べっぴんさん (第126回・3/3) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第22週『母の背中』『第126回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 本作は、2/28 にクランクアップ(撮影終了)しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
さくら(井頭愛海)は、すみれ(芳根京子)に次の商品審議会に参加したいと申し出る。快く承諾されたものの、「キアリスらしさ」がなかなか理解できず悩むさくら。しかしそんな時、すみれから子供の想像力の豊かさについての話を聞き、ヒントを掴んださくらは猛然とスケッチブックに向かう。一方、周りには秘密にしながらさくらと交際していた健太郎(古川雄輝)は決意をかため、すみれたちの前で突然の告白をするが…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
未だ、分からぬことばかり これが全ての違和感の根っこ
「キアリス品質」も「キアリスらしさ」も今一つ分からないのだが、「キアリス」と言う会社の規模や社風がちっとも見えてこない。それが、全ての違和感の根っこに繋がってる。例えば、アバンタイトルでのすみれ(芳根京子)の仕事風景。いくら社長室に専務の机があるからって、来賓客が来るだろうに…
その上、もう一つ分からないのが、前回でも感じた、なぜ商品審議会にさくら(井頭愛海)が参加したいと言い出した根拠だ。一応 “母の背中” を見てと言う風になっているが、一体さくらが何を見たのか具体的に描写されていない。ただただ、何となく雰囲気でそうなってるだけ。ホント雑としか言いようがない。
あの、すみれのわざとらしい汚しメイクも視聴者を馬鹿にしているようにしか見えないのだが。
意地悪な印象しかない長谷川が言っても、心に響かない
そんなアバンタイトルが終わったと思ったら、今更「坂東営業部」の話って。それも殆ど思入れの無い長谷川(木内義一)の定年退職祝いなんて、誰が見たいと思うのだろうか。しかし、この脚本家はこんな長谷川にとても重要な台詞を言わせた。ただ、紆余曲折って勤続40年と言う理由だけで…
長谷川「どう働くかは どう生きるかに つながります」
まあ、とって付けたような台詞だが、煮え切らない紀夫(永山絢斗)に食って掛かったり、意地悪な印象しかない登場人物が言ったところで、ちっとも心に響かない。なぜ、こんな所に坂東営業部の退職社員の話を挿入したのか。それでなくても、肝心な“母の背中” が中途半端なままだと言うのに…
すみれが、アイデアのヒントをさくらに出したってこと?
さて、物語は龍一(森永悠希)の「あるよ」のパクリが空振りに終わって、唐突にお手玉の話。この直前に妙な回想を入れるんなら、ここですみれとさくらがお手玉で遊んでる回想シーンを入れたら良いのに。前回同様、さくらの幼少期の回想の入れ方が下手過ぎる。
で、ここで残念なのが、すみれがお手玉の話から子どもの想像力の豊かさの話へシフトしたことが、さくらへのヒントなのか偶然なのか見分けがつかない演技と演出になっていること。ドアの外で何かに閃いたさくらに嬉しそうにするすみれのカットが続くが、何カット見てもどちらか判断しにくい。
家では仕事の話はしないルールの中で、さくらにヒントとなるボールを投げたら、さくらがそれを上手くキャッチしてくれたのを喜んでいるすみれに見えたのだが、これって “母の背中” を見て…と真逆のことを描いてやしないだろうか。母の仕事っぷりや仕事への姿勢を見て、気付いたのは商品審議会への参加だけ?おかし過ぎる。
さくらの演説って、入社時に全員知ってることでは?
もう、商品審議会の当日のシーンはナント表現したら良いのか。すみれの親馬鹿加減が炸裂で、リスが描かれていることが「キアリスらしさ」みたいなことになって、正直ここまで適当な話になったことに驚いた。
そもそも、今回さくらが説明したことって、普通は会社案内とか社是として明文化されているようなものではないのか?毎日毎日そのことを忘れずに働くことが、「どう働くかは どう生きるかに つながります」に繋がるように描くべきだったのでは?
参加から発表まで、1週間掛けて丁寧に描くべきだった
恐らく、本来ならさくらが商品審議会に参加すると決めた部分から、今回の作品発表までをじっくり1週間かけて描くべきだった。そして、「キアリス品質」「キアリスらしさ」が母から娘に正しく継承されたと言う本作のエピローグの中の見せ場にするべきだった。もちろん、そのためには相当な下準備を描く必要があるが…
まあ、製品化が決定したことを喜んでる先輩社員たちが、未だに社長令嬢に媚びを売っているようにしか見えない時点で、本作にそんなに長い仕込みや下準備が出来るとは思えないが。
あとがき
最後の「名前が無い喫茶店」でのシーンを見て、やはり今作の致命的に悪いのは、すみれとさくらが母子に見えないことだと思いました。外見的なことではなく、前回のあとがきにも書いた通り、さくらは第2週からずっと劇中に存在していたんです。なのに、母と娘の関係を殆ど描いて来なかった。
描き始めたのは、突然の娘の反抗期からでは、流石に好意的に脳内補完しようにも、すみれとさくらがお手玉で愛情を交わし合った母子には見えないのは当然。なのに、今回も強引にそう言うことにしてしまいました。すみれと健太郎の結婚についても過程は無くて、視聴者はすみれと一緒に事後報告を受けるだけ。
こんな中身の乏しい騒動だけを、これまた順序も適当に並べ、結果的に強引に前に進めて既成事実化して話をどんどん進めるのは、もはや連ドラとして成立しているとは言えません。やはり、さくらが生まれて、生活が苦しくて、子どもの面倒を見ながら「子供服」の店で成功すると言う単純な物語で良かったんです…
それと、5/6にジャズ喫茶「ヨーソロー」が舞台のスピンオフドラマのBSプレミアムで放送が決定しました。すみれ(芳根京子)が語りを務め、本編では描かれなかった5つのエピソードのオムニバスドラマだそうです。やっぱり作るんですねって感じ。私は見ませんが…
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坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
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