ひよっこ (第74回・6/27) 感想

連続テレビ小説「ひよっこ」

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』公式
第13週『ビートルズがやって来る』『第74回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


美代子(木村佳乃)との電話を聞かれ、父が行方不明だと島谷(竹内涼真)らあかね荘の住人に知られたみね子(有村架純)。早苗(シシド・カフカ)は今まで黙っていたことに腹を立て、理由を説明するよう迫る。みね子はなぜ打ち明けられなかったのか、初めて本音を漏らす。そのころ、実(沢村一樹)のことを聞いた宗男(峯田和伸)が、谷田部家を訪れていた。そこでたまたま読んだ新聞にビッグニュースを見つけて仰天する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

あかね荘の人たちの温もりが見えて来そうなオープニング

前回からの繋がりで、綿引(竜星涼)からの父・実(沢村一樹)の失踪時の状況を、母・美代子(木村佳乃)のあかね荘への電話で情報共有したみね子(有村架純)。涙をいっぱいにためたみね子に、その話の一部始終を聞いていた富(白石加代子)が、串に刺しだ団子をみね子の口に入れてやる。まるで、母親が小さな子供にするように…

富「早苗ちゃんの田舎から。まずくはないでしょ」

富がみね子を励ます様子は、早苗(シシド・カフカ)や島谷(竹内涼真)たち)も聞いている。そんな富の優しさがかえって、みね子の悲しさを倍増させてしまい、部屋で一人泣き崩れるみね子。こんな湿っぽい導入で始まった第74回。でも、何となく、あかね荘の人たちの温もりが見えて来そうな気がする…

早苗が、みね子をどう思っていたのかが丁寧に描かれた

場面変わって、炊事場にはみね子以外の4人の住民が集まってる。一人機嫌悪そうにしている早苗に違和感を覚える男3人。そこへみね子が、涙を拭いて炊事場に下りて来る。何となく気まずい雰囲気5人。ここからの早苗の↓台詞が、実に興味深い。

早 苗「心は開いているわよ、かなりね」
島 谷「はい?」
早 苗「私みたいにね、謎めいた雰囲気醸し出してる人は
    これでいいのよ。でもね、この子みたいに一見
    “何の秘密もありませ~ん。バカ正直です。
    何でも話しちゃいます~” みたいな顔してさ」
みね子「はぁ?」
早 苗「そんな顔してるくせに
    秘密を持っていると言うのは罪が重いのよ」
みね子「何だ、それ。意味が分がんない。腹立づ!
    何で、そんなこど言われなぎゃいけないんですか?」
島 谷「結局あれですか?折角友達になれたと思ったのに、
    何で教えてくれないんだって言う、
    そう言うことですか?」
みね子「島谷さんの言った通りなんですか?」
早 苗「そうよ」

実は、同居人には全く興味を持っている素振りを見せなかった早苗が、同じ働く女性と言う視点もあったろう。一番、みね子のことを気にかけていたと言う事実。更に、早苗自身が意図的に謎めいた雰囲気を醸し出して生きていると言う事実。その2つの事実がこのやり取りで分かった。

また、早苗の「そんな顔してるくせに」は、「お父さん…」とモノローグばかりだとかお金のために必死に働いているようには見えないヒロインへの、視聴者の気持ちを代弁しているとも受け取れる。それにみね子本人が反論(ここでは怒るだけだが)するのも、ドラマを客観的に見ると実に面白い描写だ。

束ね役の愛子がいないあかね荘だから本音バトルが出来る

そして、炊事場での本音バトルはまだまだ続く。これ、実はとても脚本・演出上で巧いと感じるのは、前回での綿引とすずふり亭の人たちとのやり取りは(「バー 月時計も同様だ)、俳優たちの年齢や特徴もあって、全体的にややきれいごとに映ってしまう特性がある。

しかし、あかね荘は住人全員が若くて自立しようとするタイプばかり。更に大家の富は住人のプライバシーにドカドカと踏み込んでくるタイプ。言うなれば、すずふり亭は、みね子にとって安心できる大人たちの家族の家。一方のあかね荘は、出会い頭の事故現場みたいな場所。

