ひよっこ (第36回・5/13) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』(公式)
第6週『響け若人のうた』『第36回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
美代子(木村佳乃)が縫ってくれたブラウスを着て、赤坂のすずふり亭に向かうみね子(有村架純)。店の裏でコックの秀俊(磯村勇斗)と元治(やついいちろう)、ホールの高子(佐藤仁美)に出会う。秀俊に案内されて店に入ったみね子は、鈴子(宮本信子)と省吾(佐々木蔵之介)に挨拶する。初めての給料で、ここの洋食を食べるのを楽しみにしていたと伝える。メニューを見て真剣に悩むみね子を、すずふり亭の人々は温かく見守る。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
ありふれたエピソードを "至極の15分間" にする魔法…
今週末も、仕事の都合でゆっくりテレビを見てブログを書けないので、ちょっといつもと違う構成で書いてみる。では、まず今回の15分間を簡単に言うと…。
みね子(有村架純)が就職して初めて自分のために給料を使おうと、母・美代子(木村佳乃)が縫ってくれたブラウスを着て、かつて父と母が訪れた赤坂のすずふり亭に行き、鈴子(宮本信子)や省吾(佐々木蔵之介)らすずふり亭の人たちの優しさに触れながら、ビーフコロッケを美味しく食べた。
ただ、それだけの話だ。それも、架空であるドラマの世界なら、どちらかと言えばありふれたエピソードだ。しかし、このスタッフとキャストは、このエピソードを『ひよっこ』でしか描けない “至極の15分間” にしてしまうのだから驚くしかない。では、私にとって今回がどんな “至極の15分間” だったのか?
人が人と関わり合い、生きていく中で大切なこと
例えば、谷田部家の生きた教育の素晴らしさ。以前にも、美代子はカツサンドをありがたく頂き、店のマッチ箱を大事に仏壇に預け、綿引(竜星涼)からの手紙には頭を下げた。姉のお下がりの自転車を喜ぶ妹、仕事の大切さを身をもって教える祖父など。
みね子の家族は、ものを大切にする心や、どんなことにも感謝する気持ちを持って生きてきた。だから、みね子から↓こんな挨拶が自然と出てくるに違いない。
みね子「父と母がお世話になりました。
本当にありがとうございました」
田舎育ちだろうが、高校を卒業したばかりだろうが、谷田部家の教育の中で育ったみね子だから、こんな挨拶が出来る。たかが台詞と言ったら元も子もない。人が人と関わり合い、生きていく中で大切なことを、改めて気付かせてくれる作品、それが『ひよっこ』なのだ。
美術さんの積み重ねも、本作の楽しさの底力
さて、みね子がすずふり亭に辿り着くまでの商店街のセットも良く出来ていた。オート三輪も鈴の湯の前に停まってたのと色が違うとか、みね子が自分の姿を映したショーウインドーのある時計屋も、きちんと店内まで作り込まれた上で職人さんがいるとか。
ただ、車のガラスに映すのとは映像的な楽しさが違う。こんな美術さんの積み重ねも、本作の楽しさの底力だ。
すずふり亭の裏の空き地のタイミングも絶妙
その上、みね子が店内に入るまで、一呼吸つけるかの如く、すずふり亭の裏の空き地で脇役紹介。このタイミングも絶妙だ。すんなり着いたらつまらないってのもあるが、ここへ挿入することで、自然とこの直後の、道に迷いながらのみね子が、リアルに見えるって仕掛けだ。
そして、店に案内する過程で、これまでの谷田部家とすずふり亭の関係もサクッとおさらいまでしちゃた。今からでも、まだまだ『ひよっこ』は間に合うって訳だ。やるなぁ。
電気屋の店頭でラジオを見つけるのが、回想とは!
すずふり亭の店内でのやり取りについては、私があれこれ語らなくても言わずもがなだが。
来る途中の電気屋で、自分が作ってるトランジスタラジオを見つけて喜ぶみね子を、敢えて回想シーンで入れたのはニクいな。ショーウインドーの前後に入れたら、ただの状況説明になるところを、回想にしたことで、みね子の社会人意識を描いた上に、鈴子たちとの会話を膨らませたんだから。
コロッケを揚げるシーンでの映像マジックがステキ
コロッケを揚げるシーンでも、まるで魔法でも使って作ったような効果音と編集があった。揚がるまでの時間をみね子と鈴子の会話で時間繋ぎをせず、料理完成までを短時間にテンポ良く美しく美味しそうに見せたのも良いアイデア。だって、朝ドラの調理場面は、美味しそうじゃなきゃ、だから。
すずふり亭の人たちの気持ちが嬉しい
すずふり亭のみんなが、まるで茨城から上京して来た初めて会う親戚の女の子を大切にもてなすように、そして、みね子のプライドや思いを傷つけないように、優しく丁寧に振る舞っていたのがとても印象的。ビーフシチューの時は、谷田部家全員で食べられると良いのに…。
あとがき
初任給ですずふり亭に来たのではないってのも良いなって。 ちょっと東京での外出に慣れた頃にってことですよね。だから、ナマモノでなく乾物(干瓢)だったんですかね。乾物だったことに納得しちゃいました。とにかく見事な「1話入魂」でした、天晴れ。次週はいろいろ大変そう…
前回の感想に、162回ものWeb拍手や数々のコメントを頂きありがとうございました。今回は正に、“いい話” で見応えありました。引き続き当blogは、本作を応援します。それと、コメントは全て目を通しておりますが、返信は遅れます。申し訳ないです。
【追記 2017/05/14 20:05】
みね子が「初めてのお給料で」と劇中で言ってました。ブラウスが届いたのが、初任給での仕送り後だと思ったのと、画面も音も小さい状態で見ていたので、勘違いしたようです。ごめんなさい。
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