ひよっこ (第39回・5/17) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』(公式)
第7週『椰子(やし)の実たちの夢』『第39回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
時子(佐久間由衣)は、テレビのオーディションに向けて練習に励んでいた。本番前夜、みね子(有村架純)たちが審査員となって模擬面接をする。演劇の一節を上手に演じ、受け答えも完璧な時子。みんなが高い評価をつける。いざ本番となると緊張するという時子のために、みね子はテレビ局までついて行ってやることに。オーディション当日、控え室には、場慣れした様子で出番を待つ人たちがたくさんいて、時子は圧倒されてしまう。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
物語の流れの自然さを取るか面白さの二者選択で…
前回の終盤で、愛子(和久井映見)たちが屋台のラーメン屋に入ったが、何度録画を観直しても、なぜ乙女寮に帰って和夫(陰山泰)のカレーライスをみんなで食べなかったんだろう?と言う疑問が頭から離れなかった。だから、今回の冒頭で「やっぱり乙女寮でカレーライスを食べようね」と愛子が言うのを期待したのだが…
どうやら、愛子が “おごった” ことが必要だったと言う訳か。物語の流れの自然さを取るか面白さの二者選択。私は今の本作では、笑いを取る場面はいくらでも作れるのだから、前者を取るべきだと考えるが…
澄子の謝罪は描かれなかった…
さて、前回での澄子(松本穂香)の逃避行でのみんなへの謝罪もないまま、物語は時子(佐久間由衣)のテレビのオーディションの話へ。こう言う尻切れなのもちょっと気になるが、澄子らしいと言えばそうとも言える。で、恐らくオーディションは日曜日だから、結局、カレーの月曜日から一気に土曜日へ飛んだって訳だ。
もっと予告編を裏切っても良いような…
そして、本編。まあ、こう言うオーディションでよくありがちな、不安だから友だちを一緒に連れて行くってパターン。どうも、最近サプライズが足りないような。この辺も予告編が本当のダイジェスト版になってしまって、予想を裏切るような展開が少ない。まあ、ベタでも面白いから悪くはないが。
みね子の人柄の良さを描いた15分間
どちらかと言えば、時子のオーディションの練習を通して、みね子(有村架純)の人柄の良さを描いた15分間と言える。年上の人への態度の良さとか弱い人を励ますのが上手いとか。この辺は前回にも通じるものがある。
みね子を “ヒロインとして描く手法” に感心した
今回を見て「なるほど」と感心したのが、みね子をヒロインとして描く手法だ。みね子は、突出した個性がある訳でもなく、リーダー的存在でもない。優しくてお人よしで気立ての良い田舎娘だ。そんなみね子を主人公に魅せるために、久し振りの無茶ぶりの愛子などをを活用して、頼まれたら断れないみね子を表現した。
こうして、他人との触れ合いを通してみね子をヒロインに仕立てるのは、とても良いこと。そうしないと、最近の朝ドラみたいに、強引に「ヒロインでござる」みたいに大演説する羽目になるから。その意味で、オーディション当日の朝のコミカルなみね子も良かった。
5月の前半なら見送りの面々の衣装が薄着?
5月のいつだから分からないが、5月の前半なら見送りの面々の衣装が薄着なのが気になったが、みね子のブラウスに合わせたのだろう。だったら、5月だなんて指定しなくても…なんて思ったり。やはり、本作の時間に関する部分の表現はまだきになる。
時子役の佐久間由衣さんの身長が少し高いのが素晴らしい
それにしても、これは「奥茨城編」でも感じたことだが、時子役の佐久間由衣さんの身長がちょっと高いことが、映像的にとても利いているなと。今回の見送りのシーンでも1人だけ背が高い。そんな娘が女優を目指すと言う気持ちになるのも良く分かる。当時は背の高い女性はあまり好まれない時代だったから。
風が印象的なシーンが多かった
今回は、風が印象的なシーンが多かった。冒頭の時子が発声練習をしている川岸では、背景の煙突から煙が横に流れていたり、みね子と時子が手を繋いで向島電機を出る時も風で髪やスカートがなびいていた。この辺は風の強い5月って感じだし、ロケ撮影の開放感もあって、本作らしさ満点だ。
「革命」 → 聖火リレー → 昭和とりっぷへの見事な流れ
NHKの前のシーンも、みね子たちの背景の黒塗りの車を動かしたりと、ロケならではの臨場感。オーディションの控室でのBGMが、控室で誰かが弾いているような音のショパンの「革命」なのは編集の上手さ。緊張でガチガチな時子の気持ちを表現していたのだろう。そして、時子が落ち着きを取り戻すと「革命」が終わる。
そして、奥茨城を思い出させる劇番に変わって、時子が呼ばれる。一人心細い時子がリハーサル室を出て行き扉が閉まると、あの聖火リレーの回想シーンから1カットだけ。
時子「待ってろよ!奥茨城からスターになってみせっと!」
力強く励ましたみね子が、実は一番心細かったってオチ。オチと言っては元も来ないな。みね子らしい優しさを描いた私の心を打ったみね子のラストカットだった。ついでに、最後の「昭和とりっぷ」の写真が、大親友の小学生の女の子2人が運動会で並んでる作品だった。1人が少し背が高いのが本編とシンクロ。巧いなぁ。
あとがき
最近、ネット上での本作への評価が分かれて来てませんか?「奥茨城編」は絶賛の嵐だったのが、異常だったのでしょうか。ここへ来て、少しだけ脚本の展開上のメリハリや、演出の緩急、一部の俳優の演技の細かい配慮が足りないなと感じる場面が目につくようになりました。
やはり、多忙な女優さんにいろいろ合わせると大変なのでしょう。でも、まだまだ笑いあり涙あり感動ありには、間違いありません。とにかく、出来事や騒動でなく、人間を描いているその一点で評価できます。さて、時子のオーディションの結果はどうなるのか楽しみです。
前回の感想に、120回ものWeb拍手やコメントを頂きありがとうございました。週の後半は、結果発表から三男も絡んで時子を励ますくだりでしょうか。時子が女優になりたい本当の理由も気になります。と言うことで、当blogは、引き続き本作を応援します。
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【これまでの感想】
●[妄想] 「ひよっこ」の昭和40年と言う時代設定に、再び“名作の予感”(2017/05/04)
●[訂正] 「ひよっこ」第36回で、みね子がビーコロを食べたのは "初任給" でした(謝)(2017/05/14)
第1週『お父ちゃんが帰ってくる!』
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第2週『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』
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第3週『明日(あす)に向かって走れ!』
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第4週『旅立ちのとき』
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第5週『乙女たち、ご安全に!』
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第6週『響け若人のうた』
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第7週『椰子(やし)の実たちの夢』
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