べっぴんさん (第110回・2/13) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第20週『旅立ちのとき』『第110回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
昭和37年6月。すみれ(芳根京子)の娘・さくら(井頭愛海)と、君枝(土村芳)の息子・健太郎は高校3年生に。それぞれ東京の美術大学と京都大学を目指して勉強に励んでいた。もう一人の幼なじみ・龍一(森永悠希)は、一足先に大学生となり、学生運動に参加しながら自分の将来を模索していた。一方、この先の人生に不安を感じているのは若者だけではなく、すみれの家で長年働いてきた女中の喜代(宮田圭子)も同じで…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
どうやら、今回の時間経過での五十八以外の死亡者ゼロ
今回の感想は、ツッコミ10連発なので長文です。
月曜日のアバンタイトルの1カット目が、モノクロ写真がぞろっと並んだ異様なカットで始まると、週末の二連休の間に五十八(生瀬勝久)の他にも「ナレ死」させて、脚本家お得意の時間経過で、あれこれ証拠隠滅をして先に進むのかと思いきや、どうやら五十八以外の死亡者はゼロ。
しかし、時代は昭和37年(1962)6月と微妙に進んだ。この微妙さに私は腹が立つ。私の記憶にはまだ新しい、五月(久保田紗友)の妊娠騒動の顛末も、子どもたちが「キアリス」でのアルバイト経験がどうなったのかも知りたいのに…
なぜ、すみれたちは応接間で応接セットで食事する?
まず、さくら(井頭愛海)は “何も無かったように” 高校3年生になり、東京の美術の大学受験を目指して、いつものお誕生日席で朝食を摂ってるのに驚いた。ところで、まだ私が中学生の頃、夕方空腹でカップラーメンを台所で立って食べていると、祖母に「ご飯はきちんとお膳で座って食べなさい」と叱られたものだ。
なぜ、今こんな話を書いたのかと言うと、以前からずっと気になっていたすみれ(芳根京子)の家の食事風景に触れておくべきと感じたから。どうして、すみれ一家は、応接セットのような椅子と紀夫(永山絢斗)の膝頭の高さほどの中途半端なテーブルで食事をするのだろう?
家の造作から推測すると、この部屋は玄関から入ってすぐ右の部屋。きっと普通なら応接間に当たるような。だとすれば、別途台所とダイニングはあるはず。なぜ、そこで食事をしないのか?もしかして、戦前のように女中の喜代(宮田圭子)だけダイニングで食事?いや、以前、五月とすみれたちとご飯を食べていたし…
今週も、すみれと「キアリス」は描からず仕舞いか?
それにしても、「語り」での補完も補強もなく “さくらの乱” が終結し、ヒロインすみれと「キアリス」の現状より先に “さくらの今” だけが報告された第20週の月曜日のアバン。冒頭の38秒間で、これだけの違和感と謎の嵐。今週も間違いないく荒れそうな雰囲気しかない…
主題歌明けも、「キアリス」感ゼロは続く…
折角のミスチルの主題歌もタイトル映像も、もはや内容とかけ離れ過ぎて、見るのも聞くのもやっとの思いだが、その主題歌明けこそ、すみれか「キアリス」をと願ったが、願い虚しく、脇役の息子・龍一(森永悠希)の興味関心も無ければ笑えと言われても笑えないつまらない現状報告をダラダラと。
流石に早送りした途端、今度は阿呆な龍一の歌の後に、深刻な二郎(林遣都)のアップ。こうなったら五月の話で良いよと願ったが、その願いも虚しく龍一のどうでも良い映像が。ここまで5分。すみれと「キアリス」感ゼロ。そして、ついでに健太郎(古川雄輝)の現状報告も。ここまで6分。もうどうしようもない…
6分30秒過ぎても、「べっぴん」とは無関係の話が続く…
さて、6分30秒過ぎ。そろそろ物語が「キアリス」へ…と思ったら、またさくら。また龍ちゃん。そしてアイドル扱いの健ちゃんのお話。舞台が「キアリス」の縫製工場?である君枝(土村芳)の家ってだけで、ほぼ「べっぴん」は無関係なくだり。それにしても、君枝の “病弱な体質” が健康そうなのが何よりだ(苦笑)
オスカーのゴリ押しで、物語を捻じ曲げないで頂きたい
そして、こんなことは言いたくないが、所属タレントのゴリ押しが有名な大手プロダクション・オスカープロモーションだが、さくら役を演じる井頭愛海さんも同事務所。流石に今年に入ってからの井頭さんの出番が、ヒロインの芳根京子さんの出番の何倍も多いのは、誰の目にも明らか。大人の事情で物語を捻じ曲げないで頂きたい。
※この部分は、あくまでも私の想像の域。事実確認が出来るはずもないが。
できる女中にも、近々退場してもらわないと話が進まない
やっと9分後半で、冒頭のモノクロ写真整列のカットに戻って来た。今度こそ、すみれかと…思わなかった。これだけ、願いが裏切られれば。そしたら今度は、負のオーラをまとりまくりの “黒喜代” の登場?