でも、“一つ屋根の下” と言う偶然に何となく運命染みたものを感じ、互いを心配したり干渉したりする。この辺は、向島電機や乙女荘に繋がるが、あかね荘には「束ね役」の愛子(和久井映見)いない。だから、こうした本音バトルを描くことが出来る。実に巧みな設定なのだ。

背負っている重圧を一時だけ忘れたいみね子の気持ち

↑の会話から↓の会話になると、みね子が早苗にちょっとだけタメ口になって、次第に激高していくのが分かる。こんなにみね子が怒鳴って本音を他人にぶつけるなんて珍しいシーンだ。

早 苗「何で言わないのよ?理由を説明してみなさいよ」
みね子「言いたぐなかったからですよ」
早 苗「何でよ?」
みね子「すずふり亭の人たぢは元々お父ちゃんのこどが
    きっかけで知り合った人たちだから仕方ないけど、
    こごの人たぢにそんな風に
    思われたぐ無かったからですよ」
島 谷「そんな風にって?」
みね子「可哀想な女の子だって思われたぐ無かったんですよ。
    それがいげませんか!
    普通のそんな事情っつうか問題っつうかそんなの無い
    普通の女の子でここではいたかったんですよ。
    それだけですよ」
早 苗「へぇ」
みね子「文句ありますか?」
早 苗「だったら、最初からそう言えば良いんじゃない」
みね子「どうやって言えっつうんですか?」
島 谷「みね子ちゃんの勝ちだね」

まだ二十歳前の女の子が、自分の事情を知らない若い同居人たちの前では、違った自分を見せたいと思う気持ちもあるだろう。職場と住まいでは違う自分になることで、自分自身が背負ってる奥茨城の谷田部家の暮らしや失踪中の父親捜しと言う重圧を、一時だけでも忘れたいと言う気持ちが痛いほどに伝わって来た。

茂爺ちゃんに褒められた "働き者のみね子" が見えた

本音バトルが一段落したあとは、皆さん耳馴染みで久し振り?の登場の劇伴「がんばっぺ!みね子連続テレビ小説「ひよっこ」 オリジナル・サウンドトラック)の19曲目」にのって、みね子が喋る喋る。細かいカット編集でみね子の溜まっていたうっぷんを吐き出す心情を表し、その勢いにノックアウトされる早苗たち。ここの楽しく盛り上げた雰囲気から、早苗のこの↓台詞で再びリアルな現実へ…

早 苗「もしお父さんが見つからなかったら、
    このままずっと、
    あんたはずっとこのままそうやって生きて行くの?
    働いて、殆ど家に送金してずっと生きて行くの?」
みね子「そんなの分がんないです。
    でも別に嫌な訳じゃないですから」

このメリハリは上手いね。それにここまで約3か月間、「奥茨城編」から観て来た視聴者にとって、この↑早苗のみね子への疑問、質問は、人間として女性としての幸せの問題でもある訳で、高校時代から10年間しか描かない本作のこの先の展開としては最大級に気になっていたこと。そこを約半分の今、突いて来たのだ。

更に加えれば、奥茨城でみね子が祖父の茂(古谷一行)とのこの↓会話で、みね子が言った「働くのが好き」と言うみね子本来の “働き者” と言う性質が、「自分でしだくて、してんですから」と言う言葉に表れたのも良かった。

茂「みね子は働くのすきか?」
みね子「うん。好きだよ」
茂「なら大丈夫だ。じゃ、食っていける」

一時、「向島電機編」で「奥茨城編」と “働き者” と言う描写で、僅かな隔たりがあったのが気になったが、ここへ来てちゃんと繋がり帰着しつつあるのは、とても良いこと。やはり、登場人物全員が “出会った時から味方” と言うこれまでの展開よりも面白さが出て来た。あかね荘への評価を変えざるを得ない…

あかね荘の5人に、無駄な登場人物は1人もいない

早苗「まぁこの広い東京で
   捜している人に会える可能性は低いと思うけど。
   でも、この2人が売れるよりかは、
   可能性と言うか確率は高いんじゃないか?

