フランケンシュタインの恋 (第10話/最終回・2017/6/25) 感想

フランケンシュタインの恋

日本テレビ系・新日曜ドラマ『フランケンシュタインの恋』公式
第10話/最終回『さよなら、人間。衝撃の最終回』の感想。


深志研(綾野剛)に手を握られた津軽(二階堂ふみ)の意識が戻り、病状も奇跡的に回復した。稲庭(柳楽優弥)は深志研が津軽の遺伝子を目覚めさせたと喜び、恵治郎(光石研)らにも伝える。一方、深志研は過去の罪を津軽に告白するが、その代わりに現在の津軽を救ったのだと稲庭に言われる。同じ頃、責任問題に揺れるラジオ局では、天草(新井浩文)は全て自分の責任だと話していた。そんな中、深志研の過去の情報が出回り…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

まえがき

あまりに “いい最終回” だったので、私の備忘録としてと、残念ながら見なかった人にも、私の拙い感想で内容が伝わればと、今回の感想は長文になっております。

今回が最も内容と合っていた冒頭のピンク色のCG…

冒頭の深志研(綾野剛)に手を握られた津軽(二階堂ふみ)の意識が戻るくだりのピンク色のCG。これまであの手のキラキラモワモワCGが何度も登場したが、今回が最も内容としっくり来ていた。そんな好印象で始まった最終回。そして、恵治郎(光石研)にも “奇跡” が起こる。いいじゃないか、この滑り出し…

深志が120年間背負った切なく苦しい十字架の重み…

前回で深志自らの声でラジオ番組を通じて語られた “山部呼六とは?” と “深志研の謎” は、実に感動的な映像で描かれたが、今回のように深志が津軽にさらりと改めて語る雰囲気も実にいい。

研「僕は、博士の恋から生まれて来たんです…」

特に、弱弱しいながらも優しさ溢れる声で語ったこの↑台詞など、本当に “切ない…” と言うしかない。そして…

研「僕は、120年前、サキさんを死なせてしまいました。
  その罪は消えません」」

この↑台詞。自身の存在を “罪” と表現する、深志が120年間背負った切なく苦しい十字架の重みを想像すると辛すぎる。しかし、そんな深志に稲庭(柳楽優弥)がサクッとフォローする。そして、「おめでとう」と。うーん、稲庭先輩も深志と出会って随分と成長したものだ。なーんて…

"天草は深志に自分の言葉を届けただけ" がピッタリ表現

続いて、ラジオ局。ラジオ番組のパーソナリティの十勝(山内圭哉)とリリエ(水沢エレナ)、天草(新井浩文)とスタッフらが先日の放送の賛否について話す。深志の気持ちを完全に受け入れたこの↓十勝とリリエの会話もいい。

特に、“天草は深志に自分の言葉を届けただけ” が妙にピッタリと嵌まる。

リリエ「天草さんは最後まであの人に、
    自分の言葉を届けただけだと思う。
十 勝「うん、その通りや!うん」

リリエは「あの人」、天草は「怪物」と言う意味深さ

そんな天草にとっては最大の応援団からの言葉に、更に天草はこんな↓本心を話す。

天草「俺は利用してたんですよ。間違いなく怪物を。
   ラジオで怪物を生んだのは、明らかに俺ですから。
   けど、俺は最後までその怪物の事を好きだったんです。
   好きだった事にホッとしてるんです。すいません」

“怪物を最後まで好きだった事にホッとする” と言う天草の気持ちを考えると、やはり、天草自身も不安と悩みの中で放送を続けていたのだ。未だに天草が深志のことを「怪物」と言う意味。リリエは「あの人」なのに。深いなぁ。

やっと最終回で、鶴丸教授の本作での存在感が見えた

場面は、国立富獄大学農学部生命科学研究室。世間からの問合せの多さに、ついに電話線をハサミで切ってしまうのが鶴丸教授(柄本明)らしい。そこへ、稲庭先輩と深志と元気になった津軽がやって来る。

