ひよっこ (第83回・7/7) 感想

連続テレビ小説「ひよっこ」

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』公式
第14週『俺は笑って生きてっとう!』『第83回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


ビートルズが日本を離れた。奥茨城に帰ることにした宗男(峯田和伸)は、あかね荘やすずふり亭の人たちへあいさつに回る。みね子(有村架純)のことを頼むと鈴子(宮本信子)に言い残して去って行く宗男。宗男が行ってしまい急に寂しくなったみね子は、開店前に秀俊(磯村勇斗)を手伝っていて棚の奥に見覚えのあるお重を見つける。それは美代子(木村佳乃)が実(沢村一樹)にすずふり亭への土産を詰めて持たせたお重だった。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

今日は、「一話入魂!」を「一話完結!」と解釈して…

今回の15分間を見て改めて感じたのは、前回のすずふり亭が休憩時間だろうと営業時間だろうと、前回が致命的にダメな放送回であったことことを確信した。従って、本当は今回の別れのくだりなんか描く必要あるか?と言う気持ちだが、今日は岡田恵和氏の「一話入魂!」を「一話完結!」と解釈して、感想を綴ってみる。

前回が致命的にダメ演出の回だった事が一発で分かる台詞

主題歌明け、ビートルズ離日の資料映像のあとの夜の広場。前回がダメな回であることが、この↓みね子(有村架純)の一言からも分かる。

みね子「何か、お祭りみたいだったね」

結局、みね子にとってビートルズは(強引に宗男も掛けているが)お祭りだったのだ。「ビートルズ=お祭り」それがみね子にとっての思い出。では、お祭りの中身は?宗男が突然来て賑やかになったこと?みんなで赤飯弁当作ったこと?それがしっかり描かれていないのに、この↑台詞を喋るからおかしいの。

だって、勝手に好意的に解釈する視聴者は別にして、私には宗男の上京によって、例の笑顔の真相を知ったことは “身内の一人” として重要な体験であり思い出の一夜であるのは認めるが、ビートルズ来日がみね子の心に何かを残したとは思えない。正しくは、何かを残したように演出されていない。

なのに、脚本に書いてあるからこの↑台詞を撮って使っちゃう。ホント、演出家にきちんと脚本を読んで欲しいと願うばかりだ。

岡田氏らしい、別れのシーンで女性を泣かせない常套テクニック

みね子が大量に歯磨き粉を購入した薬局の店主がチラッと映り込んでいた。宗男が帰る日に店主が(初?)登場するのはなかなか良いアイデアだが、今はそんなエキストラに気を遣うなら、前回で気を遣えと言う立場。何度も言って恐縮だが、今日はそう言う気持ちだから…

場面変わって、あかね荘の炊事場。ここで私がちょっとテンションが高くなったやり取りがある。それは、宗男が早苗(シシド・カフカ)をおちょくるシーン。

宗男「あんたはよ、美人さんなんだがらよ、分がってっか?」
早苗「分かってる」
宗男「でもな、もうちょっと笑え。
   笑うともっとかわいくなっど。俺みたいにこうやって」
早苗「フフフ」
宗男「ほら、ほら!ね?かわいがっぺ!」

女性との別れの際に、相手の容姿に注視して、男目線での愛情(友好)の情を表すと言うこのくだり。岡田恵和氏の作品に度々登場するが、私がおすすめの絶品シーンは、『ビーチボーイズ』の最終回の別れのシーンで広海(反町隆史)が真琴(広末涼子)に愛あるアドバイスをするこの↓くだり。

広海「真琴、おまえさあ、もう少し牛乳飲め!」
真琴「はぁ?」
海都「何で?」
広海「飲むと、乳がデカくなる」
真琴「バーカ!」

構造が同じだ。別れのシーンで女性の登場人物を笑顔にさせる岡田恵和氏なりのサービスと言うか微笑ましさの彩り添え。宗男の「かわいがっぺ!」の後のカメラワークが中途半端でシシド・カフカさんが手持ち無沙汰なのがとても可哀想だが、逆に2人の名演技があったから成立したシーンでもある。

