べっぴんさん (第133回・3/11) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第23週『あいを継ぐもの』『第133回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 本作は、2/28 にクランクアップ(撮影終了)しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
オイルショックによって日本の経済は大混乱に陥った。すみれ(芳根京子)や紀夫(永山絢斗)は、キアリスの経営拡大に対し、今こそ慎重姿勢をとるべきだと訴えるが、健太郎(古川雄輝)だけは守りに入ることに反論を続ける。一方、一時は飛ぶ鳥を落とす勢いだった栄輔(松下優也)のエイスは、売り上げが下がり始めたことを理由に、古門(西岡徳馬)から見放され、資金繰りに失敗してしまう。エイスは破綻し、社長の栄輔も…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
未だ「キアリス」がどんな規模の会社なのか全く見えない
アバンタイトルでは「急速に経営拡大してきた」と紀夫(永山絢斗)が言っていたが、終盤ではその紀夫社長が社長室にかかって来た外線電話に自ら出る。ずっと言ってきているが、「キアリス」ってどんな規模の会社なのか全く見えてこない。私としては、何よりもそこを描くべきだと…
だって、今回の「エイス」の倒産のくだりでも、ぼんやりではあるが「エイス」「大急百貨店」「オライオン」「KADOSHO」の企業規模は描かれている。唯一「キアリス」だけがどの程度の大きさの会社なのか見えていない。そんな状態で、企業の倒産だなんだと描いても、こちらはちっともピンと来ないのだが…
本作が今これまでの尻拭い中を示す "5つの台詞"
すみれ「今 必要なものは赤ちゃんのものやと思うの」
ゆり「はぁ~ 何やろなぁ。終戦直後みたいやわ」
さくら「自分のものは我慢できるけど
赤ちゃんのものは 絶対に必要」
ゆり「そやからね すみれたちは 頑張ったのよ」
さくら「親になって 分かる事 たくさんある」
もう、5つの台詞だけで、本作の現状がこれまでの尻拭いをしているのはお分かり頂けるだろう。「必要なものは赤ちゃんのもの」と言いつつ創業当時以外はほぼ子供服の話だったすみれ(芳根京子)のくだり。
「終戦直後みたい」と言うゆり(蓮佛美沙子)も確かに闇市ではいろいろあったが、物資の面ではすみれたちに分けることが出来たほど困窮はしていなかったし。「自分のものは我慢できる」と言うさくら(井頭愛海)は連日の我がままし放題。
「すみれたちは頑張った」とゆりはずっと見てきたように言うのも違和感だし こちらとしては “すみれたちは頑張った” を見せられていないから、こうして毎朝イライラしているし。さくらの「親になって」に至っては、今回初めてそう言ったに過ぎない。
台詞で過去を説明するから、全編違和感だらけ
厳しいね、これ。脚本家も終盤に来て薄々気付いたのだろうか。本作を締めくくるに当たって、実は使える回想シーンやエピソードが極端に少ないことに。だから、慌てて欲しい部分を台詞にして喋らせているのが見え見え。そして、演出家はそんなんでは15分間が埋まらないから、資料映像を必要以上に挿入したり…
もう、見ていて痛々しい程だ。そして、回想シーンと言う映像で見せずに、台詞で過去にあったことを説明するから、全編違和感だらけになる。
連続性どころか辻褄も整合性も現実味も薄まってる…
行方知れずの栄輔(松下優也)をゆりの家で匿うことになった。この脚本家は何か事が起きるとすぐに自宅に匿うが、何か安直に見えてしまう。栄輔が最初に「おめでとうございます」と言うのも不自然だし、字幕で栄輔が言う「藍ちゃん」が漢字で表記さることすら違和感の上塗りになる始末。
もう、細かく突っ込むのが面倒だからすべて書かないが、今回の「キアリスガイド」の扱いも然り、社長が帰宅後風呂から出る頃なら最初からニュース番組を見てろとか、もう「騒動」に仕立てるために、連続性どころか辻褄も整合性も現実味も薄まってる。こりゃあ、困ったぞ。
あとがき
ライセンス契約の件も、さくらと君枝の嫁姑問題も回収せずに、来週は映画撮影で賑やかにってことですか?いっそ、「キアリス」が倒産の危機にあって、親族家族友人たちが一致団結して危機を乗り切る位のクライマックスを作った方がマシなのでは?もちろん、時既に遅しですが…
[お願い] コメント等でのあらすじのネタバレ厳禁でお願いします。今やストーリー展開が唯一の私の楽しみですので…(困)
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坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
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【これまでの感想】
●“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
●「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
●べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
●「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
●「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
●「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
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第2週『しあわせの形』
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第3週『とにかく前に』
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第4週『四つ葉のクローバー』
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第5週『お父さまの背中』
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第6週『笑顔をもう一度』
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第7週『未来』
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第8週『止まったままの時計』
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第9週『チャンス到来!』
49 50
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第10週『商いの聖地へ』
55
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第11週『やるべきこと』
61
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第12週『やさしい贈りもの』
67
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第13週『いつものように』
73 74 75
第14週『新春、想(おも)いあらたに』
76 77 78 79
第15週『さくら』
80 81 82 83 84 85
第16週『届かぬ心』
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第17週『明日への旅』
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第18週『守るべきもの』
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第19週『希望』
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第20週『旅立ちのとき』
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第21週『新世界へ、ようこそ』
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第22週『母の背中』
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第23週『あいを継ぐもの』
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