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ひよっこ (第71回・6/23) 感想

2017/06/23 12:47 記事更新
連続テレビ小説「ひよっこ」

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』公式
第12週『内緒話と、春の風』『第71回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


省吾(佐々木蔵之介)に続いて鈴子(宮本信子)にも、ないしょで由香(島崎遥香)への届け物を頼まれたみね子(有村架純)。「今度こそ喫茶代を払わない」と意気込んで行くが、由香の失礼な態度でまたもや嫌な気分に。誰にも言えず落ち込んでいると、秀俊(磯村勇斗)から意外なことを聞かされる。その夜、仕事終わりに省吾から誘われて連れていかれたのは、邦子(白石美帆)が切り盛りするバー「月時計」だった。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

いよいよ "人にはいろいろある" ってことを描く宣言か?

元治「いろいろあるよ、みんな」

11分過ぎの元治(やついいちろう)のこの↑台詞を正に描いた、いや、これから「赤坂編」で描きます…そんな脚本家・岡田恵和氏の宣言を改めて聞いたような15分間だった。

"要らぬ気遣い" がみね子らしい

6分過ぎ、言うか言わぬか散々迷ったみね子(有村架純)が、鈴子(宮本信子)のことを案じて、由香(島崎遥香)が言っていないことを鈴子に言う。そう、みね子が嘘をつくのだ。そんなみね子が↓反省をする。

みね子(M)「鈴子さんは私の嘘に気付いているように思いました。
      何だか私は、
      すごく失礼でいけないことをしてしまったようで…
      嘘はダメですね。ごめんなさい」

ここのみね子の “要らぬ気遣い” はみね子らしい。どうもここんとこ、特に舞台があかね荘になると現代劇風な立ち回りをするみね子に違和感を覚えていたから、やはりすずふり亭を舞台に、みね子の素性を知る人物たちとの関わりで描かれるみね子の方が見ていて安心できる。あとは、こう言うのが続くのを祈るばかりだ。

省吾がフライパンを洗うインサートカットが効果的だった

で、次の舞台はコント用のすずふり亭の店の裏の広場。なのに、今回はみね子のモノローグ↑を受けて、コント仕様から脱却して、劇伴と合わせて『ひよっこ』らしい私の好きな雰囲気に。まずは、「内緒」「秘密」の一部ネタ晴らし。こんなの引っ張っても誰の得にもならないから、さっさと進めるのが正解。

労働者の物語なのに、休憩と賄いばかりだったから、編集で省吾(佐々木蔵之介)がフライパンを洗ってる手元と表情を割と長めの尺で2つインサートカットしたのも良い感じ。前回で、久し振りの東京タワーが尺も長めにインサートした演出の渡辺哲也氏の粋な計らいと書いたが、今回も編集が効いてる。

これがあると無いとでは、その後の省吾がみね子をバーに誘い出す気持ちの “重さ” が俄然と違ってくる。こう言う演出は良いのに…。愚痴は、あとまで取っておく…

柏木堂がすずふり亭に寄り添って親子の物語の舞台に…

また、柏木堂の息子・ヤスハル(古舘佑太郎)が由香と幼馴染だったこと、父・一郎(三宅裕司)とは実の親子でなく “もらいっ子” であることが明かされた。ポカーンと口を開けて一郎の打ち明け話を聞くみね子のインサートカットも絶妙なタイミング。

一郎「で、子ども余ってて貧乏な親戚の俺が貰われたって訳」

具体的な境遇は異なれど、生まれた環境がその人物の将来を決めてしまい、その中で翻弄されつつ踏ん張って生きているのは、“農家の三男坊” の運命を背負って生きてる三男(泉澤祐希)の生き様と重なる設定だ。こうなると、三男と三男の母・きよ(柴田理恵)、ヤスハルと一郎、何となく俳優の配置も似ているような…

若干セピア色の演出をした柏木堂の親子の回想もいい。声が聞こえないのに一郎の声が聞こえてくるように見えるのは、三宅裕司さんの演技力。

みね子「すみません。今、頭がいっぱいになっちゃって、
    元治さんのことまで入んないです」
元 治「何で、俺のことだけ入んないのよ」

こう言う良い雰囲気や流れをきっかけに、柏木堂がすずふり亭に寄り添って描かれ、親子の物語の面白おかしく泣ける舞台になることを、期待したい。

「BAR 月時計」のスタジオセットも味わい深い

労働の場面が無いのは気になるが、舞台は仕事が終わった後の飲み屋街。今回は先の広場といい、エキストラが丁寧に配置されていい。どうしてもあかね荘は狭苦しい画になるから、同じスタジオセットでも屋外設定の際は、このような演出の配慮は映像的に現実味や時代を描くのにとても効果がある。

今回の「BAR 月時計」の看板やカウンター内のおしぼり機なんて、それこそ昭和の40~50年代に私の母がやっていたスナックを思い出して懐かくなった。バックバーに並んだお酒のボトル群も、何となくあの商品?と思わせるデザインになってたり。また、劇伴がオルゴールと時計の時報の音をアレンジした楽曲なのも洒落ている。

ラストの時計の音の演出がドラマチックで良かった

邦子「東京にはさ、日本のいろんな所から
   出て来た人たちがたくさんいるでしょ?
   で、お国なまり話せなくて寂しい思いしている人たち
   たくさんいると思うんだ。
   で、もしお酒飲みに来てちょっとでも喋れる人たちが
   いたら嬉しいんじゃないかなってね思って。企業努力」

邦子(白石美帆)のこの↑台詞も、いつぞやの鈴子が実(沢村一樹)や美代子(木村佳乃)に寄せた、東京の人たちが地方から出て来た人たちへの優しい思いに繋がる。これ、あかね荘は暫くお休みにして、由香を上手く使って東京の人たちの思い、親と子の気持ちを描けるかも?

