ひよっこ (第10回・4/13) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』(公式)
第2週『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』『第10回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
実(沢村一樹)が突然いなくなったとわかり、宗男(峯田和伸)も呼んで話し合う美代子(木村佳乃)と茂(古谷一行)。宗男は、東京へ様子を見に行ってはどうかと美代子に提案する。翌朝早く、美代子は子どもたちには福島の親戚の家に行くと言って出かけていく。しかし、高校へ行くバスの中で、みね子(有村架純)は車掌の次郎(松尾諭)から、「美代子が乗ったのは東京へ向う列車のはずだ」と聞かされ不安に駆られる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
時間の巻き戻しは、物語の流れに対する配慮
先日の「順番で大人になんの。次は私が大人の話に入る番」の発言以来、すっかりお姉さんになった、ちょっぴりお茶目な妹・ちよ子(宮原和)で始まった今回。前回のラストから1時間巻き戻して、みね子(有村架純)が宗男(峯田和伸)に感じていたどことない違和感を描くなんて、丁寧で良い。
それも、宗男が谷田部家にいるシーンまでは、アバンタイトルにしても良いのに、タイトル映像を最初にして、前回のラストから続けて描いたことで、事件の重大性が途切れることなく描かれた。こう言う小さなところにも、物語の流れに対する配慮があるのが今作だ。
"変なおじさん" の宗男が意外な役割を…
さて、実(沢村一樹)が突然いなくなったと分かり、宗男も呼んで話し合う美代子(木村佳乃)と茂(古谷一行)。普通の朝ドラなら、東京へ様子を見に行ってはどうかと美代子に提案するのは茂じいさんのはず。なのに、今作では宗男だ。宗男は朝ドラ定番の道化役と認識していたが、どうやらそうではないらしい。
やはり、あの背中の火傷に起因する宗男の人格設定は、普通で無いようだ。まだ、第10回ではあるが、宗男のトラウマみたいなものをチラつかせないのがいい。この先も “変なおじさん” のまま劇中に不思議な空気を吹き込んで欲しい。
ジェスチャーでメリハリを付けるのが楽しい
実失踪の重たい話から、美代子が子供たちんい福島の親戚の家に行くと嘘をついて、翌日の夕食のメニューを弟・進(高橋來)が決めることになったくだりが、大爆笑だった。まさか、ここでジェスチャーが登場するとは!こう言うメリハリが楽しい。昭和の普通の家族の物語。いいねぇ。
米を研ぎ釜に仕込んだ無言の演技と手のアップが秀逸
そして、美代子が東京へ出かける朝。静かに仏壇に手を合わせる美代子。すずふり亭のマッチ箱に何か “胸騒ぎ” を感じたのか、そのザワッとした気持ちを拭い去るように、いつも通りに米を研ぎ釜に仕込んだ。無言の演技、特に手のアップがみね子の不安な気持ちをよく表してた。丁寧で秀逸な演出と演技だ。
美代子の、嫁としての心情や茂への敬意が美しい
美代子「留守中、不自由かけてすみません」
先日は、東京に電話を掛けるだけなのに、茂に一言断っていた美代子。今回のこの台詞も、美代子の嫁としての心情や茂への敬意が表現されており、この辺も昭和の農家の嫁らしさが染み出てる。
とにかく家電など現代を表現するモノが登場しないと、一見ど田舎の農家で終わってしまうから、このような “昭和” を常に感じさせる仕掛けはどんどんやった方が良い。
あの風と、美代子の "胸騒ぎ" が見事にシンクロ
美代子が1人バス停に向かう場面での、あの風。偶然なのか、風待ちしたのか知らないが、特に美代子がふと見上げた朝日が昇って来た山の木々がザワザワと音を立てて揺れていたのが良かった。やはり、美代子の “胸騒ぎ” は治まっていなかったってことだ。
バスの車内のシーンは、朝ドラらしい、いいシーンだ
バスの車内のシーンはもう解説不要だろう。昨日書いた通りに、バスの美代子は下手(画面左側)を向いて走っている。劇番と相まって、不穏な空気感がどんどん重く積み重なっていく。そんな中で、車掌の次郎を演じる松尾諭さんが、絶妙なタイミングとバランスで明るさと笑いを吹き込む。朝ドラらしい、いいシーンだ。
「お父さん…」から始まってるのがいい
みね子「お父さん…。何でお母さんは私に嘘をつくんですか?
私の知らないところで嫌なことが起きてる気がして…
怖いです」
このみね子のモノローグ。「お母さん、何で私に嘘をつくんですか?」で無くて、「お父さん…」から始まってるのがいい。みね子が頼りにしているのは父親であり、家族のために出稼ぎに行ってる父親を心配していることが良く分かる。そして、あの目をパッと開いたみね子は、次回で茂に真相を聞き出すと言う暗示になってる。
今回の15分間。いよいよ物語が大きく動く、歯車が大きく回る、そんな予感をさせた。1つの区切りの第10回だが、ここまで見る価値ある朝ドラになっている…
あとがき
過程が丁寧に描かれているのが、気持ち良いです。前作なら「父ちゃんがいなくなった!」と大騒ぎするものの、ヒロインは「何か、何かなぁ」と中途半端で、父の失踪先の映像でネタ晴らしして終わってるでしょうね。丁寧な描写が素晴らしいです。次回も楽しみです…
また、前回の感想に、数々のコメントや94回ものWeb拍手を頂き、ありがとうございます。いよいよ物語が動き出しそうですね。大切に見守ろうと思います…
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