ひよっこ (第89回・7/14) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』(公式)
第15週『恋、しちゃったのよ』『第89回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
島谷(竹内涼真)に大学を案内されたみね子(有村架純)。ばったり出会った同級生たちにも「俺の恋人」と紹介されてうれしくなる。2人の「住む世界が違う」ことに引け目を感じていることを打ち明けると、島谷は自分の気持ちを真剣に伝える。後日、休憩中に来た柏木堂で鈴子(宮本信子)や高子(佐藤仁美)に交際を始めたことをうれしそうに報告するが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
冒頭に、奥茨城の美代子を持って来た編集は巧い
昨日の感想やら読者さんからのコメント返信にも書いたが、やはり今週の演出担当の渡辺哲也氏は、編集が巧い。今回の冒頭も、前回のラストの「ひょっとして島谷の彼女か?」の問いの答えを主題歌明けに持って来ると想像していたのだが…
美代子「これは、私だげに来ました。
女だげの秘密の話です」
まさか、前回の奥茨城のインサートカットの続きがあるとは!それを編集で冒頭に持ってきたことで、初デートのくだりが2日間だらだらと描かれる印象を払拭することが出来た。また、みね子(有村架純)が母・美代子(木村佳乃)に恋人の相談をするのも自然だ。こう言う編集は良いお手本になる。
真面目で礼儀正しくて正直者のアベックが丁寧に描かれた
前回の妙にど派手な演出が嘘のようだ。島谷(竹内涼真)に「俺の恋人」と紹介されて嬉しくなったみね子が、奥茨城弁で職場の紹介をする場面なんて、正に誰にも「ああ言う気持ち分かるなぁ」的な日常の描写。真面目で礼儀正しくて正直者同士が、次第に自分の、互いの気持ちを確かめ合う過程が丁寧に描かれた。
島谷と美代子の言葉が重なり、意味深い台詞になった
引け目を感じているみね子に、島谷がビシッと言うこの↓台詞も良い。
島谷「じゃ、みね子ちゃんは、
行方不明になったお父さんのせいで、
東京に働きに来てる可哀想な女の子?
違うだろ?君は谷田部みね子だろ?」
この↑島谷の台詞を聞いて思い出したのが、次の↓の第11回(4/11)での夫を探しに上京した美代子が、警察署に捜索願を提出するも粗雑な対応を受けた、あのシーンでの心の叫びだ。
美代子「谷田部実と言います。
私は、私は出稼ぎ労働者を一人探してくれと
頼んでいるんではありません。
ちゃんと名前があります。
茨城の奥茨城村で生まれて育った谷田部実と言う
人間を探して下さいとお願いしてます」
本作って、このように時々、人間の尊厳と言うか、アイデンティティーについてさり気なく入れてくる。↑の美代子の台詞の直前にあった「『いばらぎ』じゃなくて、『いばらき』です」なんかも、当時、心にグサッと刺さったものだ。
手紙を読むみね子と手紙を書く美代子の編集が絶妙だった
今回は、本当に編集がいいね。デートから帰宅したみね子に届いた美代子からの手紙を読むみね子と、手紙を書いてる回想の美代子を、巧みにカットバックさせて、この↓美代子の言葉をとても印象的に描くことに成功している。
美代子(M)「自分の好きになった人を信じることが、
一番大事な気持ぢです」
部屋で手紙を読むみね子のアップも、単純に手紙ナメにせずに。奥に洗濯ハンガーや提灯、風邪で揺れるカーテンなど、季節感も入れ込んで、実に日本の夏の日常風景に、手紙のシーンを置いた。この位の抑え目の演出が本作らしい。
階段→部屋→富さん→バー月時計の編集も良かった
あかね荘の階段での高所恐怖症でずっこける島谷から、部屋で時子(佐久間由衣)にデートの報告を楽しそうにするところの編集もかなり凝ってた。狭い空間の中での細かなカット割りなのに、窮屈感なく見せた。
そして、その流れでついに大家の富(白石加代子)が登場。もう少し印象的な登場でも良かったが、今週はやり過ぎは禁物。富さんの返事が続きがあるような気配だったから、そちらを待つとしよう。「バー月時計」での島谷と秀俊(磯村勇斗)のやり取りの編集も、みね子を割り入れたのがダラダラせずに良かった。
あとがき
どうやら、みね子の初恋も一筋縄では行かないようですね。そして、前回の予想通りに愛子(和久井映見)は土曜日に軽く参戦して、来週から本格的な参戦みたいですね。和久井映見さんと佐藤仁美さんに全部持って行かれちゃいそうで、その辺も楽しみです。とにかく、今回みたいな日常を丁寧に描くのが本作らしさだと思います。
最後に。前回の感想に、90回ものWeb拍手を頂き、ありがとうございました。「称賛の感想でないと残念」って読者の方がいるようですが、称賛するために書いてるのでないので。あくまでも、時に冷静に、時に熱く見守ってるって感じです。と言う訳で、当blogは、まだまだ引き続き本作を応援します。
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【これまでの感想】
●[妄想] 「ひよっこ」の昭和40年と言う時代設定に、再び“名作の予感”(2017/05/04)
●[訂正] 「ひよっこ」第36回で、みね子がビーコロを食べたのは "初任給" でした(謝)(2017/05/14)
●「ひよっこ」を2か月間観終えて、今思うこと…(2017/05/28)
●「ひよっこ」の“青天目澄子”と演じる女優・松本穂香に注目してみた(2017/06/05)
●「ひよっこ」は視聴者の“好意的な解釈”に頼らないで欲しい(2017/06/12)
●ひよっこ 総集編(前編) (2017/7/8) 感想
●奇跡のコラボ 「ひよっこ」の三男が「コード・ブルー2」に出演していた (2017/07/12)
第1週『お父ちゃんが帰ってくる!』
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第2週『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』
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第3週『明日(あす)に向かって走れ!』
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第4週『旅立ちのとき』
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第5週『乙女たち、ご安全に!』
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第6週『響け若人のうた』
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第7週『椰子(やし)の実たちの夢』
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第8週『夏の思い出はメロン色』
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第9週『小さな星の、小さな光』
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第10週『谷田部みね子ワン、入ります』
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第11週『あかね荘にようこそ!』
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第12週『内緒話と、春の風』
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第13週『ビートルズがやって来る』
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第14週『俺は笑って生きてっとう!』
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第15週『恋、しちゃったのよ』
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