ひよっこ (第34回・5/11) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』(公式)
第6週『響け若人のうた』『第34回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
突然乙女寮を訪ねてきた綿引(竜星涼)。みね子(有村架純)に、実(沢村一樹)を最近見かけた人に会ったと言う。どうやら間違いないらしい。動揺するみね子だが、早く美代子(木村佳乃)に教えたいと考える。家に電話がある時子(佐久間由衣)は、君子(羽田美智子)にかけて美代子に伝えてもらおうと提案する。一方、帰り道が一緒になった綿引と雄大(井之脇海)は、実が目撃されたことが何を意味するのか考えていた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今回は、あっさり見せずに視聴者参加型の15分間
前回で、綿引(竜星涼)がみね子(有村架純)に父の実(沢村一樹)探しの朗報を持ってきたのは分かったが、それをアバンタイトルでもう一度見せて、「さて、どうやって奥茨城に伝えるか?」を視聴者に投げた。こう言うアバンもいいね。視聴者参加型って言うか。
主題歌中に私の頭の中は、次の日曜日に実家に帰る?手紙でも遅いし…電報じゃ大袈裟なような…とか、偶然に奥茨城から誰かが上京するとか…巡りに巡って。あっさりと見せちゃうのは簡単だが、少し焦らしてこそドラマっぽい。どうやら今回は良い仕上がりの予感で始まった。
助川家の電話を借りるって手があったか!
主題歌明けは、案の定同室の仲間たちがアイデア出し。それぞれらしいアイデアだが、時子(佐久間由衣)が、母の君子(羽田美智子)に電話をかけて美代子に伝えてもらおうと提案するとは、グッドアイデア。と言うか、脚本としても、自然に奥茨城を登場させる点で妙案だ。
奥茨城と東京が完全に繋がった "思いやりのリレー"
とにかく電話だけでなく、物語上で「奥茨城」と「東京」が完全に繋がった。ここまで映像でしっかりと繋がったのはお初でないだろうか。「綿引→みね子→時子→君子→美代子(木村佳乃)」と、正に “思いやりのリレー” だ。でも、そこをこれまたあっさりと感動ストーリーにしちゃわないのが今回。
わざと不穏な劇番をBGMにして何かありそうな予感を漂わせ、美代子の「そう…生きてるんだ。実さん」の台詞の頭でフェード・アウト。見ているこちらも、想像上にホッとするって作戦。そして、美代子も茂(古谷一行)もホッとしたのを、無理矢理に感動的に描かずBGMは無音で見せて、落ち着かせるのも上手い演出だ。
貴重な男性2人が、ドラマに広がりや立体感を生み出す
さて、場面は夜の綿引と雄大(井之脇海)がいる屋台のラーメン屋。前回の感想で、「雄大と綿引の男2人が顔見知りになったことは、この先に何か起きそうな気がするから楽しみ」と書いた通り、女性の登場人物が多い「向島電機編」では貴重な男性2人。
特に、左寄りな思想の雄大と国家権力側の綿引と言う組合せの妙もいい感じ。今回も、女性たちとは違う視点で実の失踪を捉えているように見えたのは良かった。
決して、大風呂敷を広げるまでは必要ないが、ここまで長期間行方知れずになっているのだから、いろいろな人たちが関わって(絡んで)話が進む方が、ドラマに広がりや立体感が出て面白味が増すに違いないから。
僅か6カットで40秒のシーンだが…
場面は、再び奥茨城。君子が帰った後の谷田部家。夜の小高い丘にポツンと明かりが灯る谷田部家の全景カットが、とても寂しそう。茂の背中、家族写真を手に座り込む美代子、写真の中の実のアップ、美代子のアップ、茂のアップと、僅か6カットで40秒のシーンだが、切ない劇番と相まって見応えのあるシーンになった。
もちろん、そこには「1か月前は東京で生きていたらしい」と言う情報をどう捉えて良いのか分からない複雑な心境の嫁と父を、木村佳乃さんと古谷一行さんの演技が魅せた功績も大きい。やはり、演技で魅せることが出来る俳優さんがきちんといる「奥茨城編」はお見事と言うしかない。
1週間の思いやり…
場面変わって、1週間後の向島電機の中庭にあるパーゴラとベンチ。1週間もみね子に声を掛ける雰囲気で無かったことが分かる。しかし、やっと心の整理がついて、思いのほか明るい表情で話すみね子。その理由が↓の台詞に込められていた。1週間、みね子は悩み、仲間はそっと見守ったと言うこと。ここにも思いやりがあった…
みね子「綿引さんには悪いけど、
ちょっとどっかでほっとしてで。
このまま見つかんない方がいいなって、
心のどっかで思ってで。
だって、お父ちゃんがその人だったとしたら、
ちゃんと元気なわげで…。
何で連絡してこないんだろうってこどんなっちまって。
やんなってしまったのがな、私たち家族のこど…
だから、いなぐなっちまったのかなって。
考えると、そう言うことになってしまって」
頑張ってるすべての人への人間賛歌
そして、「向島電機編」で圧倒的な存在感を魅せる愛子のこの台詞にグッとくる。視聴者が一緒に愛子の言葉を聞いているような雰囲気も良かった。
愛子「でも、ちゃんと毎日を頑張って生きてないと、
いいことは、やってこない。
神様がいるのかどうか知らないし、いたとしても
本当に皆のこと平等に見てるのかなって思うけどね。
でも、ちゃんと頑張ってないと
神様は気付いてくれない。
私はそう思う。
私が神様だったら辛いことあっても
頑張ってる人に幸せをあげたいなって思うしね。
これ、ある意味、本作全編に共通し、背骨のように貫かれている頑張ってるすべての人への人間賛歌になってる。それを愛子の人生経験を背景にした台詞に乗せて言わせたのはお見事。仲間たちのフォローも後味がすこぶる良いし。最後のみね子の父へのモノローグも印象的だった。
あとがき
今回の「奥茨城」と「東京」が完全に繋がった “思いやりのリレー” は本作らしくて良かったです。最後の愛子の言葉も心に響きました。やはり、この位のメリハリがあった方がドラマとして楽しめます。強引にテンポアップするなら、多少のメリハリを付ける方向の方が良いと思います。とにかく日常を描く本作なので。
前回の感想に、112回ものWeb拍手や数々のコメントを頂きありがとうございました。やはり、奥茨城のシーンがあると良いですね。数日に一度で良いので入れてくれうといいな。当blogは、引き続き本作を応援します。
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