べっぴんさん (第122回・2/27) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第22週『母の背中』『第122回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
キアリスですみれ(芳根京子)たちの元で働くようになったさくら(井頭愛海)は、念願のデザイン部に配属される。意気込んださくらは、女の子用のワンピースのデザインを提案するが、すみれたちにははっきりと改善点を示されないまま却下され、「キアリスらしさ」について思い悩む。一方君枝(土村芳)の息子・健太郎(古川雄輝)は開発宣伝部に配属されるが、経営陣の身内が入ってきたことを快く思わない社員たちには歓迎されず…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
先週の内容の無さと "さくらゴリ押し" が露呈したアバン
一週間の始まりの月曜日くらい、バシッとしたアバンタイトルから始まって欲しいと願うのだが、今回のアバンを見て、改めて先週の一週間の内容の薄っぺらさと “さくらゴリ押し” しか感じなかった。そして、今週のサブタイトルは『母の背中』。それを考えると期待どころか、恐ろしさえ感じるアバンだった。
正式な仕事でなく、さくらが意気込んで提出したの?
さて、主題歌明け。時は昭和45年(1970年)3月。さくら(井頭愛海)が何やらデザイン画をすみれ(芳根京子)たちに見せてプレゼンしているが、宿題でも出されていたなんて前振りがあったろうか。まあいいや。気になったのは、最近おかしな言動が絶えない明美(谷村美月)のこの台詞だ。
明美「まあ 仕事しながら よう考えるんやな」
あれっ?さくらって既にデザイン部に配属されているんだから、デザインに於ける「キアリスらしさ」について思い悩むのは彼女の仕事そのものなのでは?でも、この明美の台詞では、仕事は別にあることになってしまう。
結局、この時点での極小な情報から脳内補完すると、正式な仕事としてでなく、意気込んださくらが、女の子用のワンピースのデザインを提案しって解釈をする必要がありそうだ。なぜ、こんな重要なことを省略して話を進めるんだろう?「キアリス」の現状に不満を抱くさくらを描くのなら、重要な要素ではないのだろうか。
龍一の婚約者・美代の不快感が半端無い
場面変わって、勝二(田中要次)が開業した「名前が無い喫茶店」のシーン。しっかし、龍一(森永悠希)の天真爛漫さは良しとして、婚約者の美代(片山友希)の不快感が半端無い。
そして、不可解なのは、「美代」と言う名前。実は本作には(多分)姿は登場していないが、会話の中で登場した「デザイナーの吉田美代」がいた。栄輔(松下優也)が「古臭いデザイナー」と言った人物だ。なぜ、同じ名前の登場人物を作るのか?まあ、“やらんでええことをやる” のがこの脚本家なのは重々承知だが。
不快感を払拭出来ないなら、せめて清潔感と過程だけも…
そして、やるべきことをやらないのがこの演出家。龍一らが客に提供するハンバーガーを手を洗わずに作り始めちゃう。美代も薄汚い長い髪のまま、更に喋りながら料理して。こう言うのが本来、朝ドラらしくて軽快で楽しいのは承知だが、本作では話が別。
そもそも、脇役の脇役の老後の道楽の話を3分半も挿入する違和感だけでもすごいのに、清潔感すら描かないって。ホント、龍一たいが手を洗うカットと勝二が一応は止めるカットの2カットを入れるだけで良いのに。そして、いとも簡単に美味いハンバーガーが作れちゃう。なぜ、過程を描かない?なぜ演出家は手抜きする?
たまーに良いことを言う紀夫が「キアリス」の良心
そして、二度目の「名前が無い喫茶店」のシーン。
ここんとこ、たまーに良いことを言う紀夫(永山絢斗)が、今回もさりげなく良いこと言った。健太郎(古川雄輝)が、「キアリス本店」が雨漏りで修理に二週間要する間、喫茶店の店内を仮店舗に借りて商売をしようと提案したことに対して、紀夫が言ったこの台詞だ。
紀夫「個人の成功はない。全員の成功のみ。
それやったら いいと思います」
とにかく、紀夫社長だけは「キアリス」と身内と友だちだけのお花畑企業ではないと言う意識があると言うのが貫かれている。これは良いこと。さくらを特別扱いしないのも良い。ここは脚本家を褒めたい。
なぜ、喫茶店から社内に編集で直結させたのか?
ただ、なぜ喫茶店で雷鳴を鳴らした直後に、「キアリス」社内のシーンのすみれのアップに繋いだのかは意味不明。音(台詞)だけ聞いていたら、完全に喫茶店から会話が繋がってる。ほぼ、場所も時間も移動する必然性が無い。まあ、武(中島広稀) が言っていた…
武「やっぱり さくらちゃんと健太郎君に対しち
やっかみがあるこつは 確かです」
を、さくらと健太郎に聞かせるのはどうかと思うが、この台詞だけ翌日の重役?会議で言えば良かったような。その方が、さくらと健太郎たちにも社長の言葉の方が励みになるし。何せ、社長夫人たち4人は手芸倶楽部のままだから…
あとがき
今回から、また「語り」が増えてきましたね。これは強引に話を持って行こうとする前兆に間違いありません。だって、今週は『母の背中』ですよ。そもそも、母のお腹も頭の中もなーんにも描いて来なかったのに、今さら背中を描いてそれを娘が見てどうこうなんて話にするなんて…
どう好意的に捉えても、これまでの五か月間を無かったことにしようと企んでるとしか思えません。多分、間違いないでしょうね。そのために、先週からすみれたち4人の役割の違いを少しずつ描き始めていますし、すみれたち4人の「キアリス」の従来のやり方も描きつつ、さくらと健太郎の抵抗も描いてます。
流石に、五か月間を無かったことにするのは…。でも、最終回まで見続けるにはそっちに合わせるしかないでしょうね。そして、好意的に脳内補完して。せめて、年明けに勝二が喫茶店を開業して雨漏りしていたら、三カ月あったから違ったでしょうに。
それにしても、19歳の芳根京子さんが演じる45歳のすみれと。15歳の井頭愛海さんが演じる26歳のさくらの違和感が凄いです(苦笑)。一体、井頭さんに何歳まで演じさせるんでしょう?それも気になります…。
今週もよろしくお願いします。
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坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
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【これまでの感想】
●“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
●「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
●べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
●「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
●「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
●「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
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第2週『しあわせの形』
7 8 9 10 11 12
第3週『とにかく前に』
13 14 15 16 17 18
第4週『四つ葉のクローバー』
19 20 21 22 23 24
第5週『お父さまの背中』
25 26 27 28 29 30
第6週『笑顔をもう一度』
31 32
33 34 35 36
第7週『未来』
37 38 39 40 41 42
第8週『止まったままの時計』
43
44 45 46 47 48
第9週『チャンス到来!』
49 50
51 52 53 54
第10週『商いの聖地へ』
55
56 57 58 59 60
第11週『やるべきこと』
61
62 63 64 65 66
第12週『やさしい贈りもの』
67
68 69 70 71 72
第13週『いつものように』
73 74 75
第14週『新春、想(おも)いあらたに』
76 77 78 79
第15週『さくら』
80 81 82 83 84 85
第16週『届かぬ心』
86
87 88 89 90 91
第17週『明日への旅』
92
93 94 95 96 97
第18週『守るべきもの』
98
99 100
101
102
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第19週『希望』
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第20週『旅立ちのとき』
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第21週『新世界へ、ようこそ』
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第22週『母の背中』
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