べっぴんさん (第117回・2/21) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第21週『新世界へ、ようこそ』『第117回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
「キアリス」の新入社員採用面接を実施していたすみれ(芳根京子)たちだったが、候補者の中に娘のさくら(井頭愛海)や君枝(土村芳)の息子・健太郎(古川雄輝)の姿を見つけ驚く。すみれや紀夫(永山絢斗)、君枝は「身内を入れれば会社に悪い影響を与える可能性がある」と反対するが、人事部長の中西(森優作)は、「一人の人間として会社に有益であるかどうかを判断したい」と主張する。さくらと健太郎の採用試験の結果は…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今回も、さくらの横暴さとゴリ押しを見せられるのか
本作を観始めて4カ月半になるが、今朝は初めて前回の録画を観直してから、今回の視聴に臨んだ。なぜなら、前回があまりにも状況説明が多過ぎて、きちんと各人の設定の変化が頭に入らなかったことと、ヒロインの存在を隠してしまう程の “さくら吹雪” の横暴さとゴリ押しに閉口するしかかなったから、確かめるためだ。
さて、前回のラストでの驚愕のシーン、面接官である役員らが、我が子が入社試験を受けることを知らぬまま一次面接当日を迎えると言う、爆音目覚まし時計並みに日本中のお寝坊さんを叩き起こした迷珍場面で始まったアバンタイトル。前回であれだけ状況説明されたが、やはり「キアリス」の実態は一切分からない…
就活生の阿部君が、一番まともな登場人物では困る
主題歌明け。またしても迷珍場面が。面接を受けに来た阿部(上川周作)の自己紹介と得意なことの紹介での、阿部君のこの台詞だ。
阿部「キアリスで 大勢の赤ちゃんやお母さんたちを笑顔にして
社会の役に立ちたいです」
あのー、前回での潔(高良健吾)と紀夫(永山絢斗)とすみれ(芳根京子)の挨拶よりも「キアリス」の本質や「キアリス」で働く意義を明確に発言してるってどう言うこと?そして、この阿部君の言ったことこそが、本作のテーマでありヒロインの存在価値を示している。私が役員ならこれだけで一発合格させるが…
ついに、ドヤ顔で周囲を蹴散らす「さくら吹雪」が始動
こんな端的で明瞭な台詞がまだ書ける余力があるにもかかわらず、君枝(土村芳)の息子・健太郎(古川雄輝)のドヤ顔英語や、すみれの娘のさくら(井頭愛海)ドヤ顔自慢。凄いね。1か月半も続いた「さくらの乱」の次は、ドヤ顔で周囲を蹴散らす「さくら吹雪」が始まるとは想定外。
脚本家は、これが視聴者にとってのサプライズと認識して書いているのだろうか。演出家は、これが視聴者にとって微笑ましい家族の再会と認識して映像化しているのだろうか。私にとっては春一番の翌日の寒さよりお寒い場面でしかないのだが…
"家族が結集して" と言う流れは悪いとは思えぬが…
そして、事前にすみれたちが受験者名簿に目を通していなかったのではなく、さくらが2人の面接資料を親に黙って当日の資料に挟み込むことを、人事部長の中西(森優作)に依頼したと言う暴露話。もう、どうしよもうないね。完全にさくら自身が “社長令嬢” であることを過剰に意識し行動しちゃってる。
中西人事部長もクズだが、さくらはもっとクズ。おまけにさくらに依存体質の健太郎も同じ穴の狢。そして、突然に正義感を翻して、さくらたちにお説教するすみれは、数年前のナイトクラブ「青い月」での営業妨害したくだりを思い出させる不快感。それにすみれが「ルール違反」を言うのも、過去の挿話から何様って感じだし。
史実は別にして、これまでの一連の流れの中で、すみれたちが我が子を入社拒否させる理由が見当たらない。それに、そもそも仲良し4人でスタートし、家族や知人らに支えられて20周年を迎えたのが、今の「キアリス」とすれば、むしろ本作の正当な流れとして、家族が再結集して…と言う流れは悪くないのでは?
どうせ数日後には入社するんだから、さっさと大阪万博へ
後半の役員らが面接結果を審議するシーンも、なんか、なんかなぁって感じ。納得できたのは、阿部君の一発採用だけ。
「理屈っぽい」と言う理由だけで「不採用」と言い放った明美(谷村美月)も安定のキャラ変だし。その明美に反論したタケちゃん(中島広稀)は成長したってことか? 更に。もはや私には中西人事部長の発言なんて何の説得力も無いのだが、「言葉のあや」って?自己弁護に見えたのは私が腹黒い人間だからだ、きっと。
まあ、どうせ数日後の放送回で入社しているのは間違いないだろうから、こんな茶番劇はさっさと止めて、脚本家お得意の時間経過で、大阪万博開幕まで一気に進んだら良いのに。いや、月曜日が昭和44年(1969年)で「キアリス」の20周年で、火曜日が昭和45年(1970年)でさくらと健太郎は新入社員で良かっただけ…
あとがき
ここまでして、「さくらの乱」「さくら吹雪」を描くなら、今年に入ってから、すみれとさくらが二人三脚で「キアリス」を…って描写を入れておいてくれたら良かったのに。そう、『あさが来た』の終盤でのあさ(波瑠)と千代(小芝風花)、そして千代の夫・啓介(工藤阿須加)みたいな雰囲気とか関係性で…
結局、今年に入ってから「キアリス」の物語らしい物語が無い所へ、今週から唐突に「キアリス」の社内事情を描いてる上に、“すみれ推し”すら無かった所への鼻につくレベルを遥かに超えた “さくら推し” が、違和感や不快感を増幅しちゃってる。真似だろうがパクリだろうが『あさが来た』から学べば良かったのに…
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ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
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【これまでの感想】
●“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
●「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
●べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
●「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
●「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
●「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
1 2 3 4 5 6
第2週『しあわせの形』
7 8 9 10 11 12
第3週『とにかく前に』
13 14 15 16 17 18
第4週『四つ葉のクローバー』
19 20 21 22 23 24
第5週『お父さまの背中』
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第6週『笑顔をもう一度』
31 32
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第7週『未来』
37 38 39 40 41 42
第8週『止まったままの時計』
43
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第9週『チャンス到来!』
49 50
51 52 53 54
第10週『商いの聖地へ』
55
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第11週『やるべきこと』
61
62 63 64 65 66
第12週『やさしい贈りもの』
67
68 69 70 71 72
第13週『いつものように』
73 74 75
第14週『新春、想(おも)いあらたに』
76 77 78 79
第15週『さくら』
80 81 82 83 84 85
第16週『届かぬ心』
86
87 88 89 90 91
第17週『明日への旅』
92
93 94 95 96 97
第18週『守るべきもの』
98
99 100
101
102
103
第19週『希望』
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第20週『旅立ちのとき』
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第21週『新世界へ、ようこそ』
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