鶴丸「120年を経て、漸く君の恋人の命を救ったんだ」
深志「はい」
鶴丸「いや、博士が君と恋人を救ったんだ」
深志「そう思います」

鶴丸教授がさらりと言うこの↑言葉も、実に本作の根幹の部分を分かり易く説いている。簡単に言えば、正にそう言うことだ。それを深志も素直に受け入れているのもいい感じ。そして、深志から「鶴丸教授のお蔭です」と褒められた鶴丸が言うこの↓台詞が、深志研太郎(斎藤工)と同じ研究者である喜びを。

鶴丸「ハハハ。大先輩から嬉しい言葉を貰ったよ!ハハハ」

これまで、なかなか作品内で存在感を表せておらず残念だった鶴丸教授だが、最終回のこのシーンで大きな存在感を示したのが良かった。

特に深志の今後を懸念する姿が、何となく “実験動物” を見るかのように言ったのがとても印象的。やはり研太郎も鶴丸も研究者。物事の先に興味を示す。無理に優しく言わないのがリアルで良かった。

9話分と11分で、これまでの骨格部分がほぼ描かれた

場面は、いつもの公園の祠(ほこら)のお地蔵さまの前。これまで継美とサキを二階堂ふみさんが演じる違和感が拭い取れずに来たが、この↓シーンでだいぶ違和感が払拭出来た。そして、開始から11分。9話分と11分で、これまで描かれてきた本作の骨格部分がほぼ描かれた。

深志「津軽さん、これからどんなに大変でも僕は大丈夫です。
   僕に出来る事をやろうと決めました」
津軽「私はあなたに感謝しています。
   あなたは山部呼六さんであり、深志研さんです」
深志「はい」
津軽「私は、津軽継美であり、サキさんです。
   あなたが好きです、120年前から」

中には、最終回までに描いたことを最後に踏襲せずに、最終回の視聴率目当てで妙な見せ場を挟んだり、これまでの展開と不都合が出るような作品もあるが、作品の序盤で、しっかりとこれまでのまとめをしたのは良い。

こうすれば、あとはエンディングを楽しみに待つだけになる。こう言う不思議な緊張感が漂う作品は、こんな構成が合っている。ほら、スーッと入って来る挿入歌、Uruの「しあわせの詩」がしみじみと心に沁みわたって来るではないか…

初めて会話と心が擦れ違い、いよいよ最終回が動き出す

物語は、深志と津軽の恋愛成就から、深志研と言う “怪物” の存在が現代に齎(もたら)すシリアスな展開へ。稲庭工務店への発注が “怪物” のせいで減っていると言う。退社すると言い出す深志を止めて、全社一丸となって会社を立て直すと言う恵治郎の熱い思い。深志もこの↓気持ちで社長たちに答える…

深志「皆が幸せである事が僕の一番の願いですから。
   津軽さんも…」

と思いきや、この台詞には続き↓があった。深志が、寂しそうで少し冷たく醒めた瞳で津軽を優しく抱きしめながら言うこの↓台詞を、津軽は耳だけで聞いており、深志の瞳を見ていないと言うのが演出のツボ。

深志「大学で勉強頑張って下さい」
津軽「はい」
深志「幸せになって下さい」
津軽「私は幸せですよ」

2人の会話と心の内が初めてチグハグになっていく。いよいよ最終回が動き出した…

保健所と警察官を振り切る稲庭工務店を応援するしかない

ついに、世間の “怪物” への包囲網が深志を追い詰める。稲庭工務店の人たちは、深志を世間から守ろうと必死になるが、「予想できたこと」と深志は保健所の人間たちに連れて行かれることを、こんな↓ことを言って選択する。

深志「いつも皆さんの幸せを願っています。
   今まで本当にありがとうございました」

工務店を出て路地を歩き、パトカーが待機する見物人のたくさんいる交差点の保健所の車に乗りに行くシーンの映像は、警官も住民も緊張感があってなかなかいい感じ。そのまま深志が車に乗り込もうとした瞬間、深志の背後から大声で↓稲庭先輩が呼び止める。

稲庭「行かなくていいよ。行く必要ないって。
   これ以上人間の都合に合わせなくていいよ。
   研さんは、研さんの生きたいように
   生きればいいんだって。
   害を与えているのは、どっちなんだよ」

