映画「グレートウォール(2D・字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし


ざっくりストーリー
世界中を旅するウィリアム(マット・デイモン)ら20数名の傭兵部隊は、シルクロードの中国国境近くの砂漠地帯で馬賊の襲撃をかわし、身を潜めている所を謎の獣たちに襲われる。何とか生き残ったウィリアムとトバール(ペドロ・パスカル)は、禁軍が守る巨大な城壁 “万里の長城” に辿り着くが、降伏を余儀なくされる。
ウィリアムとトバールは、戦略を司る軍師ワン(アンディ・ラウ)や女性司令官リン隊長らから、自分たちを襲った獣は、二千年前から60年に1度現れる饕餮(とうてつ)と言う伝説の怪物で、万里の長城はその獣の群れを都に入れないための防壁として築かれたことを知らさせる。
そして、ついに物凄い地響きと共に無数の饕餮が迫って来た。禁軍の全部隊も万里の長城に終結し…
超B級な怪獣スペクタクル・アクション・戦隊モノ風映画
遠い昔の中国を舞台に、建造年数1700年、総延長20万キロの人類史上最大の建造物 “万里の長城” が “ある目的” のために築かれたと言う伝説と戦いに迫るファンタジー・アクション映画。と言いたいが、超大作の割にアメリカでのお大コケっぷり(米興収7500万ドルの大赤字)は、先日のアカデミー賞でもネタになった程だ。
とにかく、本作を突っ込み所満載、B級感丸出しの怪獣スペクタクル・アクション・戦隊モノ風映画だと、最初から割り切って観るのが正解。
人間も獣も "没個性" で人間ドラマがざっくり見えちゃう
まず、金銭や名声のために傭兵をしてきた主人公が、個を捨て国家を守るために戦う禁軍の戦士たちと関わることで正義に目覚め…なんて使い古されたストーリーが醒めちゃう。
その上、何となく “目立つ” 程度の登場人物はいるが、突き抜けた個性を放つキャラクターがいない。クリーチャーもほぼ1種類しか登場しないし、怖さもキモさも無い。だから結局、人間も獣も “組織” や “集団” にしか見えずに、人間ドラマがざっくりしたまま終わってしまうのだ。何よりそこが一番残念だ。
B級映画の割に、ビジュアルの美しさと迫力だけはスゴイ
ただ、B級映画の割に、ビジュアルの美しさと迫力だけはスゴイ(と言いつつ、2Dで十分と判断したが。万里の長城を守る精鋭部隊は、まるで戦隊モノのように色分けされ、弓矢や磁石や火薬をふんだんに取り入れたアクロバティックな戦いは見応えがあるが、地上戦になるとあの『エイリアン』の焼き直しみたいにしょぼくなる。
やはり見所は、空中石弓、空中戦などアクロバティックな戦いを繰り広げる。中でもパンジージャンプの様な扇子状の道具を使って、獣と闘う美女戦士軍団のアクションだろう。高所恐怖症なら 2D でも十分過ぎる位に恐怖体験できるから。
さて、本作は、名匠チャン・イーモウ監督のハリウッド進出作だが、恐らく今後はこの類の作品のオファーは無いだろう。アジアの映画監督が、ハリウッドで活躍して欲しいと願うのだが…
あとがき
金銭や名声のために傭兵をしてきた主人公が、万里の長城で怖さもキモさも乏しい伝説の獣たちと、戦隊モノみたいに色分けされた中国の戦士たちの命懸けで戦う姿を見て、正義に目覚めちゃうってお話。そこさえ了承済みなら、あとはB級映画の割に凄い、ビジュアルの美しさと迫力を楽しむだけです。
過度な期待は禁物です。あと、眼鏡使用の私にとって、「100分超の3D字幕版」は目に厳しいので、足を延ばして「2D字幕版」を観に行きましたが、十分楽しめました。
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