べっぴんさん (第108回・2/10) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第19週『希望』『第108回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
すみれ(芳根京子)の店「キアリス」で働くことになったさくら(井頭愛海)と妊娠中の五月(久保田紗友)。恋人の二郎(林遣都)にプロのドラム奏者になってもらうため、一人で子供を産み育てようと心を固めていた五月だったが、次第に不安が募っていく。戦後の厳しい状況下で出産・子育てをしたすみれと良子(百田夏菜子)、君枝(土村芳)は五月を優しく励ますのだった。そんなある日、「キアリス」に二郎が訪ねてきて…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
さくらが、まるで重役のように偉そうに店に立つ…
ここ最近は、15分間に3つは大きな違和感と疑問を抱えている本作。もちろん、細かく突っ込めばたくさんあるが…。
やはり、一番おかしいのは、僅か1分間にも満たないアバンタイトルでも、さくら(井頭愛海)が「キアリス」の夏休みだけのアルバイトを超えて、重役のように売り場に立ち偉そうに微笑んでいたこと。主題歌明けでは、五月(久保田紗友)に、中盤では二郎(林遣都)にも偉そうにしてること。
私にとっては、自分勝手で好き勝手やって周囲を家出騒動に巻き込んだ社長令嬢のお嬢様キャラが深く沁み込んでいるさくらが、年上で一応共に10代とは言え人生経験のある2人に偉そうに説得って?一体、何のために、このくだりを描くのか分からない…
二郎の決断にも問題あるが、黙ってるすみれも大問題…
さくらの言動もおかしいが、二郎も負けず劣らずにおかしな行動を取った。終盤では五月と一緒に…的な大団円に、脚本家は超強引に持ち込むが、そこに至る過程に腹が立つ。身重の五月を思ってでなく、家族に泣きつかれたから東京行きを止めたのだ。それに映像的には諦めたと言うより、「厄介な話を持ってきたな」って感じで。
「運命から逃げずに…」なんて、また偉そうにさくらは言っていたが、後ろでそれを見ていたすみれ(芳根京子)が、娘の目覚ましい成長を喜んでる風だから余計に腹が立つ。そう言う風に見せたいなら、強引は承知でさくらに、「五月さんは痩せ我慢てるけど、本当は二郎さんに会いたいって泣いているです」と言わせるべきだった。
そして、さくらが二郎の生き方を批判するのでなく、五月の気持ちを思いやることが出来る人間になったと言う母の喜びなら、ギリギリ納得できるのに。それに、責任を持って五月を預かってる大人として、あそこで無言で立ってるだけのすみれの存在の意味とその薄さの半端無さも、残念過ぎる。
それにしても、すみれは「大船に乗ったつもりでね」と五月を励ましていたが、いつまで面倒を見ると言うのか?ただ俄かの善意や施しは、根本解決にはならないと思うが…。それに、時は昭和35年(36年?)で身元保証もない未成年が私生児を産むかもしれない状態を受け入れるって、現実的にどうなんだろう。
「キアリス」の肌着は縫い目が外側が特徴なのに刺繍?
さて、場面変わっていつものノリで突っ込もう。自分の店先でキャッチボールをする少年を「元気やね」と励ましていたすみれだが、「キアリス」の客層は妊婦や乳幼児を抱えた母親たちでは?だとしたら、普通の専務なら「お客様にぶつかったら危ないからここでは止めてね」と言うのでは?全く客の立場になんてなってない。
店内(事務所)では店はそっちのけで、久し振りの女学校時代のノリでワイワイと女子会ムード。それだけなら珍しく微笑ましいシーンとして認めても良かったのに、“やらんでええことをやる” のがこの脚本家。肌着に刺繍をするエピソードを挟んで来た。
確か、「キアリス」の肌着は、縫い目が外側にあるから赤ちゃんの肌に触れなくて優しい製品と言うのが売りなのでは?肌着に刺繍なんてしたら、肌着の裏に糸が出るから、縫い目を外にしている意味が無いのでは?映像では、肌着が二枚重ねになってなっているようにも見えなかったし。これで良いのだろうか?
音楽のクライマックスでの、母と子の手繋ぎのアップ…
紀夫「あの人らは、ずっと青春ですよ」
この紀夫(永山絢斗)の台詞も取って付けたように聞こえるのが本作の惜しいところ。確かに間違ってはいないのだが、「ずっと」と言われると、そこは全て視聴者が好意的な脳内補完しなくてはならないレベル。やはり、過程を描けないから、こう言う台詞が空を切る。だから、音楽で大袈裟に盛り上げざるを得なくなるのだ。
そして、内容でなく音楽のクライマックスで母と子の手繋ぎのアップ。カメラが引いていくと、見ず知らずの通行人の母子ってオチ。こう言う時こそ、カメラが引くと時間経過して、五月と二郎と子どもの手繋ぎのアップにして、3~5年は進めたら良かったのに。
「女の一生」と無関係なら、二郎と五月の話はもういい
それにしても、さくらは両親と和解したと言う解釈で、今後も観て良いのだろうか。そこが曖昧のまま、1か月以上前から描いてるさくらの家出から登場している次郎と五月を未だに描き続けるってどう言う意図があるのだろう?
これね。私なりの解釈をすると、事の発端は悦子(滝裕可里)の再婚話で、それが企画展示の「女の一生」に繋がり、様々な女性の生き方や生まれてから老いるまでの一生を企画展とドラマがリンクして最終回まで描くのでは?と考えていた。
だから、悦子の子どもも合流すれば良いし、二郎と五月の夫婦も巻き込んで描くのはアリだとも考えていた。しかし、「女の一生」はあの企画展で終わってしまい、ちいとも登場する気配はない。となると、やはり二郎と五月のくだりは、単純に脇役による本筋でない話になる。ならば、さっさと止めたら良いのに…
あとがき
すべての要素がバラバラですね。そこへ新しい登場人物を作っては加えるから、話は膨らむし広がりますが、連ドラで最も大切な “連続性” がありません。栄輔なんてその良い例。再登場しても物語的には、別の人間でも成立しちゃってますから。玉井なんて完全に別人ですしね。
撮影終了まで時間がありません。何とか立て直して欲しいです。
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
★本家の記事のURL →
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【これまでの感想】
●“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
●「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
●べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
●「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
●「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
●「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
1 2 3 4 5 6
第2週『しあわせの形』
7 8 9 10 11 12
第3週『とにかく前に』
13 14 15 16 17 18
第4週『四つ葉のクローバー』
19 20 21 22 23 24
第5週『お父さまの背中』
25 26 27 28 29 30
第6週『笑顔をもう一度』
31 32
33 34 35 36
第7週『未来』
37 38 39 40 41 42
第8週『止まったままの時計』
43
44 45 46 47 48
第9週『チャンス到来!』
49 50
51 52 53 54
第10週『商いの聖地へ』
55
56 57 58 59 60
第11週『やるべきこと』
61
62 63 64 65 66
第12週『やさしい贈りもの』
67
68 69 70 71 72
第13週『いつものように』
73 74 75
第14週『新春、想(おも)いあらたに』
76 77 78 79
第15週『さくら』
80 81 82 83 84 85
第16週『届かぬ心』
86
87 88 89 90 91
第17週『明日への旅』
92
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第18週『守るべきもの』
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第19週『希望』
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