稲庭先輩の優しい言葉に一瞬決意を緩ませ振り返ると、稲庭が警官たちに押さえ付けられる。工務店の仲間たちも「逃げろ!」と警官たちに抵抗して、深志を保健所たち手から逃がそうとするが、なかなか上手くいかない。そこへ、美琴(川栄李奈)が車で登場。やはり美琴はいい奴だ。そのまま美琴は深志と逃走する…

美琴は、間違いなく本作のもう1人のヒロインだ

美琴の車は、深志が120年間眠っていた森のふもとに止まっている。美琴のことを「室園さん」と言う深志がずっと印象的だったが、このあとの台詞↓でその意味と価値が分かる。

深志「室園さん、ありがとうございました」
美琴「美琴って呼べよ」
深志「フフ…。稲庭先輩に"美琴"って呼ばれて良かったですね」
美琴「ハハ。余計なこと言ってんじゃねえよ」

「美琴さんに会えて幸せでした」と言う深志に、掛ける言葉が見つからない美琴が、「これは仲間の挨拶だ」と言って深志を抱きしめるシーンは、本日これまでで一番感動的。やはり、美琴は本作のもう1人のヒロインだ。そして、演じた川栄李奈さんの演技力も存在感も、綾野剛さんに負けず劣らず素晴らしい。

美琴と稲庭先輩のやり取りに、ちょっぴりほっこり…

深志を森に届けて来た美琴が、沼津中央警察署に連れて行かれて出て来た稲庭と再会する。この↓の会話もいい。美琴はすべてお見通しって感じと、こと恋愛については美琴の足元にも及ばない稲庭との会話。

美琴「津軽には知らせるなって。
   研は津軽の人生の邪魔をしたくないんだよ」
稲庭「残酷だな、それは」
美琴「だけど…、それが恋だろ。本当の」

この直後の、稲庭が美琴を「美琴」と呼ぶことに、嬉しくも戸惑って「こっちは、そっちを何て呼べば良いんだ?あっ、坊ちゃんか?」「殺すぞ?」と言い回しでじゃれ合う流れになるのも、ホッとさせてくれる。

どうも、本作は津軽継美の描写だけが手抜きっぽくなる

季節外れのお花畑少女みたいな恰好?の津軽には違和感満載だが、そんな津軽が自分を残して深志が山に行った事を知り、自転車で山に向かうが走って行ける距離なのか???どうも、本作は津軽継美の描写だけが手抜きっぽくなるのが、最終回まで気になってしょうがない。他が良いから余計に目立つ…

一方、ラジオ番組は打切り決定。後継番組には、天草のコーナーは無い事も同時に決定。「怪物みたいな番組を作りたい」と天草にまた一緒に番組をやりたいと声を掛けたラジオスタッフの “牛ちゃん” こと牛久(森岡龍)も、この一件で成長したようだ。

深志が立ち去った後に生えるキノコのCGが巧かった

ピクニックみたいな衣装で?山奥まで張り込んで来た津軽。そんな津軽の姿を木陰からじっと無言で見ている深志。しかし、深志は津軽に会おうともせずその場を立ち去ると、その木の根元には、あの小さなキノコ「アカナリカミタケ」が1つだけ生えた。深志の感情が強く動いた証しだ。今回のCGは巧いぞ。

二階堂さんの出番は早撮り風ばかりだから…

綾野剛さん、ブルゾンちえみ、とと姉ちゃんとひよっこのコラボ、三太郎が終わったら、何と物語は「一年後」に時間経過。相変わらず似合わぬカツラと衣装?の一年後の津軽。もう、津軽の外見を言及するのは止めよう。話は「アカナリカミタケもどき」が見つかったと言うニュースが鶴丸研究室にも届いた。

再び、森に入る津軽が、あっと言う間に「アカナリカミタケもどき」を見つけてしまうのはどうかと思うが、なんか都合が良いと言うか手っ取り早い段取りで、深志と津軽が再会。本来なら「劇的な再会」と言いたい所だが、二階堂さんの出番は早撮り風ばかりだから、どうしても物足りないのは諦めるしかないか。

