べっぴんさん (第112回・2/15) 感想

連続テレビ小説「べっぴんさん」

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』公式
第20週『旅立ちのとき』『第112回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


すみれ(芳根京子)、明美(谷村美月)、良子(百田夏菜子)、君枝(土村芳)は、15歳の時から「キアリス」のために働き続けてくれている武ちゃん(中島広稀)の将来を心配し、縁談相手をみつけようと奔走する。しかし、武ちゃんの心の中にはいまだに明美への思いがくすぶっていた。武ちゃんは酔った勢いでその気持ちを後輩の中西(森優作)に漏らしてしまう。またたく間にその思いは周囲の知るところとなり…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

いつまで、脇役の恋バナを続けるのか!

言いたかないが、前回は、脇役の熟年カップルが金に困っていないのを良いことに世界旅行だ若者に出資だと騒ぎ、脇役の息子も赤の他人に金を貰って出世払いで墓を建てると言い出しただけ。

今回こそ「キアリス」をと願ったが、冒頭で描かれたのは「エイス」の経営状況だけ。残り一か月半。ホント、何を描くつもりなんだろう?と感じつつ、今回のストーリーはとんでもない方向に進んでいく…

部長は会社で二日酔い 役員4人は縁談相手探し…

もはや、オープニング映像の刺繍が苦々しくも見えてしまう本作。主題歌明けは、何と「キアリス」の部長が、会社で、二日酔いで寝てる映像。もう、この時点で視聴意欲は、限りなくゼロに…

ここ、会社だよね。新人クン以外は部長や役員だよね。顎に手を突いて喋る専務職のすみれ(芳根京子)には呆れるが、よりによって新人クンを置いて、業務時間内と思われる時間帯に、武(中島広稀)の将来を心配して、縁談相手を見つけようと奔走する話って、もう意味が分からない。

それも、社員や従業員の中からならともかく、お得意様のお嬢様も対象って…。馬鹿馬鹿しいにも程がある。

すみれの成長と「キアリス」の成長を描け!

脇役を描くなとは言わない。登場人物たちの人間関係を描くなとも言わない。脇役の人生の出来事の中で「結婚」を取り上げて、未婚の登場人物を幸せにするのを悪いとは言わない。しかし、どんなエピソードにも “描くべき時” がある。蒸し返すが、前回の話の次がこれで良いのかってことだ。

ドラマとは人間を描くものだ。それに間違いはない。しかし、本作は一人のお嬢様が将来 “べっぴんさん” を作って、たくさんの人たちを幸せにしたいと言うところから物語が始まっている。だとしたら、主人公を描く上で、決して無視できないのが “べっぴんさん” とそれを売る企業「キアリス」だ。

言い換えれば、すみれの成長を描くと同時に、いやそれ以上に「キアリス」の成長をしっかりと描かなければ、「キアリス」の中のすみれの成長も描けないのだ。それなのに、“べっぴんさん” はおろか、「キアリス」の成長が全く描かれていない。

劇中に登場する人物も企業も成長しない物語。ガタイばかり大きくなるが、中身は感情丸出しの三歳児レベル。気が向いた時だけお姉ちゃんぶるみたいな。今回のすみれの「わあ~」なんてその良い例。すみれの成長と「キアリス」の成長を描かずして、どうやって「20周年」まで描くのか不思議でならない。

パワハラ劇を面白いと思って作ってるのか?

勝二「一人で背負うんやない。みんなで背負おうや。なっ?」

この台詞だけ抽出すれば、監査役の勝二(田中要次)が新人クンに手を貸すように聞こえるが、前後の脈略を考えれば、現在ならほぼ役員3人揃ってのパワハラのレベル。それも、内一人が社長だからたちが悪い。これ、本気で脚本家も演出家も、敢えて入れるが出演者も、面白いと思いながら撮影したのだろうか?

新人クン以外、全員お花畑とは何ともお粗末な会社か?

