コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON (第3話・2017/7/31) 感想

フジテレビ系・月9『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』(公式)
第3話『命より大切なもの』の感想。
なお、過去の2008年放送の『1st season(便宜上こう呼ぶ)』、2009年放送の『新春スペシャル』、2010年放送の『2nd season』はすべて鑑賞済み。
藍沢(山下智久)が脳外科で担当していた奏(田鍋梨々花)の手術の準備が進む。しかし、術後にピアノが弾けなくなる可能性があり、奏の心は揺れていた。白石(新垣結衣)らは、森林公園で倒れていた意識不明の男性をヘリで搬送。ところが、機内で男性の吐しゃ物が掛かった冴島(比嘉愛未)が突然意識を失う。白石も目まいや吐き気を感じ、機内の空気が汚染されたことに気付く。藍沢たちはセンターを封鎖し、受け入れ準備を進める。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
なぜ?冒頭で恋バナネタみたいなのを突っ込むの?
脚本家は楽しくて、視聴者も喜んでいると思い込んで、ちょこちょこエレベーターでの恋バナネタを突っ込んで来るが、流石に主題歌明けがそれだと、ホント緊張感無し。安達奈緒子氏って、本気で『コード・ブルー』を受け継いだって十字架を背負って書いてるのか疑いたくなる。こっちは真剣に例えドラマでも見てるんだよ。
医師たちの "私情" を描き過ぎて、散漫でごちゃごちゃ
最初に全体の感想を言ってしまうと、『3』になって登場人物の “私情” をかなり描こうとしている上に、登場人物が多くて、上下関係まであるから、広げ過ぎた風呂敷を天井高く積み上げたよう。そこへ、患者の人生まで描くのだから、散漫にはなるし、単純にごちゃごちゃするのは当たり前。
だって、サブタイトルに『ドクターヘリ緊急救命』とあるのに、『3』では、ロケのドクターヘリの外観は離着陸したり空を飛んでるだけ。機内のセット?で飛行中の無線のやり取りが多くて、結果的に ICU や HCU で治療している場面ばかり。ヘリで医師が現地に赴いて患者を助けてこその『ドクター・ブルー』ではないのか?
藤川と冴島のお腹の子の話のためだけに機内汚染は大袈裟
序盤で、14歳の天才ピアニストの奏(田鍋梨々花)に対して、大々的に『命より大切なもの』を謳っておいて、14分頃には冴島(比嘉愛未)が心配で慌てふためく藤川(浅利陽介)に話がシフトしちゃって、機内汚染が2人のお腹の子のための大袈裟な設定であることがバレバレ。
今どきは、受胎調節実地指導員の資格を有する助産師ですら、デキ婚をする時代だから、冴島みたいな性格でも妊娠しちゃうのはドラマだし驚かないのだが、これまで見て来たファンにとっては、残念ながら冴島の医療従事者としての信頼度が落ちたのは確か。
もちろん、重篤な患者を山ほど抱えているのに、愛する?冴島に付きっ切りで、自身の資質や立場をそっちのけで、藍沢(山下智久)に八つ当たりする藤川の医師としても人間としての信頼度も急降下だが。本当に、この脚本家はどこまで本作のファンを裏切るつもりなのか?
緋山って、ポロリと言ってしまう設定だっけ?
私は医療の専門家でないから、実際はどうなのか分からないが、架空のお話として見ても、今回は首を傾げてしまったシーンが多かった。例えば緋山は板前に軽率に言ってしまうだろうか。『2』で自分の良かろうと思ってしたことで、医師免許はく奪の裁判沙汰になりそうになったあの緋山(戸田恵梨香)が。
幼稚な医師は現実の世界にもたくさんいると思うが、ああ言う医師は、如何にもドラマの中の人って感じで醒めてしまった。どうも、筋書きを最初に作って、そこへメインの5人の台詞を当て嵌めてる書き方をしてるような。だから結果的に5人の人物設定が、いい加減に見えてしまうのではないだろうか。
やる気のない新人たちの描き方も気になる
それに、やはり気になるのが若いフェローたち。『1』と『2』で藍沢たちが成長したようにフェローたちにも同様な設定を与えていること自体は間違ってはいない。
しかし、わざわざ超専門性が問われる超多忙な救命忙しい救命へ、それもドクターヘリに乗る医師を目指す人間にしては、あまりに本気で患者を救おうと言う気概を感じなさ過ぎる。特に、医療に熱意の無い名取(有岡大貴)なんて、「医者になりたくない」とか言っちゃうし。
過去の本作を見て、フライトドクターを目指す若い医師が増えたと聞いたが、そんな志高き新人医師たちに対して、失礼に当たりやしないか?とさえ感じてしまうのだが。
機内汚染以外の話で藍沢の決め台詞を言わせるべきだった
森林公園で倒れていた男性・秋山の手術後に、その妻に対して藍沢が言ったこの↓台詞は良かった。
藍沢「ですが、少なくとも体は生きたがっていた」
しかし、藍沢にこの台詞を言わせるために、ヘリの機内汚染を作り、妊婦である冴島に危険を与え、無責任な藤川を描いたのは、台詞の重要性と連ドラとしての面白さをてんぴんに掛ければ、間違いなく機内汚染で無いエピソードでやるべきだったのでは?
あとがき
14歳の天才ピアニスト、橘先生と三井先生の息子、藤川と緋山の赤ちゃんの3人がレギュラーとして描かれつつ、その他に単発の患者が2人で合計5人の患者を1時間で描くのは、ちょっと詰め込み過ぎじゃないですかね。登場人物の “私情” は描かれても “心情” の描写不足で、特に第3話は物足りなさを感じてしまいました。
『1』と『2』での、こちらまで伝わって来る緊張感や、その緊張感を心地良くほぐしてくれるユーモア、そして死の淵を彷徨う患者を助けたいと必死に働く救命の仲間意識と一体感が『3』にはありません。
それと、『3』が過去作と大きく違うのは、藍沢ら中堅医師たちが新人を育てる所謂「新人たちの成長物語」と、マンパワー不足の「救命の立て直し」のはず。だとすると、本来は中堅医師たちの伝統的なカッコ良い救命シーンを盛りだくさんにするよりも、「新人教育」でのカッコ良さを魅せた方が良いような。
残念ながら、脚本も演出もそうなっていませんね。それが、ファンたちの不満要素ではないでしょうか。毎回書きますが、今期の連ドラでは、断トツの完成度と豪華さと面白い作品なのは間違いありません。ただ『1』や『2』と比べてしまうと…。シリーズの大ファンとして、次の第4話に期待します。
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-ブルーレイボックス [Blu-ray]
コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 [DVD]
コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-スペシャル [Blu-ray]
コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 スペシャル [DVD]
コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命2nd season blu-ray/DVDハイブリッド版BOX
コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 2nd season DVD-BOX
フジテレビ系ドラマ コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 オリジナル・サウンドトラック
CX系月9ドラマ コード・ブルー 2nd season OST
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/10233/
【『2nd season』の本家blogの感想はこちら】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話 第9話 第10話 最終回
【『THE THIRD SEASON』の感想はこちら】
第1話 第2話
- 関連記事
-
- 僕たちがやりました (第3話・2017/8/1) 感想 (2017/08/02)
- ひよっこ (第104回・8/1) 感想 ※追記あり (2017/08/01)
- コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON (第3話・2017/7/31) 感想 (2017/08/01)
- ひよっこ (第103回・7/31) 感想 (2017/07/31)
- 愛してたって秘密はある。 (第3話・2017/7/30) 感想 (2017/07/31)