ひよっこ (第44回・5/23) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』(公式)
第8週『夏の思い出はメロン色』『第44回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
みね子(有村架純)たちは、洋品店で水着を買ってくる。早速部屋で見せ合いながらはしゃぐが、高い買い物をしてしまったことを申し訳なく思う。家族への手紙でも海水浴に行くことをわびるみね子。一方、みね子に会いに寮へ来た綿引(竜星涼)は、自分が急に現れるとまた心配をかけてしまうと、中に入ることが出来ない。コーラスの練習を終えて帰る雄大(井之脇海)をつかまえて、みね子の様子を尋ねることにするが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今回こそ、母親たちが集まって泣いたら良かったのに…
うーん、みね子(有村架純)や時子(佐久間由衣)が手紙や葉書を書くのは良いのだが、ここで谷田部家と助川家を個々に尺を取って描いてしまったから、先日の「奥茨城村女子会」の開催理由が益々不自然になってしまった。劇中では「東京で働く子供たちを思って泣きたいから集まった」んじゃないのか?
それなら、なぜ今回も集まって泣かないの?そう言うことになる。毎回女子会では飽きるから?いや、だから、あの時開催する「理由付け」をすべきだと書いたのだ。条件が同じなのにやったりやらなかったりは、ドラマとして不自然なだけ。やる時はやるから “お約束” になって面白いのに。
「盆休み」で、大盛り上がりしてこそ本作では?
それに、今回の奥茨城の描写でもう1つの不自然さは、帰省と言う行事に於いて、帰る側(みね子)よりも待っている側(美代子たち)の方が、何倍も心待ちにしているのではないかと思うのに、美代子(木村佳乃)や君子(羽田美智子)の反応が「奥茨城村女子会」の時よりも冷めていたこと。
本来なら、谷田部家、助川家、角谷家、それぞれ3家族で先日の「奥茨城村女子会」のテンションで、いやそれ以上のテンションでがっかりしたところを描いたら良かったのでは。おいおい、4月の入社から4か月だから、そんなにはがっかりしないって?
そんなことはない。これまで本作は「帰省」と言う田舎に暮らす人たちにとっての大切な「行事」を、「稲刈り」「年末年始」と面白おかしく、そして涙と感動で描いてきたではないか。だとしたら、今回も「盆休み」と言う行事で、大盛り上がりしてこそ本作ではないのか。
なぜ、みね子が盆休みに帰省する話にしなかったの?
確かに、みね子は徐々に東京に染まっているのは理解する。父・実(沢村一樹)のことも忘れることが多くなったとも言っていた。同世代の女の子たちと遊ぶのが楽しいのも分かる。しかし、なぜ脚本家は、これまで実がしたように、みね子を盆休みに奥茨城村に帰省させるストーリーにしなかったのかが疑問。
少ないお小遣いの中から自分のために水着を買ったことを、ちょっぴり後悔するみね子。そんなみね子が手紙を書いても、私には手紙でその場しのぎで取り繕ったように見えてしまった。みね子ってそんな娘だっけ?みんなに流されず、自分の立ち位置を弁えているのがみね子だったような。
乙女寮の女子たちのくだりをやりたいがために、みね子自身の設定が変わっているようにさえ感じてしまった今回の水着購入と帰省中止のエピソード。何か、違うような…
時子の台詞が、時子らしくない
時 子「何か私はちょっとみね子が心配だよ」
みね子「何が?」
時 子「後ろめたいんでしょ?帰らないで海水浴とか行くのが。
って言うか、楽しいのが。
前、話してくれたことあるよね。
お父ちゃん出稼ぎに行ってから
何だかテレビとか見て笑ってても
申し訳ねえなって気持ちになっちまうって。
それは仕方ねえのかもしんないけどさ。
みね子、ずっとそれじゃ楽しくないでしょ。
このまま、お父ちゃん見つからなかったら、
あんた、ずっとそうなの?
みね子「分がんねえよ、そんなこど言われたって」
時 子「心配なんだよ、私は。
みね子、それじゃ恋も出来ないでしょ」
終盤の↑このみね子と時子のやり取り、どう受け取ったら良いんだろう。その解決のカギの1つが、時子からは茨城弁が消えている点がある。となると、時子は完全に東京で女優を目指すモードになっているってことだ。それに対して茨城弁が残るみね子はまだ奥茨城の家族に思いを引きずっているってことになる。
私は、そう捉えた。そうすると、この時子の台詞は、みね子も早く東京に慣れて、1人の女の子として生きろと言う応援歌になる。時子ってそう言う娘だっけ?時子は自分の夢のために上京した。しかし、みね子は父親捜しと家計を支えるために集団就職で上京した。そんなことは重々承知の時子がこんなことを言うだろうか。
どう好意的に解釈しようとも、予告編にあった海水浴のシーンとみね子の恋バナを描くための台詞に聞こえてしまうのが、うがった見方だろうか。どうも、「向島電機編」になって、中身の乏しいぺちゃくちゃばかりで、表面上の楽しさはあっても、「芯」のようなものを感じない。早く「すずなり亭編」に進んだ方が酔いかも?
あとがき
時子が、「そこまで何もかも1人で背負い込むことはない」と親友のみね子の背中をポンと叩いたような台詞であることは分かるんですが、お金が無くて帰省出来ないならいざ知らず、百貨店の水着が買えるなら旅費は何とかならないのでしょうか?
それに、これまでのみね子の設定なら、そろそろホームシックになって「私は帰る」と言い出す方が自然ではないでしょうか。そして、帰省してまた東京に出発する家族との別れで感動の涙…。これが『ひよっこ』じゃないのかなあ。
前回は「時間経過はしていても話は進んでいない」と言う批判的な感想だったのに、74人もの読者さんが共感して下さって、本当に嬉しいです。Web拍手やコメントも、ありがとうございました。きっと74人の方は、この失速感を何とか巻き返して欲しいと願っているんですよね。私もです。よって当blogは、引き続き本作を応援します。
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【これまでの感想】
●[妄想] 「ひよっこ」の昭和40年と言う時代設定に、再び“名作の予感”(2017/05/04)
●[訂正] 「ひよっこ」第36回で、みね子がビーコロを食べたのは "初任給" でした(謝)(2017/05/14)
第1週『お父ちゃんが帰ってくる!』
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第2週『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』
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第3週『明日(あす)に向かって走れ!』
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第4週『旅立ちのとき』
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第5週『乙女たち、ご安全に!』
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第6週『響け若人のうた』
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第7週『椰子(やし)の実たちの夢』
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第8週『夏の思い出はメロン色』
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