ひよっこ (第70回・6/22) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』(公式)
第12週『内緒話と、春の風』『第70回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
みね子(有村架純)は、啓輔(岡山天音)と祐二(浅香航大)に「みね子様」とあがめられるようになり困っていた。漫画を読んだときの愛想笑いを「ウケた!」と勘違いされたらしい。「本当はおもしろいと思っていないのに…」と悩んでいると、島谷(竹内涼真)にあるアドバイスをされる。ある日の休憩時間、省吾(佐々木蔵之介)に届け物を頼まれたみね子は、省吾の娘・由香(島崎遥香)に会いに近くの喫茶店に向かうが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
前回とキッチリと切り分けると思いきや…
前回の感想に、読者のちるちるさんから「よく今日の15分でここまで書けましたね。脱帽です」との(お褒めの?)お言葉を頂いた私だが、流石に前回の15分ではエピソードに締まりがないが、翌日も続けては観たくないと言う複雑な気持ちで臨んだ第70回。
『おはよう日本』明けは、桑田佳祐さんの軽快なナンバー「若い広場」のオープニング映像で、前回とキッチリと切り分けると思いきや、ナント漫画家志望の住人の話の続きとは驚いた。
「見ていなかった方のために」は必要だったか?
それも、日にちも時間も変わって、みね子(有村架純)が労働終了後の夜って設定。どうやら、岡田恵和氏は私のアドバイスを無視して、何が何でも新たな登場人物の紹介を、ヒロインの第一目的である「労働」より描きたいようだ。じゃあ、やるならとことんやってみろと思っていたら…
N「見ていなかった方のために、
実はこんなことがあったんですよ」
まさか、語りでこんなこと↑まで言わせて、二度も描くとは!確かに人物紹介としてはシュールなコント風で工夫されてはいたが、前回も書いた通りに、“今日の15分、間違いなく、見なくてもこの先の物語の理解に影響を与えないような、(つまらないではなく)くだらないエピソード” なのに。
それなら、私もみね子の「お父さん…。つまんないです…」の言葉を借りて、岡田恵和氏に言っておこう。応援団の1人として…
みっきー「岡田さん…。つまんないです…。今のは嘘です。
ちょっと苦言を呈した方がいいかなと。
頑張って…下さい…」
桑田さんも、今日は出番が遅すぎます…
みね子は、母から一通りの台所仕事は教わってないのか?
主題歌明け、まだ漫画の話が続いていることにも驚いたのだが、それよりも意外に感じたのが、火に掛かったやかんからお湯を直接急須に注いだみね子だ。そう言う作法とまで言わない常識は、母・美代子(木村佳乃)から一通り教わって来たと勝手に解釈していたが…
以前、省吾(佐々木蔵之介)に谷田部家手製のおせちの味を聞かれて時に答えられなかったことも合わせると、意外とみね子は台所仕事はやってなかった、と解釈を変更した方が良いのだろうか?また、島谷(竹内涼真)に「美味しい」と言われて、みね子が照れながら言うこの↓台詞も私には違和感が。
みね子「一番安いやづですけど、すみません」
これまでのみね子なら、島谷が珈琲通なのを知っているのだから、ここは値段を恥じるのでなく、「私の淹れ方、上手ですか?」位が丁度良さそうだが。まあ、あの淹れ方では言えないか。どうも、「赤坂編」になってから、みね子のキャラクターがブレてるのがとても気になる。他にも最近気になることがあるが、それはあとで…
それにしても、みね子が島谷にキュンとしようがしまいが、漫画家のくだりを15分の半分以上8分間も描く必要があったのだろうか?語りでも「残念」と言ってるほど残念なくだりなのは、岡田氏もついに自虐ネタってこと?