粋な計らいのお富さん。今回は俳優が演出を助けてる…

で、久し振りに大家の富さん(白石加代子)が登場。なぜ鍵の大アップをシーン頭にしたのか演出意図は相変わらず不明だが、宗男が宿泊費?を富さんに払おうとする行動を入れたのは正解。そして、富さんの粋な計らいも、如何にも赤坂の元売れっ子芸者と言う設定が活かされてる。今日は、演出が俳優に助けられっぱなしだ。

宗男と鈴子の会話は、ホームドラマの王道路線

もう、どうでも良いのだが、朝に早苗があかね荘にいたから日曜日、客がいないから開店前のすずなり亭だ、ふ~っ。まだ、ここまでがっつりと別れのシーンが必要かどうか悩んでいるが、私なりに「一話完結」と考えると、この↓宗男と鈴子(宮本信子)のやり取りは、王道のホームドラマらしくていい。

宗男「身内のもんが言うのはおがしいかもしんねえけど、
   こいづは本当にいいやづです。いいやづなんです。
   幸せに生きでもらいでえんだ。どうか…
   どうか、これがらもみね子を宜しくお願い致します」
鈴子「谷田部家の皆さんに宜しくお伝え下さい。
   私に、お任せ下さいと」

演出家と撮影班のお蔭で、最高に楽しい別れが台無しだ

その後の従業員たちの別れのシーンも脚本と演技は良く出来てる。特に、宗男と元治(やついいちろう)の如何にも朝ドラらしいこの↓楽しい別れのシーンは、俳優たちの演技も良くて楽しく見られた。しかし、またまたで恐縮だが演出が気に入らなかった。

宗男「元治、そんな顔すんな・寂しいの分がってどよ」
元治「誰が?」
宗男「俺は寂しいよ。おめえ、好きだがらよ」
元治「そう言うさ、急にさ、真っすぐなことをさ…
   ずるいんだよ…。腹立つわぁ。俺も好きだよ」
宗男「元治~!」
元治「宗男~!」

元治の後ろの扉に、元治たちの影が映り込んでいるのだが、詳細は避けるが1カットだけ動きが合っていない。元治だけ撮り直した際に、いろいろなカットが入り混じって編集でおかしくなったのだろう。影が気になって映像に身が入らないではないか?演出家も撮影班も気合入れろ!

"茨城に帰る人を見送る人" のみね子を今後どう描くか?

ビートルズが登場したから、もしかしてと思ったらやはり登場したザ・ローリングストーンズ。因みに、ローリングストーンズ初来日は1990年2月。幸運にもそのストーンズの初来日公演も、88年のミック・ジャガー初来日公演も私は参戦した。劇中ではストーンズ初来日は24年後。宗男は再び東京に来たのか…なんて思ったり…

みね子(M)「お父さん…私は何だかとても不思議な気持ちです。
      あぁ、私は茨城に帰る人を見送る人に
      なってしまったんだなと思いました」
み   ね   子「頑張ろうね」

こんな↑みね子のモノローグもベタ過ぎるが、「お父さん…」の心の声には内容が合ってる。それに、公式サイトにある “みね子はさまざまな出会いと別れを経験しながら試練を乗り越え、見知らぬ町だった東京にしっかりと根を張っていく” に、少しだけだがドラマが近づいているように見えたのも良かった。

久し振りに "あの重箱" が登場して、良いシーンになった

開店前のすずふり亭。まさか、ビートルズが終わって早々に “あの重箱” のエピソードが登場するとは。なぜ今までみね子に見つからなかったのか、なぜあんな誇りが被るような場所なのかの不自然さはある。演出家は本気であの場所が最善だと判断したとは思えないが、↑のみね子の決心と合わせると鈴子の台詞はいい感じだ。

