ひよっこ (第91回・7/17) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』(公式)
第16週『アイアイ傘とノック』『第91回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
向島電機の元舎監・愛子(和久井映見)がみね子(有村架純)を訪ねてくる。そこで省吾(佐々木蔵之介)に出会い、クラッと倒れ込んでしまう愛子。「一目ぼれしちゃって」と本人の目の前で打ち明ける。一方、日本橋の安部米店では娘・さおり(伊藤沙莉)のある秘密が明らかに。それを知った三男(泉澤祐希)が動揺しているところに、兄の太郎(尾上寛之)と時子の兄・豊作(渋谷謙人)が奥茨城からやってくる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今回は極端に登場人物たちの "見た目" のカットが少ない
もう、増田明美さんの使い方から先週とは完全に違う演出で始まった第16週の月曜日。なんか、全体的に演出が新鮮。具体的には、極端に登場人物たちの “見た目” のカットが少ない。特に、今回みたいな、その対象者を初めて見て互いが反応しあう場面の連続なのに、敢えて “見た目” のショットが無い。
カット割りから、登場人物たちの "主観" が見え難い演出
例えば、愛子(和久井映見)がみね子(有村架純)に抱きついて、省吾(佐々木蔵之介)を一目惚れするシーン。普通なら愛子が一目惚れしたきっかけになる印象的な省吾のアッブがあって良いのにそれがない。それが無いことで、後の会話で打ち明けることが、視聴者へのサプライズになってると言う仕掛けだ。
すずふり亭の場面で、向島電機時代の回想シーンが入る。愛子が熱弁をふるうカットだが、視聴者が愛子の聞き手の中の1人に感じるように、撮影されている。しかし、今日の愛子の一目惚れのくだりは、あの時のようにこちらに届かない。それは、かなり客観的な意図で撮られているから。8分過ぎまで、ずっと主観的なカットが…
最後の最後まで "客観的なカット" で構成した15分間
まだある。日本橋の安部米店で、三男(泉澤祐希)が動揺しているところに、兄の太郎(尾上寛之)と時子の兄・豊作(渋谷謙人)がやった来て、さおり(伊藤沙莉)が太郎に「三男君を私に下さい」と言う場面でも、さおりの見た目の太郎のカットはない。
私なら、太郎の「はい、分かった」は、さおりの見た目の太郎を使うが。この演出家は米屋のくだりをまるで一塊ように、カットを切り返しただけで済ませてる。登場人物たちを中華料理の円卓の上に乗せて、くるくる回しながら撮影するみたいに。
ラストの地面の相合い傘も、「みね子が書いた」のでなく、「みね子によって書かれた」と言う表現で終わった。最後の最後まで客観的なカットで構成したと言う訳だ。
今週の個性的で変わった演出を、見守りつつ応援しよう
これが、良いのか悪いのかは、今回のような意表を突いた展開でない、普通の会話劇の時に判断するとしよう。しかし、本作でこのタッチは初めてなのは間違いない。クレジットには、演出は堀内裕介氏とあった。どこかで見たと思ったら、『とと姉ちゃん』の20週をベテラン演出家の藤並英樹氏と組んで担当した人だ。
どうやら、朝ドラで1週間を1人で担当するのは初めてらしい。この個性的で変わった演出を、ディレクター目線で見守りつつ応援していきたい。
愛子の再出発を "一目惚れ" で一気に描いたのは秀逸
さて、物語と言うかドラマとしては、愛子の近況報告をどう面白おかしく描くのか、老婆心ながら心配したのだが、上↑で書いた通り、愛子の意表を突いた一言、いや奇襲攻撃とも言うべき “一目惚れ” からの新たな人生の再出発を一気に描いてしまった岡田脚本。
ドラマとしては悪くないし、面白いのだが、お陰で、楽しみにしていた高子(佐藤仁美)と愛子の絡みは少な目で、ヒロインのみね子の存在感も薄まってしまった。
『最後から二番目…』みたいに徐々に幸せが増えて行く?
しかし、安部米店でのこちらこそ奇襲攻撃と言うべき、さおり改めて米子の三男本人を飛び越えての、超一方的で風変わりなプロポーズど太郎の返事が相まって、一気に幸せの花があちこちで咲いた。
この辺の、いい人たちが最終回に向けて、徐々に結ばれ幸せが増えていくパターンは、『最後から二番目の恋』でも、岡田恵和氏らしい作風としてお馴染みだ。
「1話入魂」だから、3連休の最終日でも話を進めた!
そんな展開の15分間の終盤は、一番幸せであるはずの、みね子と島谷(竹内涼真)のカップルに、気持ちのすれ違いが起こっているような描写。三連休の最終日の仏滅だからあまり物語は動かさずなんてことはしない、岡田恵和氏の「一話入魂」を感じた15分間だった。
あとがき
やはり、最後の相合い傘がみね子が書いた見た目の角度でなかったのが気になりますね。あれが、みね子の見た目の角度のカットなら、「さて、みね子の恋はどうなるのでしようか?」となりますが、敢えて誰の見た目でもない角度のカットだと、「みね子たち、皆の恋はどうなるのでしようか?」って受け取れます。
そうだとすると、益々今週は波乱万丈かも知れません。今週は演出家は、先々週の演出家と違って、脚本家の意図をが上手く汲み取ってくれるのか、楽しみです。
最後に。前回の感想に、112回ものWeb拍手を頂き、ありがとうございました。三連休でも、バッチリ結婚披露宴があり、投稿が遅くなりました。今週も、いろいろ起こりそうで、久し振りにみね子と時子に三男も絡みそうで、物語も楽しみです。と言う訳で、当blogは、まだまだ引き続き本作を応援します。
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【これまでの感想】
●[妄想] 「ひよっこ」の昭和40年と言う時代設定に、再び“名作の予感”(2017/05/04)
●[訂正] 「ひよっこ」第36回で、みね子がビーコロを食べたのは "初任給" でした(謝)(2017/05/14)
●「ひよっこ」を2か月間観終えて、今思うこと…(2017/05/28)
●「ひよっこ」の“青天目澄子”と演じる女優・松本穂香に注目してみた(2017/06/05)
●「ひよっこ」は視聴者の“好意的な解釈”に頼らないで欲しい(2017/06/12)
●ひよっこ 総集編(前編) (2017/7/8) 感想
●奇跡のコラボ 「ひよっこ」の三男が「コード・ブルー2」に出演していた (2017/07/12)
第1週『お父ちゃんが帰ってくる!』
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第2週『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』
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