とにかく見ていて不愉快でなく不快になるレベル。中学生が放課後の部室の隅っこでやるような話を、大の役職付きの30過ぎの社会人が、勤務時間内にやる話か。これまた言いたくないが、武は見た目は雑用係と大して変わりないが、一応は皇室御用達の企業の部長であらせられるお人だ。

その人を、すみれと良子(百田夏菜子)と君枝(土村芳)の役員3人が、未婚の明美(谷村美月)と武をくっつけようと楽しそうにしてるって。前半で、すみれの頭の中はとっくにお花畑なのは承知していたが、まさか新人クン以外全員お花畑とは、何ともお粗末な会社と言う設定なのだ。頭が痛くなってくる…

登場人物の "思い" を描かなかった穴が演出で埋まらない

ここで、少し真面目に分析してみる。既に皆さんも気が付いているだろうが、本作の脚本はほぼ破綻している。登場人物たちの “思い” や “気遣い” や “思いやり” を描かなかったことが、最大の原因だ。

従って、今回のように、例えくだらなくとも、笑えなくとも、脚本家が登場人物たちの感情や気持ちを描こうとすると、演出がおかしくなるのだ。だって、殆どまともにやってきていないのだから。

だから、終盤で明美と武の会話を盗み聞きしようとあたふたするすみれら3人は滑稽でなく幼稚にしか見えないし、明美と武が本音を話すシーンになっても、すみれの表情からは事の重大さや真剣さが伝わらない。演出で強引に回想シーンを突っ込んでは見たものの、前半とのギャップが大き過ぎて逆に受け止め難くなったし…

演出が完全に失敗 明美と武の "思い" を弄んだ話に

明美「もう なくしたくないんや 家族を」

本来なら、明美の “母親に会いたい” と言う “思い” は、すみれにも絶対にある訳で、対象を母からはな(菅野美穂)に変えれば、先日の喜代(宮田圭子)の「奥様に会いたい」にも繋がる連ドラらしいエピソード。なのに、演出が完全に失敗したことで、明美と武の “思い” を弄(もてあ)そんだ話になってしまった。

なぜ、このラストがあるなら、あんなに笑いのエピソード仕立てにしたのだろう?それにしても、明美と武は本店の事務所脇で住んでたってこと!?もしかして、本日最大のサプライズかも…

あとがき

今回の15分間は、かなりエグイ話になってましたね。でもあれを、笑いながら「武ちゃんがんばれ」「明美ちゃん、幸せになってね」なんて見る視聴者がいるんですよね。なんか、今日は嫌ーな気分になりました。だから、さっさと「キアリス」の話を描けば良いと思うんです。そして、今回の話は3月下旬で良かったと思うのです…

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坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック


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【これまでの感想】
“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること

第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
1 2 3 4 5 6
第2週『しあわせの形』
7 8 9 10 11 12
第3週『とにかく前に』
13 14 15 16 17 18
第4週『四つ葉のクローバー』
19 20 21 22 23 24
第5週『お父さまの背中』
25 26 27 28 29 30
第6週『笑顔をもう一度』
31 32  33 34 35 36
第7週『未来』
37 38 39 40 41 42
第8週『止まったままの時計』
43  44 45 46 47 48
第9週『チャンス到来!』
49 50  51 52 53 54
第10週『商いの聖地へ』
55  56 57 58 59 60
第11週『やるべきこと』
61  62 63 64 65 66
第12週『やさしい贈りもの』
67  68 69 70 71 72
第13週『いつものように』
 73 74 75
第14週『新春、想(おも)いあらたに』
 76 77 78 79
第15週『さくら』
 80 81 82 83 84 85
第16週『届かぬ心』
86  87 88 89 90 91
第17週『明日への旅』
92  93 94 95 96 97
第18週『守るべきもの』
98  99 100  101  102  103
第19週『希望』
104  105  106  107  108  109
第20週『旅立ちのとき』
110  111  

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