映画「バーニング・オーシャン(字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし


ざっくりストーリー
メキシコ湾沖90キロにある海底油田施設「ディープウォーター・ホライゾン」。石油会社の管理職ヴィドリン(ジョン・マルコヴィッチ)が工事の遅れを理由に掘削工事を迫ったことから、現場の反対を押し切って工事が強行され、掘削中の海底油田から逆流してきた天然ガスが引火爆発する。
「ディープウォーター・ホライゾン」はたちまち炎に包まれる。チーフ技師のマイク(マーク・ウォールバーグ)は、1人でも多くの作業員の命を救い、被害拡大を阻止しながら、自らも必死で脱出を試みる…
油田の大爆発、必死の脱出劇を見事な臨場感で魅せていく
2010年4月に実際にメキシコ湾沖で起きた原油流出事故を題材に、石油掘削施設内に取り残された作業員たちの脱出劇を描いたディザスター・ムービー。この大事故は、世界最大級の人災と呼ばれ、多数の死者・負傷者を出したことに加え、周辺の自然環境、社会生活、漁業、観光業に甚大な被害を与えたことで知られる。
主演のマーク・ウォールバーグと監督のピーター・バーグは、ネイビー・シールズ史上最大の悲劇といわれるレッド・ウィング作戦を描いた社会派映画『ローン・サバイバー』(感想)で組んでるし、本年6月公開予定の2013年に発生したボストンマラソン爆弾テロ事件の実録映画『パトリオット・デイ』でも組んでいる。
従って、この主演と監督のコンビは、実話ベースの社会派アクションが特徴と言うことだろう。本作も、海に浮かぶ海底油田施設で次々と起こる大爆発や、必死の脱出劇は、見事な臨場感と緊迫感で魅せていく。
事実を追うのに精一杯で、ドラマ性が見当たらない
ただ、上映時間107分の内、見応えがあるのは後半の59分間だけ。前半の48分間は観客は睡魔との必死の戦い。舞台が、海底油田掘削現場と言う一般的には殆ど知られていない場所での災害のために、どうしても説明パートが多く、更にその説明が実に分かり難い。
従って、観客は爆発の経緯が中途半端な理解のまま、大爆発で目が覚めることになる。要は、全体的に事実を追うのに精一杯で、ドラマ性と言うものが見当たらない。せめて、序盤で描かれた主人公の家族や、女性作業員とのその後の物語でも描かれれば良かったのに。人間ドラマとしての魅力に乏しいのは大変に残念だ。
「ナレーションの無い再現映画」のエンドロールの重さ
「ナレーションの無い再現映画」と言っては元も子もないが、エンドロールで、実際にこの大事故に遭遇した人々の裁判での動画やその後の写真、命を失った11名が写真で登場する。その事実の重さが強く心に残る作品ではある。安全より利益を優先させた結果の大惨事。二度と起こしてはいけない…
あとがき
前半48分間を我慢すれば、期待通りの実録ディザスター・ムービーが観られます。でも、海底油田掘削現場の説明は多いし分かり難い。全体も事実を追うのに精一杯で、人間の内面に迫るドラマ性に乏しいのが残念。「ディープウォーター・ホライゾン」を忠実に再現した巨大セットや、決死の脱出劇の約1時間にお金が払えるか?だと思います。
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