[読書] 正しいコピペのすすめ-模倣、創造、著作権と私たち (岩波ジュニア新書) (宮武 久佳/著・岩波書店) 感想

法律論ゴリゴリで迫ってくるような内容でない
まず、本書は岩波ジュニア新書で、著者の想定読者層は大学生あたり。従って、法律論ゴリゴリで迫ってくるような内容でない。共同通信の記者出身の著者が、論文を書いたりSNSを利用するに当たって、やって良いこととダメなことの両面を書いてある点は、著作権を勉強しようとする人には、入り易い切り口の本だ。
「作る人は偉い」と言う気持ちが一番大切
「作る人」「作った人」のことを気に掛けてほしいのです。「作る人は偉い」というフレーズ、私は気に入っており、日常生活でも割とよく使っています。
※本書 第1章「コピーする日常」 P.16より引用
コピペするしないに限らず、他人が作ったものを利用したり楽しむ時は、「作る人は偉い」と言う気持ちが一番大切と言う考え方には共感できる。そう言うリスペクトの気持ちがあれば、まず容易にコピペなんてしようとは考えないだろうし、やろうと思った瞬間でも立ち止まることが出来るはずだ。
「著作権」の角度からの文明や文化論の書でもある
また、本書は「著作権」について書かれたコピペ指南書と違った側面として、「コピペ」や「著作権」の角度から世界や日本の文明や文化論の書としても楽しめる。誰でも知っている有名な絵画の話や女優・岩下志麻さんの話や身近な写真撮影まで、多岐にわたるエピソードは読み物としても面白い。
あとがき
序盤で、結婚披露宴のBGMについて「著作権があるかも」的な表記がありますが、ホテルや式場の館内BGMは施設側がまとめてJASRACに音楽著作権使用料を支払っています。また、披露宴で上映する映像のBGMについては、2014年から大きくシステムが変わりました。
[ブライダル事情2014秋] 結婚披露宴のBGMに使用料がかかる!?
ブログやSNS、自費出版など誰もが自分の作品を気軽に世に発信できる今は、誰でも他人の著作権を知らぬ間に侵害している可能性は大きいです。それだけに訴訟なんてことに巻き込まるやも知れません。そんなことに危惧している人は、この難しくない「コピペ指南書」をまず読んでみると良いと思います。
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日本の著作権はなぜもっと厳しくなるのか
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デジタル時代の著作権 (ちくま新書)
なんでコンテンツにカネを払うのさ? デジタル時代のぼくらの著作権入門
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