べっぴんさん (第131回・3/9) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第23週『あいを継ぐもの』『第131回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 本作は、2/28 にクランクアップ(撮影終了)しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
キアリスを急成長させたいと奔走する健太郎(古川雄輝)は、さくら(井頭愛海)が生まれてくるわが子を思って生み出したキアリスの新キャラクターを利用しようと考える。すみれ(芳根京子)は焦らずもっと時間をかけるべきだと諭すが、健太郎は聞き入れない。それからしばらくして、臨月を迎えたさくらは無事に女の子を出産する。孫の誕生に喜ぶすみれたち。健太郎が生まれてきたわが子につけた名は…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
どうして、さくらを "鬼女" ように描くのだろう?
前回の感想が少々ざっくりだったから、今回は少し細かく書いてみる。と言うか、ざっくりとは書けない15分間だったのだ。
とにかく「サミーちゃん」が気になってしょうがない。さくら(井頭愛海)が生まれてくるわが子を思って生み出したキアリスの新キャラクターとは言え、会社の業務の一環として作成した「サミーちゃん」の著作権は、 “職務著作” だから「キアリス」に帰属するのではないだろうか。
従って、さくらが「サミーちゃん」を商売に利用しようとする健太郎(古川雄輝)に怒りをぶつけるのは筋が通らない。よって、いつも通りに「さくら=鬼女」と言う印象を与えるだけのエピソードになっているのが解せない。いっそ、さくらが業務外にデザインしたことにしたら良かったのにと思う、その理由は…
どうして、健太郎を生き急ぐように描くのだろう?
何か、今週の本作を見ると朝から気持ちがざわつくと言うか、嫌~な気持ちになる。その原因の1つが、健太郎だ。なぜ健太郎はこうもあれこれ生き急ぐのか。子供の頃は落ち着いた青年だったのに、会社で役目を与えられた途端に、猪突猛進と言うよりただの単独行動、独走しっ放し。
その理由が、役職が付いたからとか結婚したからとか子供が生まれるからとか、そう言うことが描かれていれば気にならないのだが、全く描かれずにただただ単独行動をしているのが見ていて危なっかしくて怖いのだ。決して、健太郎に感情移入しているのでない。朝からこんな嫌な人間を見たくないのだ。
だから、いっそのこと健太郎をもっとバカ者に描いて、改心するのを見せて欲しい。そのためには、さくらが仕事と無関係に創作した「サミーちゃん」を、独断で商売に利用しちぇば良いと考えたのだ。と言っても、健太郎の独断が通れば、「キアリス」の社長や役員たちがお飾りだと言うことになってしまうが。
どうして、栄輔を死に急ぐように描くのだろう?
本作を見ると朝から気持ちがざわつくと言うか、嫌~な気持ちになる。そのもう1つの原因が、栄輔(松下優也)だ。生き急いでいるように見える健太郎に対して、栄輔は死に急いでるって感じだろうか。そして、栄輔のそう見える原因もそれ程には描かれていない。ただただポケットに手を突っ込んで猪突猛進している。
栄輔のモデルとなった人物の史実からすると、栄輔の末路は想像できるのだが、朝ドラで、子供服を作る人たちのドラマで、こんな嫌な人間を見たくない。この脚本家は、どうして朝から見たく無いような登場人物ばかり描くのだろう。不思議でならない…。飲食業なのに茶髪でボサボサ頭で不潔な龍一(森永悠希)も然りだ。
健太郎とさくら夫婦から "安らぎ" を微塵も感じない
ついに、いや朝ドラとしては異様な位にあっさりと赤ちゃんが生まれた。さくらと健太郎の恋愛期間も結婚式も披露宴も描かず、産まれた。まあ、それは良い。気になったのは、子どもの名前を健太郎が単独で決めたことだ。そして、違和感が湧く程に、その命名をさくらが受け入れたことも気になった。
健太郎「周りの人に 安らぎを与える…」
「藍(あい)」と名付けた理由が「周りの人に 安らぎを与える…」と言うことだが、私には健太郎とさくらの夫婦から “安らぎ” を微塵も感じない。今となっては、すみれ(芳根京子)と紀夫(永山絢斗)の夫婦の方が “安らぎ” を感じる。本当に違和感だらけとしか言いようがない。
どうして、ここまでさくらを "鬼女" に描くのだろう?
我が家のテレビが壊れたのかと思った。そもそも、あの君枝(土村芳)が藍を抱いていたシーンが、これまた気持ちがざわつくと言うか、嫌~な気持ちになった。普通に坂東家と田村家の初孫誕生物語で終われば良いものを、わざわざ「跡取り問題」と言う騒動をくっつけるからだ。
更に、団らんのシーンからカットチェンジで鬼女の形相のさくらのアップへ。もう、ここまでやると気分が悪くなる。放送直後の『あさイチ』では “どこの家庭でもあるような” と言っていたが果たしてそうだろうか。
そして、さくらと健太郎の言い合いを、まるで “どこの家庭でもあるような” 夫婦喧嘩は犬も食わぬと言わんばかりに、呑気に聞いているすみれと紀夫夫婦を見ると、先に言った “安らぎ” を感じると言ったのは、即刻撤回せざるを得ない。ホント、朝から気持ちがざわつくと言うか、嫌~な気持ちになる15分間だった
あとがき
新たな命の誕生にも全く感動できず、赤ちゃんの存在を心から喜ぶ人たちにも共感できない。登場人物たちは皆自己中心的だし、理由も無く忙しない人間もいる。おまけにヒロインの娘はいつも “鬼女” のように夫にきつい口調で我儘言い放題。どうして、こんな人や出来事ばかりを強調するんでしょうか?
今回は、流石に脚本家と演出家のみならず、これを平然と放送し続けるNHKに怒りと諦めしかありませんでした。私は、「ファミリア」の、子供服の、母が子を思う気持ちの、夫婦二人三脚の…そんな朝ドラが見たかったんです。これって、贅沢な期待でしょうか。
[お願い] コメント等でのあらすじのネタバレ厳禁でお願いします。今やストーリー展開が唯一の私の楽しみですので…(困)
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坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
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【これまでの感想】
●“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
●「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
●べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
●「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
●「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
●「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
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第2週『しあわせの形』
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第3週『とにかく前に』
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第4週『四つ葉のクローバー』
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第5週『お父さまの背中』
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第6週『笑顔をもう一度』
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第7週『未来』
37 38 39 40 41 42
第8週『止まったままの時計』
43
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第9週『チャンス到来!』
49 50
51 52 53 54
第10週『商いの聖地へ』
55
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第11週『やるべきこと』
61
62 63 64 65 66
第12週『やさしい贈りもの』
67
68 69 70 71 72
第13週『いつものように』
73 74 75
第14週『新春、想(おも)いあらたに』
76 77 78 79
第15週『さくら』
80 81 82 83 84 85
第16週『届かぬ心』
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第17週『明日への旅』
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第18週『守るべきもの』
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第19週『希望』
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第20週『旅立ちのとき』
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第21週『新世界へ、ようこそ』
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第22週『母の背中』
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第23週『あいを継ぐもの』
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