鈴子「あんたには悪いけど、それは私が預かったの。
   短い時間だったけどね、
   あんたのお父さんはそう言う約束をちゃんと守る人だと、
   私には分かってる。だから信じてる。
   必ず取りに見えるってね」

みね子自身が東京の生活に慣れることよりも、父親捜しと言う大命題を忘れちゃいけないのは、劇中のみね子も脚本家も視聴者も同じ。奇しくも、第81回(7/5)で、滋子(山崎静代)が美代子(木村佳乃)に言った「ダメだよ、義姉さん、ダメだ。そんなこどん慣れちゃダメだ」と同じこと。

どうしても、本作はヒロインの父親失踪が忘れられそうになりがち。そうならないために大量に「お父さん…」を入れれば、ドラマとしての面白味が薄れる。でも、今回の終盤の「お父さん…」から「語り」に繋げて、父・実(沢村一樹)の突然の登場は、増田明美さんの名調子の甲斐あって良かった。

まあ、あのまま当分はすれ違いになるのは、間違いないが…

あとがき

やはり、ここまでがっつりと別れを描く必要があったかどうか悩みますね。理由は、前回できちんと宗男の昔話とビートルズ来日が、みね子の心にどう言う形で深く刻まれたのか描かなかった演出の大失敗。

それが出来ていれば、宗男が姪っ子を東京の人たちに託す気持ちとか、鈴子たちの実を想う気持ちとか、今回のエピドードにもっとしっかり繋がったはずですから。今さらですが、人も事柄も「向島電機編」よりも明らかに描写不足です。それと演出家の脚本の読解力の欠如。もったいないですね。

最後に。前回の批判的な感想に、90回ものWeb拍手を頂き、ありがとうございました。90人もの読者さんが、共感して下さって頼もしいです。予告編によれば、明日は時子や乙女荘の仲間たちも登場するでしょうし、週明けには演出家も交代するでしょうから、そこに期待します。ずという訳で、当blogは、まだまだ引き続き本作を応援します。

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【これまでの感想】
[妄想] 「ひよっこ」の昭和40年と言う時代設定に、再び“名作の予感”(2017/05/04)
[訂正] 「ひよっこ」第36回で、みね子がビーコロを食べたのは "初任給" でした(謝)(2017/05/14)
「ひよっこ」を2か月間観終えて、今思うこと…(2017/05/28)
「ひよっこ」の“青天目澄子”と演じる女優・松本穂香に注目してみた(2017/06/05)
「ひよっこ」は視聴者の“好意的な解釈”に頼らないで欲しい(2017/06/12)

第1週『お父ちゃんが帰ってくる!』
1  2  3  4  5  6
第2週『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』
7  8  9  10  11  12
第3週『明日(あす)に向かって走れ!』
13  14 15  16  17  18
第4週『旅立ちのとき』
19  20  21  22  23  24
第5週『乙女たち、ご安全に!』
25 26 27 28 29 30
第6週『響け若人のうた』
31 32 33 34 35 36
第7週『椰子(やし)の実たちの夢』
37 38 39 40 41 42
第8週『夏の思い出はメロン色』
43 44 45 46 47 48
第9週『小さな星の、小さな光』
49 50 51 52 53 54
第10週『谷田部みね子ワン、入ります』
55 56 57 58 59 60
第11週『あかね荘にようこそ!』
61 62 63 64 65 66
第12週『内緒話と、春の風』
67 68 69 70 71 72
第13週『ビートルズがやって来る』
73 74 75 76 77 78
第14週『俺は笑って生きてっとう!』
79 80 81 82

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【ひよっこ】第83回(第14週金曜日) 感想

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ひよっこ 第83回

内容ビートルズが日本を去り、宗男(峯田和伸)は、皆に挨拶をして、奥茨城へと帰っていく。みね子(有村架純)は、寂しさを感じながらも、見送る立場になったことを実感。そんななか、開店準備をしていたみね子は、ある物を見つける。 敬称略 ほんと、美しくない(笑)...

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