[読書] 困ったときは、トイレにかけこめ! アドラーが教える こころのクセのリセット術 (星 一郎/著・晶文社) 感想

上から目線で「ああせい、こうせい」言う本ではない
本家?の青い表紙の『嫌われる勇気―自己啓発の源流「アドラー」の教え』は読んだのだが、納得できる部分とそうでない部分が混在して、類似本も読んだがイマイチ。その上、連ドラ『嫌われる勇気』(感想)を見て、更に私自身の解釈がおかしくなり、何とか軌道修正できないかと手にしたのがこの本。
著者は、御年75歳で日本にアドラー心理学が紹介された当初からの研究・啓発に携わる第一人者。アドラー理論によるカウンセリングや子育てアドバイス等の著書が多い。従って、内容も上から目線で「ああせい、こうせい」言う類で無く、本書のゆる~い表紙のデザインから想像できる優しいタッチの内容。
悩み苦しむよりも、まずは「行動してみる」こと
本書の基本的なスタンスは “大丈夫、なんとかなります!” と言うもの。悩み苦しむよりも、まずは「行動してみる」こと。すると、「なんとかなるかも?」と思えてくる。人間はそう言う風にできているってお話が、様々なケースを例に挙げて、その具体的な「行動の仕方」が分かり易く書いてある。
例えば…
●『今日の私のいいところ』を見つけて書き出してみよう
●「私」が主語のいい方なら支配欲が表れにくい
●今日一日の出来事を振り返って、「人に助けてもらったこと」ややってもらってありがたかったこと」を書き出してみる
●「仲間」のために自分がどれだけ貢献しているかを書き出してみる
常に柔軟な心を。それが問題をさらりとかわす行動力に
要は、今の世知辛く生き難い世の中で、くよくよ悩むより “逃げるが勝ち” の如く「行動」すること。そして、人間は持ちつ持たれつと考えて、一人で抱え込まない。もちろん、完璧にこなすなんて考えない。まず、相手の気持ちを想像するイマジネーションを持って、いつもと違う「コト」をしようと。
思考を固定せず、常に柔軟な心でいることが、何かの問題にぶち当たった時に、さらりとかわす「行動してみる」が出来る “勇気” に繋がると。私にはそう読めた。すぐにでも実行できる「こころのクセのリセット術」の本。アドラー関連書の1冊目としてもお薦めできる。
あとがき
内容がすんなりと入ってきました。読者対象は、仕事や恋愛や結婚など様々な人間関係に悩む女性向けですが、フリーランスの既婚オジサンが読んでも十分に読み応えがありました。アドラー心理学の実践的入門書として読んでも面白いですし、カウンセリング本として読んでも役に立つと思います。
この記事を読んで「読んでみようかな?」と思ったら、即行動です。行動しなければ、何も変わりませんから。
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