ひよっこ (第5回・4/7) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』(公式)
第1週『お父ちゃんが帰ってくる!』『第5回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
帰郷した実(沢村一樹)が東京で買ってきてくれた靴をうれしそうに眺めるみね子(有村架純)。もったいないからとすぐには履かず、卒業式まで大切にしまっておくことにする。久しぶりに家族がそろった食事の席はにぎやかで、お土産のポークカツサンドのおいしさに驚く。妹たちが寝静まった後、眠れないみね子は実たちの会話を聞いてしまう。気づいた実は、もう大人だから会話に入れとみね子を呼び、谷田部家の家計の話を始める。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
しばし離れていた家族の温もりを表現して始まった…
「実お父さんが、稲刈りのために帰って来ました」の語りだけで、前回の振り返りを敢えて「引き算」して、前回での洋食屋「すずふり亭」でのほんわかしたやり取りは視聴者の中で温めさせて、映像ではコスモスの小さな花束だけで、しばし離れていた家族の温もりを表現して始まった第5回。
新品で大切な物は大事な日に身に付ける習慣って良いな
その後も話は巻き戻ることなく進んで行く。帰郷した実(沢村一樹)が東京で買ってきてくれた靴を嬉しそうに眺めるみね子(有村架純)が、小さな声で「まだ、しまっとこ」とモノを大切にする姿だけで、みね子の優しさが伝わってくる。
それに引き換え、嬉しくて新品の靴を履いて走り回る進(高橋來)を、「うちん中で靴履いてる悪い子はどこだ~?」と追い掛ける実も、昭和の日常って感じ。そんな中での、このみね子の台詞に嬉しくなった。
みね子「でも。もったいないから、まだ履かない」
美代子「何で?」
みね子「卒業式にさ、きれいな靴で行きたいの」
こう言う一挺蝋(いっちょうら)って訳ではないが、新しくて大切なモノは大事な日に身に付けるって習慣って良いなって。私は、祖母から教わって未だにスーツと靴は使い始めの日を決めてしまう。モノを大切にする気持ちを大切にしたい。ただそれだけなのだが、それが昭和では日常だったのを思い出した。
マッチ箱1つで「すずふり亭」の人たちを表現
お土産のポークカツサンドもナント木箱入り。木箱1つで鈴子(宮本信子)らの仕事の丁寧さや気持ちが伝わって来る。とにかく、久し振りに家族が揃った食事の席は賑やかで、おかずも笑顔も溢れていた。手でカツサンドを食べてる時も、鈴子らの映像は挿入せずに、今度はマッチ箱1つで「すずふり亭」の人たちを表現した。
実 「それは、宝物だ。いつか皆で行げだら良いな」
ちよ子「皆で行くの?東京さ行ぐの?」
進 「東京さ行くの?」
みね子「いつか、だよ。いつか」
そして、東京がまだかなり遠い所で、でもそこには自分たちが知らないモノもお金もたくさんあって、夢が叶う場所みたいな雰囲気を醸し出してきたのは、大きな収穫。日常を丁寧に淡々と描くのも悪くないが、少しネタフリしてきても良い頃。この後の話に続く薄っすら目な東京の話のタイミングが良かった。
後半は「みね子、大人の階段昇る」…
さて、後半は「みね子、大人の階段昇る」と言ったところだろうか。真面目で真剣な家族の経済状況の話なのに、ちょっとコミカルな劇番で始まったのも面白い。女子高校生としての思いと、父親への感謝、大切な家族への気持ちが、複雑に入り混じって、心の整理がつかないみね子と、父の実の会話にジーンと来た。
実 「みね子は、うちの仕事好きが?
うちのこどや畑のこどは好きが?」
みね子「うん、好きだよ。
お母ちゃんみてえになりてえって思ってるし、
野良仕事も好きだ。
私もっと頑張っていろんなもの作りたいって思う。
でも…」
実 「お前は…。高校出たらうちを手伝え。
外に稼ぎに行ぐのは父ちゃんお仕事だ。
お母ちゃんやじいちゃん助けでやってくれや。
じいちゃんと母ちゃんだげでは大変だがらな」
みね子「うん…」
実 「うん…」
みね子「頑張ります! 私、頑張ります!」
実 「よし。頼もしいな!」
美代子「頼りにしてっからね」
食わせてもらってるだけの子どものみね子が、家の経済状況を教わって、ちょっとだけ大人の仲間入りをした。実に、自然体でいい感じ。そのシーンを更に、こんなみね子のモノローグで締めくくるなんて美しいし、前述の “少しのネタフリ” の意味も込められており、脚本の巧みさが良く分かる。
みねこ(M)「お父さん…私はこの夜のことを忘れません。
すっごく嬉しかったんです。
大人として扱ってもらったこと。
体が熱くなる位に照れくさくて嬉しくて…
誇らしいと言うか、そう言う気持ちで。
そして、うちは貧しいのかもしれないけど、
皆が頑張っていて、こうやって笑って…
幸せだなって私は思いました
貧しい田舎の農家のどこにでもある昭和の日常的な情景なのだが、ひよっこがほんの少しだけニワトリに成長した今回。きっと後々に重要なシーンになるのかもしれない。それにしても、実はスゴク深刻な話なのに、沢村一樹さんの優しく明るい表情と有村架純さんの凛とした表情で、素敵なシーンになった。
登場人物に共感し応援し、元気を貰える朝ドラの再帰か
みね子の「皆さん!明日は頑張りましょう!」の掛け声に元気を貰った。そして、多くの視聴者が谷田部一家にエールを送ったに違いない。ヒロインに共感し、脇役たちにも共鳴し、応援したくなる朝ドラ。そして、観ているこちらも朝から元気を貰える朝ドラ。そんな朝ドラが帰って来たのだ。
あとがき
未だ視聴率が、20%の大台に乗っていない本作。原作やモデルやモチーフがいないため、先が読めない不安が影響しているのでしょうか。私としては、先が読めないからこそ、毎日観る楽しさがあると思っています。どうか、オリジナル脚本の底力を見せつけて欲しいです。
前回の感想に、48回ものWeb拍手を頂きありがとうございます。
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
連続テレビ小説 ひよっこ Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 ひよっこ 上
NHK連続テレビ小説「ひよっこ」1964年の食卓 (TJMOOK)
★本家の記事のURL →
http://director.blog.shinobi.jp/Entry/9726/
★FC2ブログへトラックバックが送信できない方は、
http://dmesen.seesaa.net/article/448797682.html でも受付けております。