ひよっこ (第102回・7/29) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』(公式)
第17週『運命のひと』『第102回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
休みの日にみね子(有村架純)が部屋でのんびり過ごしていると、世津子(菅野美穂)が突然訪ねてくる。「今から出られないか」と言われ、急いで支度をすることに。外で待とうと出てきた世津子は、買い物帰りの愛子(和久井映見)に出会う。少しだけ言葉を交わすと、車に戻っていく世津子。愛子と鈴子(宮本信子)は世津子の思い詰めた様子を不安に思い、みね子を送り出した後「もうつらいことがないといいな」と思いやる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
僅か12秒間なのに「えっ、そこからやるの?」って感じ…
前回で妙に時間軸をいじった編集をやったため、僅か12秒程度のアバンタイトルが、「えっ、そこからやるの?」って感じになって始まった『第102回』。私事で申し訳ないが、昨日、応援団(ファンクラブ)枠で桑田佳祐さんのライヴチケットが当選した。従って、今朝の「若い広場」は格別だった…
もっと、みね子の存在を匂わせる演出が良いのでは?
ついに、世津子(菅野美穂)と愛子(和久井映見)のご対面。ちょっとしたコミカルなシーンだが、2人の女優の存在感が凄過ぎて、この出会いをきっかけに、違う方向に話が進んでも面白そうなんて感じてしまった。こう感じさせてしまうのが、今週の演出家のいけないところ。
確か本作は、当初、主人公の人生の悲喜交々を中心に描くドラマとしてスタートした。しかし、徐々に群像劇化もしたし、連続性も失って来た。これは脚本のせいもあるが、演出の影響も多い。面白いと感じるところだけ強調して作っってしまうから、どうしても主人公を忘れがちになってる。このシーンなんてまさにそれ。
偶然、愛子がモノを落として…なんて言う出会いは面白いが、肝心のみね子(有村架純)の気配がない。先日、みね子から世津子の演技アドバイスの話を聞いているはずだから、みね子の部屋の方をチラッと見るカットがあれば良かっただけのこと。そう言う “やった方が良いこと” をやらない積み重ねって勿体ないと思う…
「十分,嫌なこと…」に共感するように作られているか?
なぜ、突然桜の花を散らして季節感を表現したのか意味不明で始まった鈴子(宮本信子)と愛子がみね子を心配するくだり。
鈴子「十分、嫌なこと、味わって来たからね、あの子は」
ホントに “十分” に味わって来ただろうか。確かに、20歳にしてはいろいろ経験してきた。しかし、挙げてみれば、「父親の失踪」と「向島電機の倒産」が2大の嫌なことなのは認める。島谷(竹内涼真)との恋の結末も入るだろうか。
例えその3つとしても、それをみね子が常に “嫌なこと” があったと認識しているように見えないのが、本作に対して私がイライラするところなのだ。みね子が悩んだり考えたりする部屋のシーンで、写真や絵画のインサートを入れるとか、歩いている親子や仲良しの同年代を見るとうらやましくなるとか。
そう言うのを脚本に無くても、入れられる時に入れたら良い。そうしたら、グッとみね子が前面に出て、この↑鈴子の台詞にも大きく頷けるはず。テレビに生出演してウキウキで、2500円の出演料を独り占めした後に、言われてもって感じがするのは私が気にし過ぎなだけだろうか?