深志の涙と冬の情景が、革命の継続を表した

CM明け。深志と鶴丸教授と稲庭先輩も再会。どうやら、津軽は深志に会いたい一心で山奥に入った訳でなく、鶴丸ゼミのキノコ狩りピクニックの延長で来たようだ。何だか36分過ぎの「一年後」から一気にパワーダウンしているが、残り10分程度が最高に心配だ。話は、意外な方向に展開する…

移動研究室みたいな車で全国の森に行って、あらゆる菌を採取、培養して大学に持ち帰り更に研究し、深志に新たな菌を探そうと言うのだ。

鶴丸「君自身が、君の博士になるんだ」
深志「僕が、僕の博士に?
鶴丸「これから君はどんな菌をこの世に放つとも限らない。
   出来れば優しい菌をたくさん作って貰いたい。
   そしてその菌を君自身が研究するんだ。
   もちろん、我々研究チームの一員として」
津軽「難病を1つでも無くすためです。
   これはあなたと命を繋いで行く事になります。
   それは私の夢です。一緒に革命を起こしましょう」

どうしても、津軽の言動に一貫性の無さと違和感を覚えるのだが、この↓深志の思いと鶴丸教授の思いで上手く着地した。

深志「僕は、人間の役に立てるんですね?」
鶴丸「それを、これから証明するんだ」

深志が研究者として人間に役立てる嬉しさから溢れ出す涙の価値の大きさと、冬の冷たい情景がミスマッチの妙で、私には単なる時間経過以上の、革命の継続を強く感じさせた。

天草のリスナーへの回答こそが、本作の言いたかったこと

どうやら、『天草に聞け』のコーナーも無事に再開されたようだ。ここで、天草がある女性リスナーからの相談に答えるシーン↓がある。今回はその部分を一言一句書き起こしてみる。

(ラジオ:女性)「私は最近他人に嫌われているような気がして、
      人間が怖くて外に出られなくなったんです」
(ラジオ:天草)「なるほどねぇ。
      取り敢えずそれなら外を街だと思わず、
      森だと思って出てみたらどうでしょうか?」
(ラジオ:女性)「森ですか?」
(ラジオ:天草)「別に他人と関わろうとしなくても良いんですよ。
      人と会ったらその人に自分が
      どう思われているかじゃなくて、
      その人も自分と同じじゃないかなって
      考えてみるんです。
      人間を怖がっているんじゃないかって。
      で、もしそう思えたら、その人に
      何て声を掛けてあげたいかを
      想像したら良いんですよ。
      人間が怖いって言うのは、
      そう言う想像力も働くことだと思うんですよね。
      怖がらなくても良いよって人に言いたくなったら、
      きっとまた自然に誰かを好きになれますよ」

そして、このラジオの音声をバックに、現在の稲庭工務店で働く人たちの様子や、研さんの部屋の扉の横にあった「深志研」の木彫り表札にズームインしていき、今度は深志がとある森の木に優しく触れる深志の後ろ姿にカットチェンジ。これえ、深志の家と仕事が明瞭に分かり易く描かれた。

美しい菌が舞う森、主題歌、エンドクレジットの三位一体

また、生命力に溢れている樹木を見つけて、深志と津軽が手を合わせて気に触れると、いい菌を生み出す木なのか判断できるようになったのだろうか。2人が木に触れた瞬間に、白い光が木の上まで登って行った。

そして、ドローン撮影で森を上空から見渡すカットでは、森一面に “美しく光る菌” が舞う…。これが本作のラストカット。これまで以上にエンドクレジット映像と RADWIMPSが歌う主題歌「棒人間」の歌詞が心に響いた。そして、改めて見ると、エンドクレジット映像の奥深さに驚かされた最終回だった。お見事!

あとがき

純愛純粋ラヴストーリーであると同時に、自分再発見・自分再構築の物語、また、人の出会いと関わりの物語でもありましたね。ラストも未来のあるエンディングで、本作らしくて良かったです。とにかく、綾野剛さん演じる「深志研」が素晴らしかった。あの研さんがいなければ、成立しなかったでしょう。
大ラスの数十年後のくだりも秀逸でした。名作ドラマと言わせて頂きます。

これで、ますます今秋に放送が始まる『コウノドリ 2』が楽しみです。
[朗報] 綾野剛主演『コウノドリ』10月連ドラで復活

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  • 2017-06-28│18:44 |
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