ひよっこ (第8回・4/11) 感想

NHK総合・連続fテレビ小説『ひよっこ』(公式)
第2週『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』『第8回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
三男(泉澤祐希)に話があると呼び出された時子(佐久間由衣)。それは全国を巡回していた聖火リレーを、奥茨城村でも独自にやろうという提案だった。ついに告白かと構えていた時子は、自分の勘違いに恥ずかしくなる。そこをみね子(有村架純)にとりなされ、村にいた証しを残したいという三男に協力することに。実現の鍵を握るのは青年団と聞き、さっそく計画を立て始める。一方、実への郵便が「宛先不明」で戻ってきて…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
面白くなりそうなアバンタイトル
放課後の常陸高校吹奏楽部の練習風景で始まった第8回。僅か数秒のカットでも、ちゃんと作り込んでるのが分かる。で、こう言う小さな1カットが作品をリアルに見せる。突然、昨夜見た『胸キュンスカッと』を彷彿させるシチュエーションの三男(泉澤祐希)と時子(佐久間由衣)で物語が動き出すのも、楽しいアイデア。
もんぺ姿?のみね子(有村架純)が、当時にしてはミニスカの時子の気まずい雰囲気を上手く取り成すのが、何ともアンバランスで可愛い。そして、三男から唐突に「聖火リレー、やんねえが?」の提案が。面白くなりそうなアバンタイトルだ。
タイトル映像、センス良く作り込まれていてスゴイ
そして、私がお待ちかねのタイトル映像。田んぼが畳で、畦道が畳の縁、稲刈りが靴ブラシの製造風景で、奥にタワシもあったりして。子どもたちが野球をする芝生の公園が緑のセーターで、塁(ベース)が白いボタンも素敵。手回し式洗濯脱水機を防波堤、青い布巾を水の流れに見立てて、如何にも涼し気…
食パンの駅のホームに、コッペパンの列車の後は、家電製品でこしらえた銀座の風景。レトロな時計が、朝ドラ開始の8時15分を指してる。そして、シーンは朝から夜の銀座の街に。タイトル映像に時間軸があるのはとても新鮮だ。そして、切子細工風やクリスタルのガラス容器の電飾が煌めく夜の街へ…
タイプライターが競技場のスタンド席になってるのも可愛いのだが、私が一番好きなのが、そろばんで出来た団地。奥の団地群も良いのだが、手前の珠を外したそろばんが建築途中の団地に見えるのが凄いアイデア。トランジスタラジオの電子基板が工場なんてのも雰囲気ピッタリ。おっと全部解説してしまった…
今回は、みねこ、三男、時子の会話が面白過ぎる
タイトル映像の話はこの位にして、場面は放課後の教室。奥茨城村でも聖火リレーを独自にやろうと、妙に力説する三男にも笑わせられるが、この後の3人のやり取りが面白い。そして、みね子の優しさや生真面目さが適切に表現されてる。このように、きちんとヒロインをヒロインらしく魅せるのは実にいいことだ。
時 子「そう言うこと。奥茨城なんだからしょうがない。
茨城の奥なんだら。そんなこと言ったら、
日本中全部走って回らなきゃならなくなるし。ね!」
みね子「時子、ちょっと冷たすぎだ。
さっきのこどで気まずいのは分がっけど、
取り敢えず忘れっぺ」
三 男「恋の話は、また別の機会にな」
時 子「いらない!…分がった。ちゃんと聞く」
登場人物の "らしさ" を視聴者に植え付ける工夫
「俺がこの村にいたんだってこどをさ。何か、残してえんだよ…」と、村にいた証しを残したいという三男。高校卒業後に故郷を離れて東京で就職予定の三男の気持ちに、快く賛同するみね子と時子。やることが決まったは良いが、その先はノープランと言うのが三男らしい。そう、三男らしさが既に醸し出されいる。
もちろん、みね子も時子も。いやいや、その親たちもきちんと “らしさ” を視聴者に植え付けようとする工夫も、わざわざ想像シーンでコミカルに描くのも丁寧過ぎる。ホント、描写の丁寧さが素晴らしい。じいちゃんの茂(古谷一行)がちょっと僻んで見せるのもお茶目で、朝からホッとさせてくれた。