喜代さんは、本作の清涼剤であったことには間違いないが、物語的には喜代が “できる女中” 過ぎたことが、すみれの子育てやさくらの反抗に繋がった訳で、この際、物語をヒロインと「キアリス」に大きく舵を切るには、ぼちぼち退場してもらわないと、劇中の喜代以上に、視聴者がお先真っ暗なのだ。
勝二が息子を投げ飛ばしたのは良いが、台詞が中途半端…
しかし、我慢をしていれば一つ位は願いが叶うようだ。「世界を回る旅がしたい」と大学の自主退学を言い出した龍一。某ドラマでバーテンダー役を演じた良子の夫・勝二役の田中要次さんが「そう言う人生もあるよ!」と言うかと思いきや、「寝言は(大学を)出てから言え」とバカ息子を投げ飛ばした。天晴!勝二。
ここでは、敢えて勝二の台詞に(大学を)と入れたが、(家を)かもしれない。この15分間で最も説得力あるシーンでの登場人物の台詞が中途半端って何?「父親の躾け」と言う本作で “最も欠落した描写” だからこそ、逃げずにきちんと書いて欲しかった。それ以前に脚本家の頭の中には “躾け” は無いか…
※この勝二の台詞については、『拍手コメントへ返信 (2017/2/13の分)その2』内の、通りすがりさんへの返信で言及しています。
今更、ご存命の堀江謙一さんの名前を持ち出すなって…
それにしても、番組開始直後までは、「ファミリア」だ「坂野惇子」と実在のモデルやモチーフで騒いでいたが、今やその陰も姿も微塵も感じられないただの「積木くずしもどし」を一か月見せられた私。その私にとっては、まだご存命で現役冒険家の堀江謙一さんの名前が軽々しく使われること自体に腹が立った。
15分間、キアリス感、べっぴん感、すみれ感ゼロ!
いよいよ、キアリス感、べっぴん感、すみれ感、すべてがゼロで迎えた15分間の最後のシーンは、忠一郎(曽我廼家文童)が老いらくの恋を実らせようと、喜代に「二人で冒険の旅に出よう」と言い出すシーン。死後の世界へ旅立つような、無意味な逆光の照明演出で始まり、セミの鳴き声に意味深なエコー。何なの?
あとがき
どうやら、今週が潮時のようですよ。今週のサブタイトルは『旅立ちのとき』。土曜日までには、さくらと健太郎が大学合格、龍一は放任主義の親に育てられた子どもらしく世界中を巡る旅に出るでしょうし、忠さんと喜代さんは旅立つ子供たちに送辞を言うのかな?
だとしたら、週末は馬鹿馬鹿しい全員参加の子供たちの巣立ちを祝う送別会でひと盛り上がりするかも?もしかしたら、これでやっと4組の夫婦と「キアリス」が残るので、いよいよ本題…って、来週かよ?って話ですよね。
でも、放送は残り僅かに41回、一か月半しかありません。第1話の冒頭、「キアリス20周年」は昭和44年。劇中時間で、あと7年しかない…
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坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
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【これまでの感想】
●“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
●「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
●べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
●「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
●「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
●「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
1 2 3 4 5 6
第2週『しあわせの形』
7 8 9 10 11 12
第3週『とにかく前に』
13 14 15 16 17 18
第4週『四つ葉のクローバー』
19 20 21 22 23 24
第5週『お父さまの背中』
25 26 27 28 29 30
第6週『笑顔をもう一度』
31 32
33 34 35 36
第7週『未来』
37 38 39 40 41 42
第8週『止まったままの時計』
43
44 45 46 47 48
第9週『チャンス到来!』
49 50
51 52 53 54
第10週『商いの聖地へ』
55
56 57 58 59 60
第11週『やるべきこと』
61
62 63 64 65 66
第12週『やさしい贈りもの』
67
68 69 70 71 72
第13週『いつものように』
73 74 75
第14週『新春、想(おも)いあらたに』
76 77 78 79
第15週『さくら』
80 81 82 83 84 85
第16週『届かぬ心』
86
87 88 89 90 91
第17週『明日への旅』
92
93 94 95 96 97
第18週『守るべきもの』
98
99 100
101
102
103
第19週『希望』
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109
第20週『旅立ちのとき』
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