ひよっこ (第59回・6/9) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』(公式)
第10週『谷田部みね子ワン、入ります』『第59回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
みね子(有村架純)は鈴子(宮本信子)に保証人になってもらい、あかね荘に部屋を借りる。乙女寮で年末を過ごし、引っ越しは年明けにすることに。愛子(和久井映見)と2人で大掃除をして寮を磨き上げると、もうすぐなくなってしまうのかと悲しい気持ちになる。すると愛子が「寂しい気持ちはあるけど悲しくはない」と話し始める。そして元旦の朝、お年玉袋を手渡されたみね子はその意外な中身を見てびっくりする。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今週は、12月27日からを丁寧に描いてる
事情が事情だからクリスマスを描かずに、月曜日が昭和40年12月27日で、みね子(有村架純)が契約しているのが29日で、大掃除が30日、大晦日、元旦と、金曜日までかなりじっくり丁寧に描いてる印象の第10週。
丁寧なのは、本編の描写や表現にも表れていた。例えば、「あかね荘見取り図」のアニメーションと「語り」もピッタリ。判子を押す効果音もあるとないとでは大違い。
みね子のキャラが “奥茨城村仕様” に戻った
だが、この序盤でもっとも丁寧で驚いたのが、みね子のキャラクター。ここ数日は随分図々しい印象の鼻に付くキャラに変わってがっかりしていたのに、今回のみね子はおっとり、のんびりしてはいるが、真面目で感謝する気持ちのある家族思いのあのみね子に戻ったこと。
みね子(M)「すずふり亭の鈴子さんが
保証人を買って出てくれましたよ。
ありがたいです」
こう言う↑のがみね子だよね。厨房に勝手に入って行くのはみね子じゃない。この辺の脚本家のブレがある限り、まだまだ安心は出来ないのだが(もう2か月以上放送されているが)、奥茨城でのみね子がいる限りは、応援したくなる…それが『ひよっこ』だ。
入居手続きもアップの使い方でこんなにドラマチックに
契約書の署名、捺印、部屋の鍵と、なんてことはない入居手続きもアップの使い方でこんなにドラマチックになるんだなと、ちょっぴり感心。そのあとの住居人の紹介も本人は登場させずに、大家の富(白石加代子)の個性をふんだんに利用して、台詞だけで想像させるなんてのも、意外に面白かった。
やはり、「奥茨城編」の柴田理恵さんと「すずふり亭編」の白石加代子さんみたいな芸達者な女優さんが脇にいるだけで、物語がギュッと引き締まる。「向島電機編」でも和久井映見さんの上に、そんな登場人物がいたら、また印象が違ったかもしれない…なんて、ふと考えてしまった。
コミカルな愛子をいつまで見られるかと思うと寂しい…
場面変わって、もうすぐ取り壊される乙女寮。みね子と愛子(和久井映見)が乙女寮の大掃除を楽しそうにしている。玄関への正月飾りでの愛子のコミカルな動作もいつまで見られるかと思うと寂しくなる…なんて思って見ていたら、こんな↓やり取りが始まった…
みね子「でも、無くなっちゃうんですねえ、もうすぐ」
愛 子「ん?」
みね子「ハハハ…。悲しいなあ、何だかやっぱし」
愛 子「そう?私は、悲しくはないな」
みね子「ん?」
愛 子「寂しいなぁとは思うけど、悲しくはない。
ここも何かに生まれ変わるんだよ。
何が出来るんだろうね、ここに。ねっ、楽しみ」
この前向きな愛子の性格が、乙女たちの心の支えになったのは言うまでもない。そして、今もみね子の大きな支えにもなっている。乙女寮が無くなるのが一番寂しいはずの愛子の、この前向きな姿勢って、実に1日の始まりに観る朝ドラらしいのでは?
