。そんな中で美代子が「応援して」と次郎を視聴者代表に見立てた台詞。
黒崎博氏の演出は、見ていて気持ちがいい
気のせいだと思うが。今回の奥茨城は、4月の頃の秀逸だった「奥茨城編」の脚本と演出が蘇ったようだった。水曜日だから演出家のクレジットは無いが、本当に田中正氏の演出だろうか?上野駅に到着してからの回想シーンもホント見応えがあった。
美代子「『いばらき』です。
『いばらぎ』じゃなくて、『いばらき』です。
谷田部実と言います。私は、私は出稼ぎ労働者を
1人捜してくれと頼んでいるんではありません。
ちゃんと名前があります!
茨城の奥茨城村で生まれで育った
谷田部実と言う人間を探して下さいとお願いしてます。
ちゃんと、ちゃんと名前があります!」
第11話(4/14)で、ハンカチを握り締めて警察官の話を聞いていた美代子が、一粒の涙をこぼして、こう↑訴えるシーンは、いつ見ても感動的。やはり、黒崎博氏の演出は見ていて気持ちがいい。先週は残念だったが、脚本ありきの演出家の仕事だからしょうがなかったか…
好意的に解釈した方が良いか?
演出力の違いがあり過ぎる違和感は残るものの、回想シーンをたっぷり使ったことで、本当の意味で、みね子の心が動き出したのは表現されたと、好意的に解釈した方が良いのだろうか。視聴者は全てを見ているが、登場人物はすべてを見ている訳でないのに、回想を切り貼りしても、ちょっと分かり難いと思うが…
丁寧なのと、時間を掛けるのは違うと思う…
でも、愛子があかね荘に住んでいる必然性も表現された。その上、愛子が先程の電話を偶然に立ち聞きした意味も出た。やはり、ここは最年長の鈴子よりも、美代子より年上の愛子が、美代子とみね子の2人の気持ちを汲んで、みね子を励ますと言う選択は成功だった。
ただ、久し振りに母子が再会するカットがあっても良かったような。それになんで、みね子の「こご」の台詞で劇伴も終わったなら、台詞終わりで「つづく」にしなかったのかな?もちろん、今回の終点もアリかもしれないが、丁寧なのと時間を掛けるのは違うと思う…
あとがき
前回の感想のコメント欄を読んで下されば(わざわざ読まなくて結構です)、1人の読者さんがしつこいのはお分かり頂けると思います。コメント欄を閉鎖するとか、いっそ暫く本作の感想を書くのを止めようと思ったのですが、こんなblogでも楽しみにされている読者さんがいらっしゃるので、悩んだ末に書いてみました。
さて、私、昭和42年当時は自身の記憶が無いので良く分からないのですが、当時の二十歳の女性って、あんな風に前髪は長かったのでしょうか。あと、バッグを斜め掛けしてるのとか、どうも現代に見えてしまっているのですが…。
前回も愚痴ばかりのような感想なのに、109回ものWeb拍手やたくさんのコメントを頂き、本当にありがとうございます。皆さんの声が励みになります。個人的には、あまりドロドロな話になるのは嬉しくないですが、物語が進むのは良いこと。と言う訳で、当blogは私なりに、まだまだ引き続き本作を応援します。
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【これまでの感想】
●[妄想] 「ひよっこ」の昭和40年と言う時代設定に、再び“名作の予感”(2017/05/04)
●[訂正] 「ひよっこ」第36回で、みね子がビーコロを食べたのは "初任給" でした(謝)(2017/05/14)
●「ひよっこ」を2か月間観終えて、今思うこと…(2017/05/28)
●「ひよっこ」の“青天目澄子”と演じる女優・松本穂香に注目してみた(2017/06/05)
●「ひよっこ」は視聴者の“好意的な解釈”に頼らないで欲しい(2017/06/12)
●ひよっこ 総集編(前編) (2017/7/8) 感想
●奇跡のコラボ 「ひよっこ」の三男が「コード・ブルー2」に出演していた (2017/07/12)
●「ひよっこ」のオープニング映像が、後半戦から一部変わってます (2017/07/20)
第1週『お父ちゃんが帰ってくる!』
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第2週『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』
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第3週『明日(あす)に向かって走れ!』
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第4週『旅立ちのとき』
19 20 21 22 23 24
第5週『乙女たち、ご安全に!』
25 26 27 28 29 30
第6週『響け若人のうた』
31 32 33 34 35 36
第7週『椰子(やし)の実たちの夢』
37 38 39 40 41 42
第8週『夏の思い出はメロン色』
43 44 45 46 47 48
第9週『小さな星の、小さな光』
49 50 51 52 53 54
第10週『谷田部みね子ワン、入ります』
55 56 57 58 59 60
第11週『あかね荘にようこそ!』
61 62 63 64 65 66
第12週『内緒話と、春の風』
67 68 69 70 71 72
第13週『ビートルズがやって来る』
73 74 75 76 77 78
第14週『俺は笑って生きてっとう!』
79 80 81 82 83 84
第15週『恋、しちゃったのよ』
85 86 87 88 89 90
第16週アイアイ傘とノック』
91 92 93 94 95 96
第17週『運命のひと』
97 98 99 100 101 102
第18週『大丈夫、きっと』
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