べっぴんさん (第102回・2/3) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第18週『守るべきもの』『第102回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
すみれ(芳根京子)は、突然姿を消したジャズ喫茶「ヨーソロー」の店員・五月(久保田紗友)を大急百貨店でみかける。キアリスでアルバイト中の健太郎(古川雄輝)と龍一(森永悠希)から事情を聞いたすみれは、明美(谷村美月)と共に再び大急を訪れ、五月が妊娠していることを知る。五月を自分の家に住まわせることにしたすみれは、事情をママのすず(江波杏子)に伝えるため「ヨーソロー」を訪れる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
突然、ヒロインの優しさを描こうと思い付いたのか?
もう、どこから突っ込んだら良いのか分からない。どうやら、脚本家が突然ヒロインの優しさを描こうと思い付いちゃったとしか思えない、とんでもない違和感満載のエピソードを突っ込んできた。一体、脚本家は本作で何を描こうとしているのだろう。本当に分からなくなってしまった。
大急百貨店もエイスも、何でもアリなのか?
家出先なのに緊張感ゼロのアバンタイトルで始まった第102回。五月(久保田紗友)だが、普通、失踪するなら、繁華街の裏通りの店とか、人目に付かない裏方仕事をするはずだが、「見つけて」と言わんばかりに、大急百貨店で働く!?
また、身元不明で住所不定で妊娠中の未成年者を店頭で売り子に使う「エイス」って会社はどうなってる?その延長線上で、そんなブラック企業をテナントに入れてる大急の責任もあるような。それに、見るからに未成年が閉店後の事務所に寝泊まりするって、まだ大急には深夜に警備員がいないのかって話だ。
大急ついでに言えば、催事場でもないのに、ベビー服と紳士服とハンドバックや財布が、同じフロアーで狭苦しく売ってるのもおかしい。まあ、テナントの社長がお客用のエレベーターから客前に出て、ポケットに手を突っ込んでるのが許されるのだから、商品もルールも何でもアリな百貨店ってことか。
自分の娘が家出中で、それが未解決なのに…
すみれ「一人で赤ちゃんを産んで育てることが、
どれだけ大変なことか分る?
私なんて、喜代さんに丸投げしたのよ!」
あれっ?上のすみれ(芳根京子)の台詞に、勝手に私の心の叫びを一行足してしまった(謝)。
どうして、自分の娘が家出中でそれが未解決なのに、娘のことは今は姉に丸投げして、妊娠中と言う理由だけで見ず知らずの五月を家に泊める?これをすみれの優しさと捉えさせるには無理がある過ぎる。良い方に解釈しても、娘への贖罪で俄か偽善をしたくなったようにしか見えない。
さくらの席に五月が座った違和感…
そして、五月を自宅に呼んでの夕食シーン。まずおかしいのは五月の座った席。あれは家出中の娘の席で、前回のラストでじーっと大切そうに見つめていた椅子だ。前回で祖父の五十八が来た時も座らなかったあの椅子に、五月が座った。妊娠中だからお誕生日席ってことなら苦笑するしかないが…
マシな登場人物は、喜代さんしかいないのか?
まあ、この15分間で本当の意味での善人は喜代(宮田圭子)だけだと再認識。突然の来訪者に食事の支度も全部した上で、文句どころか「お召し上がり下さい」の優しいお言葉。まるで高級旅館の仲居さんのように、丁寧に寝床を作って、再び心温かなおもてなし。
それにしても、喜代さんに育てられたのなら、さくらはもう少しマシな娘に育っても良さそうなものだが…
すみれもすずも、俄かの善意は根本解決にならないのに…
「さくらかて、そのうち帰って来るやろうし…」の心無い言葉に夫・紀夫(永山絢斗)の冷たさを感じたが、確かに「いつまで?」とすみれに問うたのは正しい。俄かの善意や施しは、根本解決にはならないのだから。
こんな時こそ、我が娘を家に連れ戻そうと営業妨害まがいの行動を取ったすみれを復活させて、偉そうに未成年を責任を持って預かると言っていたすず(江波杏子)に五月を突き返したら良いのに。そして、すずの無責任な人生観をさくらに教えてやればいい。
それを描かずに、すみれがご丁寧に五月の現状報告するから、「そんな近い所におった?」とすずの無責任さに拍車がかかるのだ。これ、まさかと思うが、自分の母親が五月に入れ込んでることに嫉妬して、家出を止めるなんて幼稚な話にならなるのだろうか。さくらの珍しい驚きの表情で、そう見えてしまった。
家出をされた親と家出中の娘が同じカウンターに並んで…
そして、最後の「語り」は何なの?書き起こす気も無いが、結局さくらの家出は何なんだ?家出をされた親と家出中の娘が同じカウンターに並んでいるのに、物語は赤の他人の妊娠と東京進出って?ホント、このまま続けて、何を描きたいのだろうと考えてしまった15分間だった。
あとがき
本当はですね。この脚本家の過去の作風からしたら、私が言う「騒動至上主義」に徹底したら良かったんですよ。騒動を起こしてヒロインを強引に絡めて、いつの間にか解決してる、それの繰り返しで。前作の『とと姉ちゃん』は、それで完走したじゃないですか。朝ドラとして面白いかどうかは別にして。
今回なんて、正に「騒動至上主義」ですよ。でも、たまに思い付いたようにやるから、取って付けたように見えるし、唐突なキャラ変更に見えてしまうです。やはり、長丁場の朝ドラの脚本こそ「初志貫徹」が『守るべきもの』かも知れません…
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坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
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連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
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【これまでの感想】
●“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
●「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
●べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
●「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
●「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
●「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
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第2週『しあわせの形』
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第3週『とにかく前に』
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第4週『四つ葉のクローバー』
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第5週『お父さまの背中』
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第6週『笑顔をもう一度』
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第7週『未来』
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第8週『止まったままの時計』
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第9週『チャンス到来!』
49 50
51 52 53 54
第10週『商いの聖地へ』
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第11週『やるべきこと』
61
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第12週『やさしい贈りもの』
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第13週『いつものように』
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第14週『新春、想(おも)いあらたに』
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第15週『さくら』
80 81 82 83 84 85
第16週『届かぬ心』
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第17週『明日への旅』
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第18週『守るべきもの』
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