ひよっこ (第20回・4/25) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』(公式)
第4週『旅立ちのとき』『第20回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
実(沢村一樹)は正月に帰ってこなかった。みね子(有村架純)は、東京に働きに行くことをちよ子(宮原和)と進(高橋來)にも伝える。正月の挨拶に来た宗男(峯田和伸)は、「あんまり背負い込まないで自由に生きろ」とみね子に言う。新学期、東京行きを聞いた時子(佐久間由衣)と三男(泉澤祐希)は心配そうな表情を浮かべる。それもそのはず、就職の季節はとっくに過ぎていたのだ!みね子は焦り始めるが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
みね子に歳が近い宗男の言葉に、彼の優しさが滲み出る…
前回で、みね子(有村架純)が東京に働きに行くことを、ちよ子(宮原和)と進(高橋來)にも伝え、美代子(木村佳乃)と感動の抱擁から、一変。今回の冒頭は、久し振りに宗男(峯田和伸)が登場。お年玉1つで正月を表現しながら、谷田部家に笑いを運んできた。
で、さらりと退場するかと思いきや、ビートルズ。峯田和伸さんが音楽を語るなんて、岡田恵和氏のあて書きなんだろう。この先、パンクやロックをやり出したら面白いのだが…。さて話を本編に戻すと、谷田部家の関係者では、年齢的にみね子に近い宗男の↓この言葉に彼の優しさが滲み出る…
宗 男「お前はさ。大変な理由持って東京さ行くわげだけど…
うーん。折角行ぐんだし若いんだしよ。
あんまし背負ってばっかしじゃなくてよ、
もっと自由に生ぎろって言いたがったわげだ」
みね子「自由か…。何か分かんないよ、私」
宗 男「ん?」
みね子「自由って言うけどさ、
高校でもさ、これがらの若いもんは
自由に人生を選択できんだなんて言うけどよ、
自由って何?私は、やるこどが目の前にあって、
それを一生懸命やんのが好きだよ。
それを不自由だなんて思わないよ全然」
そして、↑このみね子の台詞から、みね子の真面目さや幼さも垣間見れる。当時の東京と茨城の物理的な距離感と精神的な距離感の遠さを、上手に表現したやり取り。こんな自然体な会話が聞けるのも、本作の見所だ。
情景カット1つで、みね子の心情が表現できる
場面変わって、三学期の初日。早速宗男の影響を受けたみね子が「グッドモーニング!」と元気に自転車で上手(画面右)方向に走る姿を強調するために、カメラを川の中に置いての情景カットは、如何にも演出の黒崎博氏らしい構図。こんな情景カット1つで、みね子の心情が表現できるって、良い例だ。
演出による、音楽、楽器の使い分けも実に緻密だ
シーン変わって、みね子を心配する時子(佐久間由衣)。牛の鳴き声に続いて、元気に登場するみね子。劇番は、バンジョーの音色と可愛い馬のヒズメ風の音が奏でるカントリー音楽。いつの間にか三男(泉澤祐希)も合流して、いつもの仲良し三人組の本音トーク。
既に就活シーズンは終わってることに今頃気付くちょっとおっちょこちょいのみね子には、バンドネオンでアルゼンチン・タンゴ風のリズミカルな劇番を付けて、楽曲のテンポの良さと、みね子の手際の悪さを楽しく対比させたような。この辺の演出による、音楽、楽器の使い分けも実に緻密だ。
田神先生の言葉に、教師らしい愛情がてんこ盛りだ
劇番が終わって無音で親身に語り聞かせる田神先生(津田寛治)の↓の言葉にも、教師としての愛情がふんだんに盛り込まれる。無茶になったみね子を丁寧になだめる田神先生の進路指導っぷりも、なんか感動。愛ある指導ってのを、久し振りに朝ドラの中で見た。そして、親友・時子の気持ちも優しすぎる…
田神「おめえは、先生の大切な教え子だ。
何でもいいどが、どんな仕事でもいいとが…
そんな仕事をおめえに紹介するわげにはいかねえんだよ」
和久井映見さんの登場で、益々 "いい人" が増えていく
そして、場面は時子の就職先である東京の向島電機。田神先生の電話に出るのは永井愛子(和久井映見)。田神から就職者の欠員を聞かれた愛子が、↓のように困って返すが、この台詞1つで、愛子がちょっと不器用でおっちょこちょいで親しみの持てる人物だと一目瞭然。いや一耳瞭然か。
愛子「え~?もう一人ですか?う~ん」
既に、この愛子がどう言う登場人物で、みね子とどう関わっていくのかは報道されているが、ここでは敢えてネタバレしない。とにかく、和久井映見さんの登場で、益々本作は “いい人” が増える。
「人を見たら誘拐犯だと思え」みたいな今のご時世からしたら、まるでファンタジーのような話だが、それが昭和40年代。そして、集団就職の時代。上手に時代を紡いでいる…
あとがき
みね子の「東京行き宣言」で、ここままで物語を作れるんですね。何て言うのかな。就職先を見つけるまでの難儀を描くんのでもなく、就職先が決まった時の嬉しさを描こうと言うのでもなく、「東京行き宣言」に込められてみね子の心に共感、共鳴、協調する人たちの温かさや温もりで、ドラマを広げていくって感じがスゴイなと。
前作なら、どうせ就職するんだから無駄な騒動なんてどうでも良いから、さっさと縁故入社でも何でも入社すれば良いのにと思ったんですけどね。本作はこう言う大きな章立ての “繋ぎ目” にも見応えあるんですね。やはり、名作の予感です…
ナント、前回の感想に、171回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございました。「第1章」と「第2章」の繋ぎ目も丁寧に描かれていますね。引き続き、本作を応援していきましょう。
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