愛子の本音がポロリと零れた、いいシーン
場面は大晦日の夜。紅白歌合戦の映るテレビに向かって小さく拍手するのもみね子らしいし、そんなみね子を見逃さずにチョンとみね子に触れる愛子もいい感じ。本当の姉妹、本当の母子のような2人の関係が丁寧に描かれた。除夜の鐘と新年の挨拶も、きちんとコミカル仕立てにしてあったから、冴えたのが就寝シーン。
愛 子「こんな娘がいても、おかしくないんだよね、私。
ありがとう… 楽しかった…」
みね子「(寝言で)お母ちゃん…」
愛 子「ごめんね。私に付き合わせちゃったね」
婚約者を戦争で亡くしている愛子の本音がポロリと零れた、いいシーンだ。そして、みね子の「お母ちゃん…」の寝言で、更にいろいろ思いを巡らせる愛子。今回は、ホント丁寧でいい。
「お年玉」が往復の切符だったとは、これまた洒落たお話
そして、昭和41年1月1日の朝。大家の富のものまねをするチャーミングなお姉さん愛子が、私の “妄想” 通りにみね子に「お年玉」。しかし、帰省するためのお金だと妄想していたが、往復の切符だったとはこれまた洒落たお話だ。今でこそ切符はネットで自由に買えるが、昭和は窓口で買う時代。
そんな手間暇のかかる時代設定を上手に使って、わざわざ元日の朝に早起きして切符を買いに行った愛子と、愛子の気遣いにゆっくりお礼も言えずに、↓みたいにサラリと感謝と伝え、愛子の優しさも十分に伝えた。
みね子「ありがとう、愛子姉ちゃん!」
愛 子「ほら、急げ、みね子!」
今回の内に、奥茨城村に到着したのは正解
場面は、奥茨城村の谷田部家。鈴(りん)の音で始まったのが、これまたいい感じ。静かな谷田部家の正月の夜…に、突然みね子が帰って来る。金曜日の最後は電車中のシーンで、帰宅は土曜にしなかったのは正解。愛子から直結した方が、断然愛子の心遣いがダイレクトに見えるから。今回の15分間はなかなか良かった。
あとがき
どうやら、すずふり亭で働き出すのは、往復乗車券の有効期限が「4日」と切符に書いてあったから、乙女寮に戻るのが1月4日。それから引越し支度して…となると実際に働く日付けはだいぶ先のようですね。でも、既にすずふり亭で働くのは既定路線ですから、「奥茨城編」は土曜日1日限定になりそうですね。
明日の15分間で、みね子が自分の現状をみんなにどう話すのか?その辺が見所になりそうです。そして、週明けから本格的に始動する「すずふり亭編」で、またみね子のキャラが “図々しい東京娘仕様” にならないことを願うばかりです。
最後に。前回の「白石加代子さんと和久井映見さんの存在感に脱帽した」と言う感想に、91回ものWeb拍手を頂き、ありがとうございました。今回は丁寧で良かったです。昭和の頃は「ボロは着てても、心は錦」なんて言葉が普通でした。そんな日本を思い出しました。という訳で、当blogは、引き続き本作を応援します。
【佐藤仁美さんの出演情報】
今夜、6/9の24時12分から放送予定のテレ東系『孤独のグルメ Season6』の第9話、佐藤仁美さんがスペイン料理店の奥さん役で出演されます。すずふり亭の看板娘とは違った演技をしてくれるのではないかと期待しています。良かったらご覧になって下さい。
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NHK連続テレビ小説 ひよっこ 上
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【これまでの感想】
●[妄想] 「ひよっこ」の昭和40年と言う時代設定に、再び“名作の予感”(2017/05/04)
●[訂正] 「ひよっこ」第36回で、みね子がビーコロを食べたのは "初任給" でした(謝)(2017/05/14)
●「ひよっこ」を2か月間観終えて、今思うこと…(2017/05/28)
●「ひよっこ」の“青天目澄子”と演じる女優・松本穂香に注目してみた(2017/06/05)
第1週『お父ちゃんが帰ってくる!』
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第2週『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』
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第3週『明日(あす)に向かって走れ!』
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第4週『旅立ちのとき』
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第5週『乙女たち、ご安全に!』
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第6週『響け若人のうた』
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第7週『椰子(やし)の実たちの夢』
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第8週『夏の思い出はメロン色』
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第9週『小さな星の、小さな光』
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第10週『谷田部みね子ワン、入ります』
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