ひよっこ (第21回・4/26) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』(公式)
第4週『旅立ちのとき』『第21回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
みね子(有村架純)は、美代子(木村佳乃)と茂(古谷一行)に、就職の季節は過ぎているが担任の田神先生(津田寛治)が探してくれていると話す。不安はあるものの、気持ちを切り替えて夕飯の支度を手伝うみね子。一方、田神は大事な教え子のために遅くまで残って就職先を探していた。その夜、田神が慌てた様子で谷田部家を訪ねてくる。そして、話を聞いたみね子は急いで家を飛び出す。向ったのは、時子(佐久間由衣)の家だった。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
久し振りに、アバンタイトルで始まった
久し振りにアバンタイトルで始まった本作。やはり、前回から「第一章」と「第二章」の大切な繋ぎ目だから、毎日観ていない視聴者にも、現状を伝えたいと言う意図だろう。それに、たまに前回の振り返りが入ると、毎日観ている視聴者には、新鮮さも与えるし。今回も良い構成で始まった…
空元気のみね子とお見通しの美代子と茂が楽し過ぎる
内心、就職が心配で心配で堪らないみね子(有村架純)が、見るからに空元気で学校から帰宅する姿がいじらしくて可愛いのだが、そのまま心の内に悩みを抱えたまま夜までを描くのかと思いきや、すべてお見通しの美代子(木村佳乃)と茂(古谷一行)ってのが楽し過ぎる。
善人だけの虚構の世界でも、きちんと人間ドラマは描ける
そして、聖火リレー大会の準備で登場した化学教師の藤井先生(原扶貴子)が再登場。これまで藤井先生の素性は殆ど描かれなかったから、田神先生(津田寛治)と教師どうしの場面で描くのは良いこと。それに、この場面で、体育教師の木脇先生(増田明美)だと、ちょっと狙い過ぎになってしまうし。
それにしても、津田寛治さんも? “いい人” ってのが嬉しい。現実の世の中だって、“悪い人” より “いい人” が多い訳だし、虚構の世界だからって、無理に悪人を登場させて騒動を描かなくても、善人だけの虚構の世界でもちゃーんと人間ドラマは描けるってことを、本作が見事に証明しているのも、名作の予感の1つだ。
やはり、人と人の基本は直接会って話すこと
場面は夜の助川家の牛小屋。みね子が就職先が決まったことを時子(佐久間由衣)に知らせに来たシーン。これこそ正真正銘の “騒動” だ。ここぞと劇番も煽るし、カメラも踊る。でも、これらも自然な流れだし演出だ。そして、みね子の報告を聞いて、2人が大喜びすると思いきや…
時 子「いがった~!嬉しいよぉ、みね子ぉ!」
みね子「時子…」
時 子「私… 私、本当は怖かったから…
ずっと… ずっと怖かったから…
一人で東京行くの怖かったから…
自信なんかないし…強がってるけど…私怖かったから
嬉しい… 嬉しいよぉ…」
すすり泣きしながら、東京行きの不安をみね子に打ち明けた時子。いいね、こう言うストレートなシーン。今どきだとメールやLINEの画面ってことになるんだろうが、やはり人と人の基本は直接会って話すこと。そんな当たり前で素敵なことを、改めて教えてくれた。
君子「行がせるしか、なぐなっちまったよ」
そんな2人のやり取りを見ていた時子の母・君子(羽田美智子)の↑の台詞も、グッとくるし、無言で君子を見つめる時子の兄・豊作(渋谷謙人)の表情も印象的だ。
牛小屋と言う舞台設定が、内容にピッタリ
これまで、表面的に “仲良し” や “親友” は描かれてきたが、この牛小屋のシーンの↓の会話で、その理由が丁寧に描かれた。
みね子「あんたと私と、どんだけの付き合いだと思ってんの?
あんたのこどをね 家族とかは除くけどね…
世界で一番分がってんのも、世界で一番考えてんのも、 心配すんのも、世界で一番時子のこど好きなのも
私なんだからね!分がってんの?」
時 子「はい、分がった…」
みね子「分がってんならいいけどよ」
時 子「すいません」
この後、2人の間に妙な “無言の間” があって、背後で牛の鳴き声が入って、2人に笑顔が戻る。だから、舞台が牛小屋だった訳だ。河原や家の中では恋の告白のように映ってしまうが、牛小屋と言うだけでなんかコミカル。じめっとしなくて実に良い。
「就職先決定」の騒動1つで、友情、家族を描き切った
「就職先決定」と言う騒動1つで、本音を言い合えるみね子と時子の友情を爽やかに描いた。そして、娘を東京に送り出す家族の気持ちも温かく描かれた。ラストの三男(泉澤祐希)の片思いネタも明るく楽しくて。それも登校中のバスの中と言うシチュエーションもいい感じだ。
あとがき
屋外ロケのシーンが良いですね。どうしても朝ドラって、スタジオセットでの撮影が多くなるから世界観が小さくなりがち。でも、本作は今のところ屋外ロケが多いので、そこがまた臨場感や開放感を生み出して、本作らしさになっていると思います。
それにしても、今回は和久井映見さんの「キャー」の悲鳴だけで、永井愛子と言う人物像が見えてきましたし、向島電機がどんな職場か見えたような。脚本、演出、俳優が見事に『ひよっこ』の世界観を創り上げて行ってるなと思います。みね子は集団就職で東京に行くのは分かってるのに、こんなに楽しいなんて…
前回の感想に、161回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございました。「みね子の就職先決定」だけで、感動の15分間を描いた本作、お見事です。引き続き、本作を応援していきましょう。
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