ひよっこ (第50回・5/30) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』(公式)
第9週『小さな星の、小さな光』『第50回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
工場閉鎖が決まり、仕事を見つけた工員たちは新しい職場へと移っていく。彼女たちを笑顔で送り出す愛子(和久井映見)。その姿を見たみね子(有村架純)たちは、一番つらい思いをしているのは愛子だから、自分たちもずっと笑っていようと約束する。そして、それぞれが転職活動を始めることに。両国にあるせっけん工場の面接を受けたみね子と澄子(松本穂香)が結果を待っていると、社長の原田(諏訪太朗)が寮を訪ねてくる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
愛子のみね子への無茶振り、あと何回見られるんだろう…
今回は、桑田さんの主題歌でなく、ティンパニーの印象的な劇番で始まった第50回。やはり「向島電機の終わりの始まり」を強調したスタートだ。前回が11/28で今回が工場閉鎖を9日後に控えた12/11。給料が下がった時点で再就職先を探し始めた3人が工場を辞めて行く。
こんなのわざわざ描く必要は無いように感じるかもしれないが、「普通」を描く本作としては、こんなことも至って「普通」のこと。むしろ、女工さん全員が向島電機に思い入れたっぷりで、最後の最後まで涙々で一緒に働くなんてのがウソ。
そんな「普通」の別れのシーンで、いつもの愛子(和久井映見)のみね子(有村架純)への無茶振り。この無茶振りもあと何回見られるのだろう?と見ていると、物語は “愛子の笑顔” にシフトしていく…
脇役の将来にも最後まで光を当てて描くのが『ひよっこ』
が。ここからの表現が実に本作らしくて興味深い。食堂の場面から部屋でのトランプ遊びまでで、みね子たちは、一番辛い思いをしているのは愛子だから、自分たちもずっと笑っていようと約束したことと、各人が転職活動を始めたことを、全てみね子のモノローグで処理をした。
これまでなら、人知れず部屋で一人で泣く愛子のカットや、6人が話し合うかっとなど混ぜながら、10分間くらいは使って笑いあり涙ありで描いていたのに、今回はモノローグであっさり風味。その後の転職活動のくだりも、基本的にはみね子のモノローグ。
これ、好みが分かれる作風だ。なぜなら、みね子と時子(佐久間由衣)以外の4人に興味関心の薄い視聴者には不要だから。それに「すずふり亭編」以降の新キャストも既に発表済みのため、愛子以外の「向島電機チーム」は再登場の可能性は薄い。
しかし、こんな脇役の将来にも最後まで光を当てて描くのが『ひよっこ』風。「普通の人」にもそれぞれ大切な将来があるってことを描いている、そう信じてる。そんな場面での愛子の「あら、ババ抜き?嫌い」が、益々愛子の存在を印象深くしていく。もうすぐ退場なのに…
でも、別れが決まってからの方が、その人の良さや優しさや気遣いが、つくづく心に深く沁みて来るってないだろうか?転勤や結婚で辞めて行く上司や同僚や部下なんかに…。恐らくこれも「普通」のことを描いているんだ。
「みね子、澄子行っちゃダメだ!」とテレビを揺さぶった
そんな普通の日常に、ついに「非日常」がやって来た。みね子と澄子(松本穂香)が面接を受けた石鹸工場の社長・原田(諏訪太朗)のこの↓一言だ。
原田「閉鎖してもらって助かったよ。アハハハハ」
タイミングよく、みね子が澄子の手を握り締めるカット。何となく原田社長に不安が募ったのはみね子だけじゃないはずだ。そして、更に追い打ちを掛けるこの↓一言も。
原田「バウムクーヘン!400円もしたんだから。アハハハハ」
本作を好意的に見ている全国の視聴者が一斉に、銭ゲバ社長を見て「みね子、澄子行っちゃダメだ!」とテレビを揺さぶったのでは?まあ、直後の愛子のフォローに私も心を落ち着かせたが。それにしても、数十秒の登場で爪痕を残した諏訪太朗さんのスゴサに感服だ。
「お世話になりました」にホッコリ…
久し振りに、みね子と時子の2ショットのシーン。みね子の就職先が時子と同じ向島電機に決まったあの夜の牛舎を思い出した。不安でいっぱいの気持ちを “がんばる” ってことで、互いに支え合い乗り越えようとする2人の関係は、あの時とおんなじだ。「お世話になりました」がホッコリした土手のシーンだった。
いつもの「お父さん…」と違うモノローグの意図は?
夜、身体が弱かった優子(八木優希)が田舎に帰ることをみんなに伝える。優子の言葉から、働きたい所で働きたい人たちと働ける幸せ、いや働けることの幸福感がじんじんと熱く伝わって来た。
みね子(M)「お父さん。笑っていようって決めたけど、
やっぱり泣いてしまうこともありました」
ところで、この↑みね子のいつもの「お父さん…」で始まるモノローグだが、今回はいつもと少し違う。いつもなら「泣いてしまいました」と過去進行形なのに、今回は過去形。いやもっと時間が経ってる感じの過去完了形にも聞こえる。これ、どう言う意図なんだろう?
あとがき
温かい友情を描いた15分間でしたね。終盤での優子の言葉に肩を寄せ合って泣く乙女たちの姿に、座敷童のことや手拭いのことだけでなく、最初の夜のことから走馬灯のように思い出した人がたくさんいたでしょうね。決してドラマチックでないけれど、誰にでもありそうな、あった出来事を丁寧に描く。これで良いと思います。
また、日曜日に書いた「2か月間の総括」に102回、前回の感想に99回ものWeb拍手を頂き、ありがとうございました。とても切ない物語になっていますが、どこかほんわかしているし、元気を貰えますね。私もこれから東京に仕事に行ってきます(千葉のお隣ですが)。仕事がある幸せを噛み締めて…
と言う訳で、当blogは、引き続き本作を応援します。
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【これまでの感想】
●[妄想] 「ひよっこ」の昭和40年と言う時代設定に、再び“名作の予感”(2017/05/04)
●[訂正] 「ひよっこ」第36回で、みね子がビーコロを食べたのは "初任給" でした(謝)(2017/05/14)
●「ひよっこ」を2か月間観終えて、今思うこと…(2017/05/28)
第1週『お父ちゃんが帰ってくる!』
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第2週『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』
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第3週『明日(あす)に向かって走れ!』
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第4週『旅立ちのとき』
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第5週『乙女たち、ご安全に!』
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第6週『響け若人のうた』
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第7週『椰子(やし)の実たちの夢』
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第8週『夏の思い出はメロン色』
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第9週『小さな星の、小さな光』
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