この↑如何にも早苗らしいみね子の応援歌も実に良い感じ。もちろん漫画家志望のコンビも必然性たっぷり。

閉店後のすずふり亭→奥茨城の宗男→突然の電報に天晴!

場面は、閉店後のすずふり亭。あかね荘で起きている本音バトルとそのあとの早苗からの応援歌を知る由もない鈴子(宮本信子)と省吾(佐々木蔵之介)が、みね子を励ますために、何か楽しいことが起きないかと話す。本当に、この母子は真剣に真面目にみね子のことを思ってる。しかし、何がある訳でもない…

劇伴はそのまま続けて、舞台は奥茨城の谷田部家に。こう言うBGMのさり気ない使い方は良い。宗男(峯田和伸)も実の失踪時の状況を知って不安になる。途中、宗男の妻・滋子(南海キャンディーズの山崎静代)の話題が出るが、本人の映像が無くても面白いのが「奥茨城編」の底力だ。

そして、宗男の大騒ぎから、東京のみね子に電報と言う流れ。予告編を見ていれば大よその予測が付くだけに、神妙な劇伴が気分をどんどん高めて、「ビートルズ ガ ヤッテクル」の1行に、間抜けな効果音。こりゃあ、次回が楽しみだ。

あとがき

先週、実はみね子以外は由香(島崎遥香)のことを皆知っていたと言うくだりがありました。そして今回は電話が無い谷田部家とおしゃべりな大家さんを利用してみね子のことを探るくだりと、ちゃんと “対” になっていたんですね。

また、先週に描かれたすずふり亭の親子関係、特に父と娘と、今回の谷田部家の親子関係の中でも父と娘も “対” になっているんですね、きっと。そんな中で、あかね荘の4人の人間性も人間関係も丁寧に描かれ、「赤坂編」に宗男が参戦すれば、いよいよ「奥茨城編」と一体化します。

こうなると、「向島電機編」が悔やまれますが、終わったことですし、乙女たちはそれはそれで感動的でしたから良しとしましょうか。

最後に。前回の感想に、142回ものWeb拍手を頂き、ありがとうございました。早苗さん始めあかね荘の住人は意外といい奴ばかりでホッとしてます。今週は、宗男さんが全開で活躍してくれると良いですね。という訳で、当blogは、まだまだ引き続き本作を応援します。

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【これまでの感想】
[妄想] 「ひよっこ」の昭和40年と言う時代設定に、再び“名作の予感”(2017/05/04)
[訂正] 「ひよっこ」第36回で、みね子がビーコロを食べたのは "初任給" でした(謝)(2017/05/14)
「ひよっこ」を2か月間観終えて、今思うこと…(2017/05/28)
「ひよっこ」の“青天目澄子”と演じる女優・松本穂香に注目してみた(2017/06/05)
「ひよっこ」は視聴者の“好意的な解釈”に頼らないで欲しい(2017/06/12)

第1週『お父ちゃんが帰ってくる!』
1  2  3  4  5  6
第2週『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』
7  8  9  10  11  12
第3週『明日(あす)に向かって走れ!』
13  14 15  16  17  18
第4週『旅立ちのとき』
19  20  21  22  23  24
第5週『乙女たち、ご安全に!』
25 26 27 28 29 30
第6週『響け若人のうた』
31 32 33 34 35 36
第7週『椰子(やし)の実たちの夢』
37 38 39 40 41 42
第8週『夏の思い出はメロン色』
43 44 45 46 47 48
第9週『小さな星の、小さな光』
49 50 51 52 53 54
第10週『谷田部みね子ワン、入ります』
55 56 57 58 59 60
第11週『あかね荘にようこそ!』
61 62 63 64 65 66
第12週『内緒話と、春の風』
67 68 69 70 71 72
第13週『ビートルズがやって来る』
73

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