べっぴんさん (第116回・2/20) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第21週『新世界へ、ようこそ』『第116回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
昭和44年4月。株式会社「キアリス」は、創業二十周年を記念してパーティーを開いていた。社員数は大きく増え、専門知識を持った若い社員も働くように。会社の成長に深い感慨を得るすみれ(芳根京子)、明美(谷村美月)、良子(百田夏菜子)、君枝(土村芳)。ちょうどその時、海外留学中のすみれの娘・さくら(井頭愛海)と君枝の息子・健太郎(古川雄輝)が帰ってくる。二人はある決意を固めていて…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
嘘ばかりの潔の挨拶で、新章の幕開けだ
前回のラストが大学合格だから、昭和38年(1963年)春で、週明けの月曜日は昭和44年(1969年)。昭和39年(1964年)開催の東京オリンピックはスルーして始まった、放送残り6週間の月曜日。長々と大阪万博の資料映像と「世界の国からこんにちは」の歌と、嘘ばかりの潔(高良健吾)の挨拶で、新章の幕開けだ。
現状の状況説明をするわ、するわ…
しかし、何だろうね。この残念感、無力感、脱力感。朝から良い所が見当たらない。どうやら、流石に今回の8年分の “大規模時間経過” に脚本家は罪の意識でも感じたのだろうか。現状の状況説明をするわ、するわ。だが、こんなのは土曜日中に公式サイトに掲載しておいてくれたら、事前に読んでスルー出来るレベル。
昭和44年らしさは、衣装やメイクが野暮ったくなっただけ
これで、すみれ(芳根京子)も45歳になった訳だが、登場人物全員の衣装やメイクがただ野暮ったくなっただけで、全然昭和44年らしさが伝わってこない。何だろな、このしょぼさ、チープさ、やっつけ感は。東京の「日暮里繊維街」で急いで生地買って作ったような映像で、「ファミリア」を描こうと言うのだから腹が立つ。
大した努力もしないで成功したお金持ちたちの話が加速
本編の内容はと言うと。前回の感想で書いたように、 “来週では益々「大して努力もしないで成功しているお金持ちたちの話」が強調される” が見事に的中。
中でも強烈なインパクトで寝ぼけた私に強烈パンチを食らわせたのが、留学先から一時帰国したすみれの娘・さくら(井頭愛海)。『ど根性ガエル』のひろし級の頭にかけた大きなサングラスで偉そうに登場した場面では、どれだけ多くの視聴者の嫌悪感が増しただろうか。NHKの炎上作戦、大成功と言わざるを得ない。
最後まで、脇役や脇役の脇役の現状報告ばかりで終了
その後も描かれるのは、脇役や脇役の脇役の現状報告ばかり。悪いが、これは「キアリス」の現状でなく、登場人物の現状報告だから、多くても2,3分で済ませるべき内容。特に坂東家の裕福さと世間ずれをこれでもかと描写し続けたのには、むしろ脱帽したほどだ。
そして、やっと「さくらの乱」に目途がついたと思ったら、いよいよ「さくらのゴリ押し」が本格化。さくらの恋バナやスタジオ見学なんてどうでも良いのに。本当、いつになったら溜飲が下がるのだろうか。いや、本作を見て朝から溜飲が下がるなんて日々がやってくるのだろうか。
潔も栄輔も宙ぶらりんのまま、時間経過しちゃった
そして、すみれ関係者の脇役とそのまた脇役の現状報告に、潔(高良健吾)も栄輔(松下優也)も入っていない違和感も…。まっ、それ以上に6年前の「大急百貨店」と「オライオン」と「エイス」の話も宙ぶらりんで、時間経過したのが信じられん。「キアリス」が総合店を目指したくだりを思い出したのは、私だけではなかったろう。
あとがき
これで、ヒロイン・すみれの人生は、9歳から44歳までの35年間が描かれたことになります。その中で良くも悪くも印象に残ってるシーンが幾つありますか?
私は、麻田靴店でべっぴんさんづくりを学んだあの夜、母親とべっぴんさんづくりを約束した母との最期の思い出、戦地からの夫の帰還を待ち望んで泣いたあの山の上、あとは先日のジャズ喫茶で娘とヒステリックに親子ゲンカし営業妨害したシーンくらいです。
明美(谷村美月)はともかく、良子(百田夏菜子)と君枝(土村芳)に至っては、ほぼ皆無と言って良い。そんな状態で「四つ葉のクローバー」のエピソードを入れたって、これからリスタート的な “のろし” としてはお粗末過ぎます。先日のshinさんへの拍手コメントの返信にこう書きました。
時計の文字盤に叱られるかも知れませんが、
もはや時計の文字盤の背景画のような存在で、
毎朝習慣で見ている人が、
視聴率を支えているようにしか思えません。
これが、事実でないことを祈るばかりです。
【注意書き】
文中に登場した東京・荒川にある「日暮里繊維街」は素敵な所です。手芸や洋裁をする方からは "聖地" とも呼ばれています。今回は衣装さんたちのセンスの悪さの例えに引用しましたが、正に利用者のセンス一つで活かせる生地や小物の宝庫です。誤解のありませんように…
見てるだけでわくわく。手芸・ソーイングの夢広がる「日暮里繊維街」 | キナリノ
繊維街公式ホームページ
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
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【これまでの感想】
●“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
●「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
●べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
●「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
●「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
●「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
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第2週『しあわせの形』
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第3週『とにかく前に』
13 14 15 16 17 18
第4週『四つ葉のクローバー』
19 20 21 22 23 24
第5週『お父さまの背中』
25 26 27 28 29 30
第6週『笑顔をもう一度』
31 32
33 34 35 36
第7週『未来』
37 38 39 40 41 42
第8週『止まったままの時計』
43
44 45 46 47 48
第9週『チャンス到来!』
49 50
51 52 53 54
第10週『商いの聖地へ』
55
56 57 58 59 60
第11週『やるべきこと』
61
62 63 64 65 66
第12週『やさしい贈りもの』
67
68 69 70 71 72
第13週『いつものように』
73 74 75
第14週『新春、想(おも)いあらたに』
76 77 78 79
第15週『さくら』
80 81 82 83 84 85
第16週『届かぬ心』
86
87 88 89 90 91
第17週『明日への旅』
92
93 94 95 96 97
第18週『守るべきもの』
98
99 100
101
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第19週『希望』
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第20週『旅立ちのとき』
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第21週『新世界へ、ようこそ』
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