ひよっこ (第14回・4/18) 感想

連続テレビ小説「ひよっこ」

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』公式
第3週『明日(あす)に向かって走れ!』『第14回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


青年団の会合が開かれる決戦の日。みね子(有村架純)、時子(佐久間由衣)、三男(泉澤祐希)の3人は、緊張しながらも会合に飛び入り参加して、聖火リレーの計画を団員たちに提案する。東京オリンピックの聖火が水戸を通る日に、奥茨城村でも自分たちの手で聖火リレーを開催したいと熱い思いを伝える三男。しかし、団長でもある兄・太郎(尾上寛之)に「どうせ村を出て行くのに余計なお世話だ」と突き返されてしまう。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

クライマックスのため、状況説明は語りと音楽で素早く

主題歌明け。車好きの私としては、画面に現れた1台のオート三輪に目が釘付けに…。

普通、この時代の映像作品には映画『ALWAYS 三丁目の夕日』に登場した「ダイハツ・ミゼットMP」が使われるのだが、本作は敢えての「マツダ・K360(愛称:けさぶろう)」が登場。同じ時代を扱う映像作品として、『ALWAYS 三丁目の夕日』の世界観とは差別化したい、と言う制作陣の意図だと信じたい。

そして、ストーリー展開が速く感じる編集。前回も書いた通り、今週の演出担当の福岡利武氏は、シーン頭(最初)を平凡な情景カットで始めない。今回もオート三輪で時代を表現したら、あとはテキパキと動く青年団の映像と、「語り」と音楽で素早く状況説明。この辺のテンポの良さを『月9』に学んで欲しいところだ。

序盤の構成も、視聴者が興味を惹き易いような計算づく

この序盤の構成も、視聴者が興味を惹き易いように計算づくだ。最初に、戦闘モードの音楽で、やる気満々の青年団の会合を見せておいて、次にちょっとお遊び感覚で説得の準備を図るみね子(有村架純)、時子(佐久間由衣)、三男(泉澤祐希)の3人を映す。まず、この対比がユニークだし効果的。

これが、みね子たち→青年団の順番だと「大人たちにやり込められちゃうぞ」と映ってしまう。しかし、この順番だから、3人を応援したくなるって訳だ。

僅かな時間で、2つの家族、2組の夫婦の違いを描いた

そして、三男の行く手は両親に阻まれる。三男の葛藤だ。小さくて可愛らしい葛藤だが、あると無いでは “朝ドラらしさ” が違う。だって、三男の母・きよ(柴田理恵)と父・征雄(朝倉伸二)の犬も食わない夫婦喧嘩とラブラブシーンなんて、実に微笑ましくて良いではないか。

簡単に会合に行けないのは、時子も同じ。ゴボウでゲートを作る時子の母・君子(羽田美智子)と寝転んでる父・正二(遠山俊也)。こんな僅かな時間で、2つの家族、2組の夫婦の違いを描いちゃうセンスの良さには脱帽だ。

こんな茂と美代子の会話がふんわりと入るから堪らない

そして、肝心のみね子は父がいないから、どんな描写をするのか期待すると、バリバリに緊張しまくったみね子がロボットのように歩いてく。祖父・茂(古谷一行)と母・美代子(木村佳乃)のやり取りも楽しいが、こんな茂と美代子のやり取りがふんわりと入るから、堪らないし、泣けてくる…

 茂 「何だ?気になっか?」
美代子「はい。一生懸命だったし、あの子。
    それにバカみてえかもしんねえけど、
    東京の実さんに届ぐような気がして、私…」
 茂 「んだな」

会合が始まるシーン頭の盛り上げ方が素晴らしい

場面変わって、青年団の会合。結局、ガチガチなみね子のまんま現地到着。すると先に到着している2人。完全にビビりまくってる三男と根性座ってる時子のコントラストが面白い。ふと前回でのみね子の「羨ましかっぺ?」の一言を思い出して、クスッとしてしまった。また、柴田理恵さんと宮川彬良氏の劇番の相性も素晴らしい…

太郎と豊作の台詞から、一気にドラマが動き出す

ついに始まった「青年の主張」。そして、朝ドラのお約束の覗き見と立ち聞き。今回は名女優3人だから、楽しくるのは必至だ。しかし、当然のように「青年の主張」は青年団員らに馬鹿にされ、無残にも却下される。でも、次の三男の兄・太郎(尾上寛之)と時子の兄・豊作(渋谷謙人)の台詞から、一気にドラマが動き出す。

太郎「却下ってこどだ。三男、ご苦労さん。
   どうせ、もうすぐ村出て行くんだっぺ。余計なお世話だ」
豊作「皆ギリギリで生きてんだがらよ。
   こんなこどに誰も寄付しねえど」

太郎は、団長として、家を継ぐ長男としての当然の主張。豊作は、会計担当として、貧しい農家としての当たり前の主張。完全にノックアウト状態の三男。もはや時子への恋心に続いて聖火リレーも撃沈か…