店内の壁の時計は(多分)すべて「10時35分」で、みね子たちが入店してから分針が動いていない。実は、時計の振り子が動いていないのだ。しかし、最後に省吾が「何か話したいんだよ、みね子に」と行った時には、時計の時報と秒針の音が、意味深に効果音的に入って終わる。なかなかドラマチックなラストだった。

なぜ「明細書」で勘定が加算されたのを描かなかったの?

ここまで褒めておいて言うのも何だが、今日は良い演出が多かっただけに気になったのが、前回でも登場した「明細書」、勘定の表現だ。前回で切迫したみね子の懐事情を描いて、今回の4分過ぎに喫茶店内で2度目の「明細書」。だったら、ここは、6分過ぎに鈴子がお駄賃を渡した時に、なぜ「明細書」を出して加算しない?

で、みね子は、そんなの貰うつもりはない罪悪感と、加算されてホッとした台詞でないのか?そう言うのが『ひよっこ』らしさでないのか?恐らく、「明細書」の表現は演出家の判断。みね子の台詞は「いや、こんなに。すみません」しかない。こう言う部分で脚本と演出が一体化されていると面白味が増すのに。

まあ、まだ3か月以上はあるから、その辺の共同作業の妙も見せて頂きたいものだ。

あとがき

未成年の従業員を仕事終わりにバーに誘うなんて、今では許されませんが、こんなのも、いろいろいい加減だった昭和を表してるなぁなんて、好意的に見てました。特に家族経営の店や会社は、良くも悪くもおおらかな時代。そんなのを楽しんだ第71回でした。

最後に。前回の感想に、77回ものWeb拍手を頂き、ありがとうございました。みね子がお駄賃を貰えて良かったです。やはり、あかね荘が入らず、すずふり亭と関係者だけのほうが、ドラマが引き締まりますね。という訳で、当blogは、まだまだ引き続き本作を応援します。

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【これまでの感想】
[妄想] 「ひよっこ」の昭和40年と言う時代設定に、再び“名作の予感”(2017/05/04)
[訂正] 「ひよっこ」第36回で、みね子がビーコロを食べたのは "初任給" でした(謝)(2017/05/14)
「ひよっこ」を2か月間観終えて、今思うこと…(2017/05/28)
「ひよっこ」の“青天目澄子”と演じる女優・松本穂香に注目してみた(2017/06/05)
「ひよっこ」は視聴者の“好意的な解釈”に頼らないで欲しい(2017/06/12)

第1週『お父ちゃんが帰ってくる!』
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第2週『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』
7  8  9  10  11  12
第3週『明日(あす)に向かって走れ!』
13  14 15  16  17  18
第4週『旅立ちのとき』
19  20  21  22  23  24
第5週『乙女たち、ご安全に!』
25 26 27 28 29 30
第6週『響け若人のうた』
31 32 33 34 35 36
第7週『椰子(やし)の実たちの夢』
37 38 39 40 41 42
第8週『夏の思い出はメロン色』
43 44 45 46 47 48
第9週『小さな星の、小さな光』
49 50 51 52 53 54
第10週『谷田部みね子ワン、入ります』
55 56 57 58 59 60
第11週『あかね荘にようこそ!』
61 62 63 64 65 66
第12週『内緒話と、春の風』
67 68 69 70

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コメント

No title

今日はお金の件も代金プラスα貰えたし、休憩時間に行かせた事も謝ってくれたりと
よかったなと思います。
高子さんがミルクティーで鈴子さんを励ましているシーンありましたね。こんな気遣いしてくれたら嬉しいです。さすがだな高子さん、この人好きですね、職場にいて欲しい人です。
明日は娘さんの事とか色々と語られるのでしょうね。今回の出来事を通してみね子も少し成長出来たでしょうか?明日も楽しみです。

Re: No title

☆舞子さん
コメントありがとうございます。

再び、面白くなる気配が出てきましたね。
やはり、少しは何か起きないと…

今日心に残った台詞

鈴子さんの「えっ・・・」「・・・そう。」でした。これだけで、みね子の伝言に驚き、即嘘と気づいたものの、それもみね子の優しさとして受け容れる鈴子さんの心情が伝わってきました。
ただこれは、宮本信子さんの素晴らしい演技力の賜物。
みっきーさんがおっしゃるように「脚本と演出の一体化」が感じられるシーンをもっと観たいですねぇ。

Re: 今日心に残った台詞

☆塩うにさん
コメントありがとうございます。

今回を見て、「脚本と演出の一体化」となる日は、再び来ると思いました。
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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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