休憩時間の従業員に私用を頼む経営者家族には閉口だ
やっと、漫画が一段落したら、久し振りの東京タワー。それも尺も長めに約5秒。演出家も編集室で気分転換が必要だと感じたに違いない。いや、「向島電機編」で、乙女たちの夏の海の思い出を演出した渡辺哲也氏の粋な計らいと信じよう。
暗いアパートのシーンが2日間で20分以上も続いたのだから、演出家なら明るい日差しの差し込むすずふり亭の店内の、ランチ時の繁盛っぷりと頑張って働くみね子を挿入したいと考えても、脚本にはまた「休憩」を書いてあるって訳だ。それも、休憩時間に経営者家族が私用の用事を頼むと言う快挙?いや閉口だ。
閉口するには訳がある。他の従業員には内緒で頼んだことと、従業員の労働を軽率に捉えている節が見え隠れしたからだ。第64回で、みね子がメニューを持ち帰り勉強したいと行った時、鈴子(宮本信子)はこう↓言ったはずだ。
鈴子「仕事って言うのはね、
決められた時間内だけするもんなの。
その分しか、私、給料払ってないよ。
時間内に精一杯働く。終わったら忘れる。
でないと良い仕事は出来ないよ。
嫌になっちゃう。私は、そう思う」
しかし、省吾がやったことは、明らかに公私混同だし、今の時代なら一種のパワハラ。もちろん、そんな思いで脚本家が書いていないことは百も承知だが、この先の展開にサプライズ感を出すために、鈴子と省吾のキャラクターを捻じ曲げるのは頂けない。
みね子にお駄賃でもあげればマシだったが…
その上、死別した奥さんとの間の娘と上手くいっていないからと言う理由?で、父が失踪中のみね子に仲違い的なことを頼むのは、普通は出来ない頼み事では?それに、頼むなら一番の適任者である高子(佐藤仁美)にしないのは不自然過ぎる。
また、前回登場した明細書は面白かったし意味があったが、二度目の明細書はどうだろう?あれで笑え、みね子かわいそーなんて思えと言うのは強引過ぎる。せめて、省吾も鈴子も休憩時間に私用をみね子に頼む時に、昭和40代と言う公私混同が意外と普通だった時代を考慮して、お駄賃でもあげたら良かったのに。
「赤坂編」からの新要素が活かされないから、物足りない
では、最近気になることを書いておく。1つは、時子(佐久間由衣)と愛子(和久井映見)が殆ど登場しないこと。向島電機を出てから姿が見えない。それこそ、あかね荘の住人が個性的なんだから、向島電機に綿引(竜星涼)と雄大(井之脇海)が突然訪問したように、時子と愛子が『突撃!隣の晩ごはん』で一波乱なんてのは良くないか?
もう1つの気になることは、みね子の給料と給料日のこと。例の少ない給料から毎月1品ずつすずふり亭の洋食を食べて、最後には家族みんなで…ってあれ。「賄い」の時間は描くのだから、賄い食でも良いから描けば「お父さん…」も活きて来るはずだ。また、給料日に何かあっても良い気がする。
結局、騒動に頼らずに日常を丁寧に描くのは悪いことではないのは今も同じ。ただ、更に下がった給料、目の前にある洋食、一人暮らしと言う「赤坂編」からの新要素が活かされていないから、物足りないのだ。1つ屋根の下の出来事は「向島電機編」で済んでるんだから。
あとがき
前回は、結構頑張って応援しましたが、今回の15分は頂けません。どうして、奥茨城の家族に仕送りするために働くみね子を、小馬鹿にするような描写を挟んだんでしょう?やりたいのは分からなくもないですが、健気なみね子に感情移入している私としては、作品の方向性が変わってくるようで心配な15分間でした。
最後に。前回の「どうでも良いような漫画家のくだりをガッツリと解説した」感想に、93回ものWeb拍手を頂き、ありがとうございました。今日のみね子は、かわいそうでした。由香(島崎遥香)はどう言う人物なのか?好き嫌いが分かれそうですね。という訳で、当blogは、まだまだ引き続き本作を応援します。
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【これまでの感想】
●[妄想] 「ひよっこ」の昭和40年と言う時代設定に、再び“名作の予感”(2017/05/04)
●[訂正] 「ひよっこ」第36回で、みね子がビーコロを食べたのは "初任給" でした(謝)(2017/05/14)
●「ひよっこ」を2か月間観終えて、今思うこと…(2017/05/28)
●「ひよっこ」の“青天目澄子”と演じる女優・松本穂香に注目してみた(2017/06/05)
●「ひよっこ」は視聴者の“好意的な解釈”に頼らないで欲しい(2017/06/12)
第1週『お父ちゃんが帰ってくる!』
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第2週『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』
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第3週『明日(あす)に向かって走れ!』
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第4週『旅立ちのとき』
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第5週『乙女たち、ご安全に!』
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第6週『響け若人のうた』
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第7週『椰子(やし)の実たちの夢』
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第8週『夏の思い出はメロン色』
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第9週『小さな星の、小さな光』
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第10週『谷田部みね子ワン、入ります』
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第11週『あかね荘にようこそ!』
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第12週『内緒話と、春の風』
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