見事な「三男の主張」を完全再現

と思いきや、一世一代の三男の演説大会が始まる。

三男「確かに!俺はもうすぐ村を出て行くよ」
太郎「あ”?」
三男「でも…。でも俺は、この村が、奥茨城村が大好きだ!
   でも出て行く。農家の三男坊だがらね。
   俺の居場所は、この村にはねえ。
   生まれた時から決まってたんだ。
   そんな俺でも、この村が好きだ。
   俺みでえに大好きなのに、
   ここに居らんねえ奴もたくさんいる。
   時子みてえに、ここにいだら夢を実現できなくて、
   ここが嫌な訳じゃねえのに、村を出で行く人もいる。
   それに、みね子の父ちゃんみたてえに、
   この村のこど思いながら、東京で暮らしている人もいる。
   村は、住んでる人間のためだげにある訳じゃねえよ!
   心ん中にずっと
   村のこどを思ってる人のもんでもあるはずだ。
   余計なお世話だなんて言わねえでくれ…。
   そんなこど言わねえでくれ…
   なあ兄ちゃん…俺、こんなの初めてなんだ。
   生まれて初めてなんだ!
   もうちょっとだけ考えてくれよ…」

前々作、前作でも度々あった演説風景。しかし、必然性があると、例え脇役でもこんなにも登場人物の心は視聴者に響くのだ。この三男の長台詞1つに、高校生3人のそれぞれの立場や将来、その母の子どもへの思い、農村の厳しい暮らしがギュッと詰め込まれた。見事な台詞、いや「三男の主張」だ。

太郎の三男への厳しい言葉が、みね子の独白を輝かせる

分かっているのだ。予告編でも見たし、朝ドラだし、この先どうのように展開するなんて、百も承知なのだ。しかし、太郎が弟の三男に対して、これでもかと罵倒するのを続ける。ここまで描く必要があるかと思う程だが、この太郎の厳しい言葉があるから、みね子のモノローグが光り輝くのだ。

みね子(M)「お父さん…。
       何だか私たちは打ちのめされてしまっています」

こんな時こそ、父親に頼りたいみね子の心情。恐らくそんなみね子の気持ちを察したであろう美代子の涙…。そして涙は、隣にいるきよと君子にも伝わっていく…

では皆さん、クライマックス御一緒に

絶体絶命の三男、みね子、時子に、太郎がすっくと立ち上がって、怒涛のように話し出す。

太郎「いいか、俺たちはちゃんと現実を見て生きてんだ。
   それが、どう言うこどなのか教えてやる!なっ、皆!」
団員「(全員で)んだ!」
豊作「んだな…いいが?この表の見積もりは甘過ぎる。
   桁が違う。
   会場設営費は1万5千円。チラシ作るのに2千円はかかる。
   それに、トーチはどうする?
   これには一体いくらかかっか分がんねえぞ」
太郎「それにこれは警察巻き込まねえとダメだっぺ。
   駐在さんい酒でも持ってくしかあんめえ!」

そして、太郎と豊作を中心に青年団員たちが、あれよあれよと奇策を提案し出して、どうやら青年団が動き出すようになっていく。この台詞と構成の流れの秀逸さ。もうお見事としかい言いようがないのだが、岡田恵和氏は、更に台詞を加えて…

みね子「えっ…。それって…」
時 子「もしかして…」
三 男「兄(あん)ちゃん?」
太 郎「兄ちゃんでねえ。団長だ」
三 男「団長?」
太 郎「やってやろうじゃねえか。奥茨城こごにありってな!
   な~?」
団 員「(全員で)おう!」

その上、聖火ランナーのアンカーをみね子に担当させるってところまで一気に進めた。もう天晴としか言いようがない。たったの15分間で、これだけ大人数の登場人物たち(名前も分からないキャラクターもいた)を描き分け、騒動をドラマチックに描いて見事大団円に収めるとは驚きだ。

あとがき

物語の先の展開は読めていても、登場人物一人一人を丁寧に描き、その登場人物ならではの台詞で物語を丁寧に紡いでいけば、いくらでもドラマは面白くなる、そんな、ドラマづくりの基本中の基本を見せて貰いました。やはり、物語は登場人物がつくるんです。そう信じてきた私もうれしかったです。

最後になりますが、前々回の感想の172回に続きに、前回にも数々のコメントや162回ものWeb拍手を頂き、ありがとうございます。上から目線になりますが、どうやら、今作のスタッフとキャストは、ドラマの基本を心得ているようです。今回の15分間でだいぶ安心しました。引き続き応援していきましょう。

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【これまでの感想】
第1週『お父ちゃんが帰ってくる!』
1  2  3  4  5  6
第2週『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』
7  8  9  10  11  12
第3週『明日(あす)に向かって走れ!』
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