べっぴんさん (第115回・2/18) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第20週『旅立ちのとき』『第115回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
すみれ(芳根京子)、良子(百田夏菜子)、君枝(土村芳)は、それぞれの将来に向かって旅立っていく子供たちに手作りの服を贈ることに。そして迎えた大送別会。ジャズ喫茶「ヨーソロー」に、キアリスの関係者と家族が集まる。長年、すみれの家族を支えてきた喜代(宮田圭子)や忠一郎(曽我廼家文童)、大学に進学するさくら(井頭愛海)、健太郎(古川雄輝)、世界中を巡る旅に出る龍一(森永悠希)がそれぞれの思いを伝える。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今回が "最終回" で良かったのでは?
もう、今回が最終回で良かったのでは?それが、率直なこの15分間の感想だ。
もはや、本作が洋服作りの話であることなど、ほぼ忘れさせるような展開を1か月半も続けておいて、いきなり、息子の洋服だ刺繍だと描かれても、ポカーンと口を開けて見るしかない視聴者の気持ちを、作り手たちは理解しているのだろうか。
すみれとゆりが、我が子にタペストリーを贈るとか…
それにしても、強引にすみれ(芳根京子)に刺繍をさせて、母・はな(菅野美穂)と重ねたのだろうが、これまでもすみれは何度も刺繍をしているから、大したスペシャル感が無い。
なのに、母の気持ちを思い出してゆり(蓮佛美沙子)に電話。「さくらの乱」で散々ゆり一家にお世話になったお礼も見ていないから、唐突以外の何物でもないし、すみれが本当に自分勝手で好き勝手な人間であることが際立っただけのような…
そして、強引に刺繍と母親を重ねるなら、こんな無理矢理なやり方でなく、さくら(井頭愛海)とゆりの長男・正太(吉田陽登)の旅立ちのタイミングを合わせて、更に例のはな(菅野美穂)から贈られたタペストリーに重ねて、すみれとゆりが我が子にタペストリーを贈る方が納得しやすかったのではないだろうか。
「大送別会」の変な演出と編集…
とにかく不可思議でしょうがなかったのが「大送別会」の演出と編集だ。マイクも無いのにナレーションベースみたいな龍一(森永悠希)の司会進行で始まり、紀夫(永山絢斗)の挨拶時は、生演奏の音量が自動的に下がったり、全く意味不明。
さくらと喜代を同時退場させたのは失敗…
そして、子どもたちが一緒に退場するのは良しとして、さくらと喜代(宮田圭子)を一緒に退場させたのは失敗だろう。だって、「すみれの元にさくらがいない=子育ては喜代がやっていた」を強調してしまったから。これで、さくらの18年間ですみれが子育てしたのは、喜代が入院した期間と「さくらの乱」だけになった訳か…
「べっぴん」の心が確実に受け継がれて、盛り上がった?
また、いつすみれから「べっぴん」のことを教わったのか知らないが、すみれが以前に良く言っていた台詞をそのままさくらに喋らせたのは脚本家の手抜きに見えてしまった。どうやら、脚本家はこれで祖母から母へ、母から孫へ「べっぴん」の心は確実に受け継がれて盛り上がると思っているようだが、全国のお茶の間は?
あとがき
ついに、最終回(仮)のラストも、モノクロ写真で誤魔化しましたね(失笑)。 潔 紀夫がすみれの作った味噌汁を「久し振り」と言っていましたが、夫婦2人に娘1人の3人家族で女中を雇っていると言う裕福さを強調したに過ぎませんでした。そして、予告編によれば、次週はさらに20周年に時間経過。
前回の「あとがき」にも書きましたが、来週では益々 “大して努力もしないで成功しているお金持ちたちの話” が強調されるのは間違いなさそう。自分の知らないブルジョワな世界を覗く面白さがある映像作品はたくさんありますが、本作にそんな面白さは微塵もありません。ただただ、鼻につくだけ…
お金持ちの物語でも、裕福な人だからこそ、会社の経営陣だからこそ、お嬢様だからこその紆余曲折や苦悩や挫折を描くから、成功や幸せを見るのが楽しいし面白いのに、騒動を起こしてその結末は曖昧のまま次のステップに進むだけの本作では、起業(企業)ドラマ以前にホームドラマにもなっていないように思いますが…
一週間、私の感想にお付き合い下さりありがとうございました。同志の皆さん、こうなったらプロが作る本物の最終回まで見届けますか?(継続できるか自信はありませんが…)
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坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
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【これまでの感想】
●“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
●「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
●べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
●「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
●「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
●「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
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第2週『しあわせの形』
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第3週『とにかく前に』
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第4週『四つ葉のクローバー』
19 20 21 22 23 24
第5週『お父さまの背中』
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第6週『笑顔をもう一度』
31 32
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第7週『未来』
37 38 39 40 41 42
第8週『止まったままの時計』
43
44 45 46 47 48
第9週『チャンス到来!』
49 50
51 52 53 54
第10週『商いの聖地へ』
55
56 57 58 59 60
第11週『やるべきこと』
61
62 63 64 65 66
第12週『やさしい贈りもの』
67
68 69 70 71 72
第13週『いつものように』
73 74 75
第14週『新春、想(おも)いあらたに』
76 77 78 79
第15週『さくら』
80 81 82 83 84 85
第16週『届かぬ心』
86
87 88 89 90 91
第17週『明日への旅』
92
93 94 95 96 97
第18週『守るべきもの』
98
99 100
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第19週『希望』
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第20週『旅立ちのとき』
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