ひよっこ (第87回・7/12) 感想

連続テレビ小説「ひよっこ」

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』公式
第15週『恋、しちゃったのよ』『第87回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


時子(佐久間由衣)がみね子(有村架純)の部屋に転がりこんでくる。早苗(シシド・カフカ)が提案し、バー「月時計」で歓迎会を開くことに。そこで島谷(竹内涼真)はビートルズのチケットを譲った少女に再会して礼を言われる。「あれだけチケットを求めていたのを知っていてなぜ?」と複雑な気持ちになるみね子。渡せなかった理由を説明する島谷を見て、2人がお互いに恋心を抱いていることにその場の全員が気づいてしまう。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

乙女寮の同窓会は、第14週に放送されるはずだった…!?

昨夜NHK第1ラジオで放送された『岡田恵和 今宵、ロックバーで~ドラマな人々の音楽談議~「峯田和伸」』と、今回の「バー 月時計」でのあかね荘の住人たちの会話を見て、感じたこと。それは、乙女寮の同窓会までは、第14週の川上剛氏の演出だったってことだ。これはあくまで、私の予想だが根拠はある。

まず、ラジオ番組で、脚本の岡田恵和氏がビートルズ初来日の前後に相当の思い入れを持って書いたお蔭で、台詞の分量が多くなってしまったと言っていた。そして、演出家がその大量な台詞の脚本をそのまま演出し撮影。峯田和伸さんは、カットされるんだろうなと思いながら演じていたと言っていたからそうだろう。

そして、演出の川上氏が次週の演出家と相談し、第14週が6日分で収まらないため、1日多くすると言う判断に至ったそうだ。要はビートルズは金曜で終わり、土曜日に同窓会のはずだったのが、第15週まで川上氏演出の同窓会が割り込んで来たと言う訳。

結局、第14週は脚本家も演出家も、良くも悪くも冷静さを欠いていたと言うことらしい。一番、当時の人たちの熱い思いを、冷静に丁寧に描くべき事象だったのに…

チケット話から恋バナに自然に移行した脚本はお見事

さて、今回に話を戻そう。異常な熱量で書いた宗男(峯田和伸)が見ず知らずの少女にチケットをあげてしまった未だ理解不能のエピソードを、折角忘れかけていたのに再び描くのはどうかと思うが、この↓島谷(竹内涼真)が宗男にチケットを譲った気持ちは理解出来る。

島 谷「みね子ちゃん、いつか言ってたよね。
    お父さんの話をしてくれた時、
    可哀想な人だと思わないで欲しいって」
みね子「はい」
島 谷「それと同じなんだ。
    単に恵まれてるだけの奴だとか、
    自分は違うとか、思って欲しくなかったんだ。
    思われたくなかったんだ、君に」

そして、さり気なく島谷からのみね子への恋の告白になってるのは上手い。どうやら岡田氏もビートルズ旋風が去って、冷静さを取り戻してくれたようだ。

今回を見ると、同窓会が悔やまれて仕方がない

うーん、やっぱり、あかね荘の住人たちは、この場面にいなかった大家の富(白石加代子)と、前回から住人になった時子(佐久間由衣)を含めて7人が良い。1人1人の個性が際立ってる。今回だって、普通の会話のやり取りで新カップル成立までを描いただけなのに、全員で役割分担して結果に導いてる。

これを見てしまうと、先日の「乙女寮の同窓会」が残念で仕方がない。俳優の年齢に幅があるとか、演技経験に違いがあるのは、間違いない。しかし、同窓会は個々の近況報告、歓迎会はなぜチケットを譲ったかと言う、正直普通の似たような話だ。むしろ、同窓会の方が個々の話題だから個性が出しやすいはず。

なのに、同窓会は本当に近況報告だけで正直あまり盛り上がらずに解散。一方の歓迎会は大盛り上がり。これ、間違いなく演出(家)の技量の差だ。例えば、同窓会で優子(八木優希)が婚約を告げた時と、今回のカップル成立で何が違うか。祐二(浅香航大)をきっかけに拍手喝采になった。みね子の頬は火照った。

でも、同窓会では、そのような演出は無かった。決して、乙女寮シスターズや彼女たちを演じた女優さんたちのせいではない。演出が面白くなるのに、そうしないだけだったのだ。

脚本家の意図を演出家が汲み取って…が活かされたシーン

どうやら、岡田氏の調子も完全に戻りつつあるし、編集で魅せる渡辺哲也氏の演出がしっかり届いたのが次の↓のシーンだ。島谷が「よろしくお願いします」と言ったあとだ。瓶をマイク代わりに記者会見風に描くのも、昭和40年代の小中学生のお約束のおふざけと照れ隠し。明るい劇伴が止まってみね子が小声で話し出す…

みね子「でも…。でも私は…。だって私は…」
    ※ここで、元気に畑仕事をしている父・実の回想
みね子「だって…」
時 子「いいんだよ、みね子。いいんだよ。
    幸せになっていいんだよ」
みね子「…」
時 子「うん」
みね子「こぢらこそ、よろしくお願い致します」

頑張った。良く耐えた。よこぞ、ここで「お父さん…。告白されました。どうしましょう?」みたいにモノローグで処理しなかったってことだ。その脚本家の頑張り、踏ん張りを見事に演出家が汲み取って、映像で「お父さん…」を描くために、父・実(沢村一樹)の回想をインサートしたのだ。

この、脚本家の意図を演出家が汲み取って…と言うのが先週の第14週は無かった。これが、演出家の違い。脚本家の脚本も大事だが、それを視聴者に見せる形に具現化する演出家の手腕でこんなにも作品の仕上がりに違いが出ると言うことが改めて示されたのではないだろうか。

語りとモノローグの順番も使い方も効果的だった

N「みねこ、私からも、おめでとう!」

この↑「語り」も巧みだ。番組の視聴者代表としても、番組の解説者としても、みね子の高校時代の体育教師の木脇先生(増田明美)の3つの気持ちが乗っかってる台詞に聞こえる。普通なら危険な強引技だが、ここまで「語り」を使わなかったから実に効果的になったのだ。

その上、最後にやっといつもの「お父さん…」が登場。それも、いつもは近況報告が多いのに、今回は事後報告スタイル。この辺のいつもと違うモノローグの使い方も良かった。それにしても、今週の演出が渡辺哲也氏で良かった。あの乙女寮の海水浴の週も演出した渡辺氏に同窓会も演出してもらいたかった…

あとがき

前回の同窓会が閉会する前と後でドラマが違ったのは、演出家の違いだった訳ですね。前回の舞台稽古風の回想や、今回の実父さんの回想、恋バナの盛り上げ方、みね子の心情のメリハリついた映像など、すべて納得できます。あとは、脚本が奇を衒わずに日常を描いてくれれば、今週は大丈夫そうです。良かったぁ。

さて、昨夜のラジオ番組で、岡田恵和さんが「まだ、誰もクランクアップしていない」と仰ってました。また、向島電機のライン長の松下(奥田洋平)と乙女寮の料理人・和夫(陰山泰)も再登場させたいと仰ってました。先日の愛子(和久井映見)のようでは困りますが、再登場は楽しみです。

最後に。前回の感想に、99回ものWeb拍手を頂き、ありがとうございました。今回は、脚本と演出と俳優の三位一体って感じで良かったです。さあ、やっとヒロインの恋が始まりました。時子の存在があってこその恋バナですね。時子の性格設定が上手に活かされていました。という訳で、当blogは、まだまだ引き続き本作を応援します。

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【これまでの感想】
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第3週『明日(あす)に向かって走れ!』
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第11週『あかね荘にようこそ!』
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