ちよ子と進の妹弟の滑稽さが可愛らしい
第1週で、妹・ちよ子(宮原和)と弟・進(高橋來)も “らしさ” を描いているから、もうこんな会話も実に2人らしいやり取りに見える。そう言えば、この年頃の姉と弟って、こんな感じなんだよなって。分かってるようで分かってない。そんな滑稽さがちよ子と進にはお似合いだ。
進 「まだ?つまんねえね。話し合いは」
ちよ子「しかたなかっぺ。子どもなんだから。
順番で大人になんの。次は私が大人の話に入る番」
進 「え~!?」
ここでも登場人物の紹介の仕方が、よーく工夫されている
とにかく、登場人物たちの紹介の仕方が、よーく工夫されている。聖火リレーは青年団の協力無くして成功しないって話にして、三男の兄・太郎(尾上寛之)が保守的な男であること、時子の兄・豊作(渋谷謙人)が村一番のケチって、しっかり印象付けた。笑いを描きながら必要な説明は入れる。良く出来た脚本だ。
高校の廊下のシーンでは、美術スタッフに天晴だ
翌日の高校のシーンは、美術スタッフが頑張った。廊下の丸めた模造紙のクシャっとした所とか、ペン立ての雑な筆とか。それより何より、3人をモチーフにして架空の映画『青春のあかし」のポスターまで作るとは!それもちゃんと日活純愛映画の雰囲気そのままで。
原作がみね子の弟の進で、脚本は時子の兄の豊作、撮影がみね子たちが通学に使うバスの車掌の益子次郎(松尾諭)、そして監督がみね子の叔父・宗男(峯田和伸)って言うのが実によくハマってる。演出部だって手抜き無し。メインは廊下で話す3人なのに、校庭にも生徒がいた。やはり、丁寧な作り込みを見ると安心する。
終盤2分間のメリハリある展開が良かった
秋の夕暮れの広場で遊ぶ3人の映像に、みね子が父親に宛てた手紙のモノローグが入って、その中で父親を「誇らしかった」と言う言葉にジーンと来てしまった。そして、何気に時子への恋心を見せる三男に笑った。みね子の「うっせえな」も決まってた。
時 子「しょうがねえな。見せてやるか」
三 男「優しいな、やっぱ時子は。みね子とは大違えだな」
みね子「うっせえな」
そんな微笑ましい青春の1ページを丁寧にコミカルに14分間描いてきて、突然の「転居先不明」で戻って来てしまった夫への手紙と小包に、不安いっぱいの美代子(木村佳乃)。いよいよ不穏な雰囲気が漂い始めた第8回だった…
あとがき
今回くらいに、ヒロインのみね子を中心に描いてくると満足度が増しますね。東京で行方不明になった父に会えると思って、集団就職で東京に行くみね子を描くんですよね。行方不明のくだりをどの位本編に盛り込んでくるんでしょう。今週は、そこが見所かもしれませんね。
出来れば、第2週は、「奥茨城編」と「東京編」みたいな二本立て仕様でなく、あくまでもメインは「奥茨城編」で、みね子の三男と時子との “青春のあかし” をキチンと描いて欲しいです。美代子とすずふり亭のみんなが初めて会うなんてのは、ちょっといいなと思います…
なお、前回の感想に、数々のコメントや88回ものWeb拍手を頂き、ありがとうございます。3桁から少し落ち着いて、ホッとしました。いつも絶賛とは限りませんので、あしからず…
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
連続テレビ小説 ひよっこ Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 ひよっこ 上
NHK連続テレビ小説「ひよっこ」1964年の食卓 (TJMOOK)
★本家の記事のURL →
http://director.blog.shinobi.jp/Entry/9740/
★FC2ブログへトラックバックが送信できない方は、
http://dmesen.seesaa.net/article/448913271.html でも受付けております。