鈴子の説明の時、実が来店した際の回想が欲しかった
鈴子が愛子に、みね子の父・実(沢村一樹)がどんな人か話すくだりがあった。あそこでも、実がすずふり亭に来店した時の回想シーンが欲しかった。回想を使うのが下手なのかな?ここで、実際の元気な実の姿を入れておけば、先の “十分、嫌なこと、味わって来た” にも信ぴょう性が出たのに…
僅か1秒強の空舞台に、大きな違和感…
凄く気になったカット割りと編集があったので、書いておく。世津子とみね子が川本邸に向かうシーン。画面が2人が歩くシーンから、川本邸の玄関の中に切り替わるところ。
みね子が下手(画面右側)にハケル(退場する)のはみね子の不安感を演出する技法で良いのだが、みね子が画面からいなくなった後に空舞台(役者が居ない「無人」の状態を表す撮影用語)が1秒強残る。これが、私としては大きな違和感。
不安感を出すならもう少し尺があるべきだし、今回も妄想演出で恐縮だが、私ならみね子がカメラ方向に向かって来て下手にハケさせる。やはり、みね子がどんな顔をして、世津子のあとを歩いているのかちゃんと見せて、気持ちを視聴者に伝えたいから…
感動の再会が、舞台中継みたいなカット割りでがっかり…
そして、感動の再会のシーン。やはり、みね子の見た目の実(=雨男)のカットが無かった。広い部屋セットがまるで演劇の舞台のようで、舞台上の3人の役者を舞台中継しているようなカット割りと演出。どうして、こうしちゃったんだろう。
もちろん、無駄に煽る必要は無いが、こちらも4か月間も心配して来た実だから、もう少しハラハラドキドキしたかった。ただそれだけ。言いたくないが、客席から舞台上の再会を見せられても臨場感が無いの。だって、テレビの中の舞台だから。どうして、3人を横一列に並べちゃったんだろう。突然の雨音も、何となく演劇の効果音の演出みたい。せめて雨が降ってきたカットが…。あー、なんか勿体ない…
みね子の目に「雨男」がどう映っているのか見たかった…
まだ再会のシーン。みね子が実に近寄り身体に触れながら実を見つめるカット。久し振りに「奥茨城編」時代のみね子を彷彿させる有村架純さんの演技に引き込まれた。
が、しかし、そんなみね子の見た目の実のカットがない。見つめるカットがあるのだから、みね子の目には「雨男」と名乗る男がどう映っているのか見たいし、見せるのが普通で無いだろうか。その要求に応えられる演技力が沢村一樹さんにあるのは、客観的なカットで証明されているのに…
みね子「みね子だよ…お父ちゃん…」
実 「ごめんなさい…」
こんないい台詞↑と演技があるのに、「雨男」の目にも目の前の女の子がどう映っているのか知りたいし見たい。実がみね子の握っていた手を離すアップだけでは物足りないよ。
有村架純さんのすすり泣きに感動した。それだけに残念…
みね子が川面邸を出て行くシーンも、言わせて欲しい。階段を駆け下りるみね子を背後からハンディカメラで追い掛けたカットが使われたが、あそこは階段の外の地面にカメラを置いて、上からもの凄い勢いで駆け下りるみね子を客観的に撮って、そのままカメラ正面に雨ざらしになってみね子が向かってくる方が…
みね子がすすり泣きながら歩いて来て立ち止まるカットが、57秒もあった。1カットですすり泣いた有村架純さんも素晴らしいが、私は1カットで行くのもアリだが、ここでこそ、すすり泣くみね子の後ろ姿、背中を見たかった。だって、実は、その背中を見ながら近寄って来たんだから。
あとがき
言っちゃいましたね。予告編で「新しい家族の物語が始まります」って語りが。やはり、「一か月縛り」と「一週間で完結しない縛り」に拘り過ぎて、脚本と演出がかみ合っていないように思います。
だって、岡田恵和さんはあまり一週間でエピソードが完結するのを意識されないで書いておられるのに、演出家は月~土の「一週間縛り」があるから、おかしな感じ鳴るのは当然ですよね。実際に、ビートルズ旋風の時は、演出家が失敗して1回分多くなってしまったのですから(岡田恵和さん談)。
前回の、私の愚痴大会のような感想の上に、投稿時間が遅くなってしまったのに、71回ものWeb拍手を頂き、本当にありがとうございます。「川本世津子編」と言うより、「再会編」と言った方が適切でしょうか?読者の皆さんなら「●●編」と名付けますか。とにかく話が進んで行くのは嬉しいです。と言う訳で、当blogは、まだまだ引き続き本作を応援します。
※いつもご愛読ありがとうございます。今回は(も)誤字脱字、表記や解釈の間違いがあると思いますが、修正やご返答は今夜遅くになります。
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【これまでの感想】
●[妄想] 「ひよっこ」の昭和40年と言う時代設定に、再び“名作の予感”(2017/05/04)
●[訂正] 「ひよっこ」第36回で、みね子がビーコロを食べたのは "初任給" でした(謝)(2017/05/14)
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●「ひよっこ」のオープニング映像が、後半戦から一部変わってます (2017/07/20)
第1週『お父ちゃんが帰ってくる!』
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第2週『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』
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第3週『明日(あす)に向かって走れ!』
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第4週『旅立ちのとき』
19 20 21 22 23 24
第5週『乙女たち、ご安全に!』
25 26 27 28 29 30
第6週『響け若人のうた』
31 32 33 34 35 36
第7週『椰子(やし)の実たちの夢』
37 38 39 40 41 42
第8週『夏の思い出はメロン色』
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第9週『小さな星の、小さな光』
49 50 51 52 53 54
第10週『谷田部みね子ワン、入ります』
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第11週『あかね荘にようこそ!』
61 62 63 64 65 66
第12週『内緒話と、春の風』
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第13週『ビートルズがやって来る』
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第14週『俺は笑って生きてっとう!』
79 80 81 82 83 84
第15週『恋、しちゃったのよ』
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第16週アイアイ傘とノック』
91 92 93 94 95 96
第17週『運命のひと』
97 98 99 100 101
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