ひよっこ (第11回・4/14) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』(公式)
第2週『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』『第11回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
実(沢村一樹)と連絡が取れなくなり、一人東京に向かった美代子(木村佳乃)。しかし、実のいた宿舎や工事現場、警察署、どこを訪ねても出稼ぎ労働者の失踪はよくあると聞かされ、たまらない気持ちになる。一方、親戚の家に行くと聞いていたみね子(有村架純)は、バスの車掌・次郎(松尾諭)から美代子が本当は東京行きの列車に乗ったと知らされる。不安に駆られたみね子は、思い切って茂(古谷一行)にその理由を聞くが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
印象的な独白 敢えて2つに分け 連ドラらしさを醸し出す
アバンタイトルは、前回の終盤のバスの車内のシーンをそのまま無編集で振り返るかと思いきや…
みね子(M)「お父さん…お母さんは大丈夫でしょうか?
大丈夫ですよね?
前回の印象的なみね子(有村架純)のモノローグの続きを紹介しつつ、それがバスで学校に付いた授業中の言葉で、先生の声も耳に入らないことまで描いてきた。これ、普通のことなのだが、前回と今回がちゃーんと繋がってる。いや、敢えてモノローグを2回分に分けてから繋げるって技。さりげないけど連続性には効果的だ。
本音は、もう少し聖火リレーの話が観たい…
主題歌明け、気になってしょうがない聖火リレーのことが、やっと描かれると思ったが、裏で話が進んでいることの報告だけで、場面は東京の実(沢村一樹)が暮らす建設会社の宿舎へ。上野駅や宿舎近所のスタジオセットの作り込みの素晴らしさに目を奪われるが、本音はもう少し聖火リレーの話が観たいところだ。
いや、分かってるのだ。前回から物語の歯車が回り出したのだから、実の “蒸発” を描くべきなのは。でも、あの素敵なタイトル映像と明るい桑田さんの歌声のあとに、切実な話は似合わない、見たくないって考えてしまう。これが前作と比べれば贅沢な悩みなのは重々承知。でも、楽しい話の方が観たいのだ。
切実さやしんみりした話に見えないような工夫…
ただ、作り手たちも出来るだけ切実さやしんみりした話に見えないような工夫は、映像のあちこちに施されてはいる。例えば、美代子(木村佳乃)と管理人(原田麻由)の受付カウンター?でのやり取りのシーン。美代子の後ろの壁に紅白の2本のフラフープが掛けてあり、奥茨城の谷田部家とフラフープで繋がってたり。
でもね。やはり木村佳乃さんの名演技に加え、もぬけの殻の部屋の美術さんの汚しの巧みさとか、ハンディカメラの動きのリアルさで、どうしても楽しいお話と言う訳にはいかない。だから、美代子の顔のアップに奥茨城の日当たりの良い風景を直結して、視聴者の気分転換を図る。これがあるから、見続けられる…
増田明美さんの誠実な声とリズミカルな劇番で…
気分転換はまだまだ間続く。みね子と妹・ちよ子(宮原和)のカレーライス作りで、懐かしいCMと挿入しながら「語り」でカレールーの歴史のお勉強。こう言う場面で増田明美さんの誠実は声が活きて来る。それに、ちよ子の「寂しいね、お母ちゃんいないと」の台詞も、リズミカルな劇番で、仲良し姉妹の話に変身させたり…
2本のフラフープが繋ぐ、谷田部家の家族の絆…
で、場面は東京で工事現場、警察署と夫を捜し歩く美代子を挟んで、再び奥茨城。もう、父と母のことが心配でしょうがないみね子が、祖父・茂(古谷一行)に心の内を正直に明かす。有村架純さんが、高校生のみね子の切実な内面を上手く魅せる。
みね子「何で私に嘘つくの?お母ちゃん。何で嘘つくの?」
茂がみね子を手招きする際に、カメラが引きの俯瞰になって、ほら、例の2本のフラフープが画面のど真ん中に収まる。さっきのお母ちゃんの時は真後ろのど真ん中に大きく映り込ませて、こっちは2人の手前にひっそりと。ここでも、ちゃーんとメリハリが配慮されてる。こんなさりげない演出で家族の絆を描いている訳だ。
みね子の涙が心に沁みて、カレーライスに心が洗われた
茂 「親が子どもに嘘なんかつきてわげなかっぺ」
みね子「じゃ、何で?」
茂 「いいが?親が子どもに嘘をつく時はわげがあんだ。
子どものこどを思って嘘ついでんだ。分がっか?」
茂の言葉に返す言葉が見つからないみね子の心情をピアノの劇番で優しく代弁。みね子の目から溢れる涙が、最初向かって右から、続いて左からポロリと落ちるのが私の心に沁みて来た。朝ドラらしい祖父と孫のほんわかしたシーンだった。その後の、夕食のカレーライスで心が洗われた…
あとがき
ラストで、警察官に「ちゃんと名前があります」と泣いて夫の尊厳を守ろうとした美代子が感動的でした。もちろん切実でしんみりした話ではありますが、生きていく気力の強さを描いたエピソードとして、今回は上手くまとめたように思います。
警察官の綿引(竜星涼)と「すずふり亭」の人たちが、美代子に協力してくれるんですかね。昭和の光と影の部分が見事に描かれた15分間でした。次回にも期待します。
また、前回の感想に、数々のコメントや106回ものWeb拍手を頂き、ありがとうございます。明日は外出仕事なので、放送後すぐに記事を投稿できるか分かりませんが、一緒に本作の世界観を堪能しましょう…
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NHK連続テレビ小説「ひよっこ」1964年の食卓 (TJMOOK)
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