映画「パッセンジャー(字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレあり


ざっくりストーリー ※ネタバレ無し
近未来。新たなる居住地を目指して、5,000人の乗客(パッセンジャー)を乗せた豪華宇宙船アヴァロン号が地球を出発した。全員が目的地の惑星到着までの120年間を冬眠装置で眠るはずが、エンジニアのジムと作家のオーロラだけが予定よりも90年も早く目覚めてしまう。
絶望的な状況下、二人は何とか生き延びようとする中で、互いを求め合い、愛し合っていくが、予期せぬ出来事が二人の運命を更に狂わせていく…
宇宙空間での単なるラブ・ロマンス物語に、拍子抜け…
近未来の宇宙空間を舞台に、目的地到着よりも前に冬眠から目覚めてしまった男女の運命を描くSFアドベンチャー映画」。宇宙空間での孤独とサバイバルを描いた作品には『月に囚われた男』『オデッセイ』等があり、秀作揃いだ。また、極限の無重力空間でサバイバルする男女の運命を描いた秀作の『ゼロ・グラビティ』もある。
しかし、本作は前述の3作とは趣が異なる。物語は、最初に目覚めたジムの “ある行動と秘密” が最大の重要事項をきっかけに、壮絶な心理戦や命懸けのサバイバルになると思いきや、終わってみれば単なるラブ・ロマンス物語で、かなりの拍子抜けをした。
ここからネタバレあります!
ジムの "ある行動と秘密" をどう捉えるかで見方が変わる
本作を評価する際に重要なのが、最初に目覚めたジムの “ある行動と秘密” をどう捉えるかで、本作に対する評価や印象がだいぶ違ってくる。では、その最初に目覚めたジムの “ある行動と秘密” は何なのか?
ジムは1年間以上、孤独と闘う。中でも “1人だけ” と言う状況下で、特にコミュニケーションへの渇欲があったのだろう。ナント、綺麗な女性を目覚めさせてしまうのだ。自分と同じ絶望に引きずり込む罪悪感はあっただろうが、そこは余り描かない。そして、この真実を隠したまま、図々しく恋に落ちる…
その後は、当然のごとく真実がばれて、女は激怒。でも、ここから物語はどんどんご都合主義になって、都合よくトラブルが発生し、運よく助かったりして、最終的には仲直りをして…。
ジムの、"スーペース・ストーカー" に共感できず…
これ、ジムが “困ったさん” 過ぎる。自分が寂しいからって相手の不幸を顧みずに自分側に引き込むなんて、ほぼほぼ「スーペース・ストーカー」のレベル。確かに、装置の故障でたった1人目覚めてしまったのは極めて不幸だが、冬眠から覚めさせる女性を選んで、それで結ばれてハッピーエンドには共感できない。
あとがき
自分の身にこのような事が起こったら、ジムのような行動を取らないと言う自信はありません。誰かとコミュニケーションを取りたいと言う欲求は消すことができないと思うから。しかし、あまりにもストーリーに突っ込み所が多いし薄っぺら。
ただ、宇宙船内の美術デザインや無重力プールなどは魅せてくれるし、ロボットのバーテンダーの役どころの設定は上手い。まあ、完全な機械も無ければ、人間もいないと言うテーマとしておきます。出演者のファンにはお勧めしますが、『オデッセイ』的な作品を期待すると痛い目に合います。
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
Passengers (2016) - Blu-ray/UltraViolet
Passengers CD, Import トーマス・ニューマン
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/9678/
★FC2ブログへトラックバックが送信できない方は、
http://dmesen.seesaa.net/article/448345806.html でも受付けております。
- 関連記事
-
- 映画「グレートウォール(2D・字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし (2017/04/16)
- 映画「ゴースト・イン・ザ・シェル(字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし (2017/04/07)
- 映画「パッセンジャー(字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレあり (2017/03/24)
- 映画「モアナと伝説の海(字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし (2017/03/10)
- 映画「WE ARE X」 感想と採点 ※ネタバレなし (2017/03/03)